英国のメイ首相は、欧州連合(EU)離脱交渉が不調に終わり
合意なしの離脱
を余儀なくされる事態に備える政府としての対応を本格化させた。
この事情に詳しい複数の関係者によれば、メイ首相は合意なきEU離脱にどのように備えるべきかを具体的に話し合うトップレベルの閣僚協議を9月の早い時期に行う予定とのこと。
なお、これとは別にアイルランド国境で
税関検査
入国管理
などのハードボーダー(物理的壁)を回避する方策を検討する政府高官のワーキンググループの会合も開催された。
メイ首相は与党保守党の党員に宛てた8日の書簡で、「われわれの将来の関係を巡る交渉が暗礁に乗り上げている」と認め、スタンダードな自由貿易協定(FTA)締結か、関税同盟プラス欧州経済地域(EEA)の拡張版加入というEUが提示した2つの選択肢について、「私にとっても英国にとっても受け入れ難い」と言明した。
英国は2019年3月29日のEU離脱を予定している。
ただ、英EU双方の政治家がEUとの離脱交渉は遅々として進んでおらず、交渉が決裂しかねないリスクが存在すると警告。
こうした中で、8日の外国為替市場では
合意なきEU離脱
への不安から、ポンドの対ユーロ相場は昨年10月以来となる安値水準に下落した。