2023年04月21日

対中投資抑制策をG7サミット前に公表


 バイデン米大統領は、中国経済の重要な部門に対する
   米企業の投資を制限する大統領令
に、数週間以内に署名することを目指している。 
 
 この事情に詳しい複数の関係者がメディアの取材で明らかにした。

 バイデン政権はこの措置をおよそ2年にわたり協議してきたが5月19日に日本で始まる主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)の前に行動を取る計画を明らかにしたうえ、他のG7メンバーには投資抑制措置について報告済みだと、この関係者が話した。
 
 なお、同会議で支持を取り付けたい考えだが、他国も同様の制限を同時に発表することは見込んでいないと続けた。

 米国では対中経済措置を数年がかりで相次ぎ打ち出してきた。
 
 この大統領令で新たな局面に入ることになる。
 トランプ前大統領時代には中国からの輸入品に関税を課し、最近では
   米国の主要技術の輸出に制限
をかけようと試みており、今回の焦点は、米中間の資本フローとなる。

 イエレン財務長官は20日、ワシントンで行った講演で、米中の経済関係に触れ、米国は中国の発展を抑え込む取り組みではなく、安全保障上の理由で抑制措置を課す方針だと強調して主張した。
 
 この対中投資の抑制は「国家安全保障に重要な影響を及ぼす特定の慎重に扱うべき技術」が対象になると続けた。

 また、「このような安全保障上の行動は米国が競争上の利点を得るとか、中国の経済的・技術的な近代化を阻止するといった意図ではない」と説明したうえで、中国を巡る安全保障上の懸念は「それが米国の経済的な利益とのトレードオフを強いるとしても、同盟国やパートナー国と協調して対処していく」と述べた。


 プーチンが目論むロシア軍によるウクライナ統合を目的とした軍事侵攻以来、米中は実質的にそれぞれ敵対する側に付いており、この緊張はさらにエスカレートした。

 新たな冷戦が始まり、競合するブロックに世界経済が分断される懸念が強まっている。


 バイデン氏が署名する大統領令は半導体や人工知能(AI)、量子コンピューティングなど、米国企業が主導的な役割を果たす分野の投資に的を絞ったもの。

 また、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティー(PE、未公開株)、特定の技術移転や合弁企業も対象に含まれる。

 一部の投資形態は全面的に禁止される。

 なお、一方では、政府に通知を義務づける形態もあり、詳細は大統領令に続く一連の規則で示される見通し。
 ただ、この施行前には企業が意見を表明する時間が設けられるという。

 複数の米当局者は、中国の軍事力増進に寄与し得る重要な資金やノウハウを断つことが投資を抑制する意図だと説明した。

  

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米失業保険継続受給者が21年11月以来の多さから労働市場の軟化を示唆する状況


 米国では先週、新規失業保険申請件数が
   前週比5000件増の24万5000件
と増加した。
 エコノミスト予想値は24万件、前週は24万件(速報値23万9000件)に修正された。
 
 失業保険の継続受給者数(8日終了週)は
   186万5000人に増加
2021年11月以来の高水準となった。
 また、前週は180万4000人(速報値181万人)に修正
 予想値は182万5000人であった。

 労働市場の若干の軟化が示唆された。

 この統計は週ごとの変動が大きくなり得るが、継続受給者数の増加は労働市場が勢いを失い始めているとの見方を強めるものだ。

 より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は23万9750万件に減少した。
 継続受給者数の4週移動平均は昨年10月以降、毎週増加している。

 季節調整前ベースの申請件数も減少した。
 州別ではカリフォルニア、ペンシルベニア、テキサスで減少が目立った一方、ニューヨークとジョージアでは増加したという。

   
  
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スペースXの大型ロケット「スターシップ」打ち上げたが上空で爆発


 イーロン・マスク氏が率いる米国宇宙開発企業
   スペースX
は20日、開発中の
   大型ロケット「スターシップ」
をテキサス州の施設から打ち上げたものの、このロケットは発射から数分後、上空で爆発した。

 スペースXは当初、「スターシップ」試験飛行を17日に予定していた。
 打ち上げ予定時刻の数分前に
   「加圧の問題」
が発生したため中止したうえ延期していた。

 同社によると、今回の打ち上げでは発射から数分後に
   スーパーヘビー・ブースター
の切り離しに失敗し、「予定外の急激な分解」につながったと説明した。

 ただ、スペースXは爆発などの原因について、今のところ詳細を発表していない。
 爆発の直後、マスク氏は次の試験飛行が「数カ月後」に行われるだろうとツイートした。


 同社は打ち上げのライブストリーミングで、今回の試験飛行によって貴重な情報がなお得られる可能性があり、単純に打ち上げだけで成功とも考えられると説明した。

 マスク氏はここ数日、ロケットが宇宙空間に到達しない可能性があると警告していた。
 
 
ひとこと
 
 経験に学ぶのは失敗における情報が重要だ。
 成功体験は次の失敗を生むことも多く、逆もまた真だろう。
 
 
    
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インフレはなお根強く、利上げを継続する必要


 ロイター通信が米セントルイス地区連銀の
   ブラード総裁
との間のインタビューを基に、同総裁は最近のデータに基づくと
   インフレがなお根強く続いていること
が示されたと指摘し、利上げを継続する必要があるとの見解を示したことを報じた。

 ブラード総裁は、「ウォール街では今後6カ月程度で経済がリセッションに陥るとの見方が非常に強いが、そうした見方はこのような景気拡大を読む上であまり適切ではない」と述べた。

 また、市場は近い将来の利下げを予想しているかもしれないが、労働市場は力強いと指摘したうえ「2023年下期にリセッションに陥ると予想する時期ではないように思われる」と続けた。

 3月のFOMC会合後に公表された
   ドット・プロット(金利予測分布図)
では、政策金利が2023年末時点で5.1%になるとの予測(中央値)が示された。

 また、ブラード氏は5.5−5.75%までの利上げを支持している。

 なお、同氏は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持たない。



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米地区連銀報告 インフレは減速 経済活動は数週間、足踏み状態


 米連邦準備制度理事会(FRB)は19日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動がここ数週間は足踏み状態にあるとの認識を示し、雇用とインフレは減速し、与信が減ったと指摘した。

 ベージュブックでは「全体的な経済活動はここ数週間にほとんど変わらなかった」と分析、「不確実性の高まりと流動性を巡る懸念を背景に、銀行が融資基準を厳格化したと指摘する地区連銀が数行あった」と記述された。

 さらに「この期間に全般的な物価水準は緩やかに上昇したが、物価上昇率は鈍化したようだ」とのこと。

 なお、今回の報告では、シリコンバレー銀行(SVB)破綻直前の3月8日に公表された前回のベージュブックよりもトーンが弱まっている。

 今回のベージュブックは連邦公開市場委員会(FOMC)が次回5月2ー3日の会合で予想通り0.25ポイントの利上げを決定した後、利上げを休止するとの見方を強める公算が大きい。

 また、3月のFOMC会合でFRBスタッフが示した予想であるリセッションに陥るとの懸念も強める可能性がある。

 米経済の3分の2を占める個人消費について、ベージュブックでは「総じて横ばい、ないし若干減少」と指摘したうえ、賃金は高止まりしたものの一部では鈍化も示しており、労働市場は逼迫緩和の兆候を示したと指摘した

 今回の報告では12地区連銀が4月10日までに集めた情報をリッチモンド連銀がまとめた。

 4月に入りSVB破綻が金融市場を混乱させた。
 銀行セクター全体に悪影響が広がるとの懸念が強まって以来、初めてのベージュブックとなった。

 これらの懸念は、FRBなどの規制機関による緊急措置でここ数週間は弱まっており、金融当局は経済全体で与信状況が引き締まっていないかどうかを分析している。
 
 なお、今回のベージュブックからは初期段階の影響がうかがえる。

  
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