2018年05月10日

河川や湖、土壌に混入した抗生物質を一掃するための戦略


 細菌を死滅させる
   抗生物質
に対して耐性を持つだけでなく、それを餌として摂取する一部細菌についての詳細が分かったとする研究論文が4月30日、英科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー(Nature Chemical Biology)」に発表された。

 論文によると、今回の発見は、産業廃棄物や畜産から排出されて土壌や河川に流れ込んでいる
   大量の抗生物質
を取り除くことを目的に
   遺伝子学的に細菌を改変
するための一助となる可能性があるとのこと。


 研究を率いた米ミズーリ州にあるワシントン大学医学部の
   ゴータム・ダンタス准教授(免疫学)
は「10年前、細菌が抗生物質を食べるということが分かり、皆が衝撃を受けた」とメディアの取材で明らかにした。


 研究では、細菌が抗生物質を食べるメカニズムが分かったと説明し、われわれは今後
   環境にとって有害な抗生物質
を除去するため、この能力を活用する方法についての検討を始めることができると続けた。
  
    

   

   

 世界保健機関(WHO)は、世界中で
   有効な抗生物質
が底を突きつつあると繰り返し警告している。


 昨年には各国政府や大手製薬会社に対し、非常に高い耐性を持つ
   スーパー細菌
に対抗可能な新世代の薬剤を開発するよう呼び掛けた。


 患者が処方された抗菌薬をのみ切らないと、中途半端になり、弱った細菌が死に切らないことになる。
 その悪影響として、薬剤への耐性を獲得してしまうこととなる。

 また、現代の農産業がばらまく薬剤、そして人のし尿を通じて放出される
   未代謝の抗生物質
によって、環境中の細菌は耐性を獲得することとなる。


 ダンタス氏の研究チームは、一部の細菌が抗生物質への耐性だけでなく、それを餌にしている仕組みを調べるため、ペニシリンを食べて繁殖することが確認されている4種の土壌菌について研究した。


 その結果、ペニシリンを摂取した細菌の体内で3組の遺伝子が活発になっていることがわかった。


 また、この単細胞組織に有毒分子を中和したうえ
   有毒分子
を切り取ることのできる能力があることも発見した。


 この研究結果は、河川や湖、土壌に混入した抗生物質を一掃するための戦略へとつながることが考えられる。


 


   
posted by manekineco at 06:06| Comment(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする