英国の中東関係の専門ニュースサイトミドルイースト・アイ(MEE)の取材でサウジアラビアなどアラブ3か国とイスラエルが、シリアを
アラブ連盟
に復帰させる計画を水面下で進めていることが明らかになった。
シリアはバッシャール・アサド政権が反体制派を弾圧したことなどから、2011年11月以来、アラブ連盟の参加資格を停止されている。
4か国は昨年末に開いた情報当局の秘密会合で、停止の解除に向けた外交努力を進めることで合意した。
内戦で優位を固めたアサド政権との関係を修復し、中東域内でのトルコとイランの影響力をそぐ狙いがあるようだ。
この秘密会合は昨年12月に湾岸某国の首都で開かれ、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、イスラエル4か国の情報機関幹部が集まった。
イスラエルの対外特務機関
モサド(Mossad)
のヨッシ・コーヘン(Yossi Cohen)長官も出席したという。
この会合では、4カ国にとって域内最大の軍事的ライバルはイランではなくむしろトルコだとの認識でも一致しており、トランプ政権の動きとは異なるものだ。
その上で、トルコの影響力に対抗する案について話し合った模様だ。
イスラエル側はその席で、イランは軍事的に封じ込めることができる。
しかし、中東地域で過去大きな支配力を長期間保っていたオスマントルコだが、いまのトルコはイランと比較し「はるかに大きな力」を持っているとの見方を示した。
コーヘン長官は「イランの力はもろい。トルコの脅威こそ本物だ」と会合で指摘したと言う。