スイスの銀行UBSグループは1−3月(第1四半期)に富裕層顧客から
280億ドル(約3兆7600億円)
の資金が純流入した。
この流入額にはクレディ・スイス・グループ買収合意を発表した後の10日間の70億ドルが含まれる。
なお、クレディ・スイスのウェルスマネジメント事業は1−3月に約530億ドルが流出しており、還流は5割強といったところだ。
クレディ・スイスは24日、中央銀行からの借り入れがこれまで知られていたよりはるかに多かったことや、買収合意後も顧客資金の流出が続いていることを明らかにした。
UBSが25日、発表した決算によると、1−3月利益は予想を下回った。
ウクライナへのロシア軍の侵攻など地政学的緊張と最近の銀行業界の流動性懸念により顧客の活動が低調になっていると分析、今後数カ月の資金流入に影響する可能性があるとも警告した。
同行は金融危機前に販売に関わった住宅ローン担保証券(RMBS)に絡み6億6500万ドルを引き当てている。
クレディ・スイス統合のため
セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)
がUBSに呼び戻された。
エルモッティCEOには顧客と資産を維持することが課題になる。
エルモッティCEOは発表資料で「UBSの歴史の中で再び画期的な一歩を踏み出すが、企業文化と戦略、規律あるリスク管理へのコミットメントは変わらない」と明らかにし、クレディ・スイス買収により「世界を主導するウェルスマネジャーとしての地位を固めるつもりだ」と説明した。
UBSではクレディ・スイスから流出した資金の主な受け皿となり、2022年10−12月には収入を生む資金233億ドルが純流入していた。
今年3月末時点の純資産額が540億スイス・フラン(約8兆1700億円)のクレディ・スイスをUBSは約30億フランという安価で買収する。
資金純流入にもかかわらず、ウェルスマネジメント事業の収入は1−3月に47億9000万ドルと、予想の49億ドルを下回った。
最近の市場混乱が響き、顧客の活動が弱かったと同行は説明した。
また、株式トレーディング収入は前年同期比23%減ったものの、債券トレーディングは0.8%増収となった。
投資銀行部門の収入は23億5000万ドル(予想24億3000万ドル)。UBS全体の純利益は10億3000万ドル(同18億6000万ドル)だった。
ひとこと
いわゆる国際資本の錬金術の如きものだ。
posted by manekineco at 20:25|
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