2023年04月25日

UBSに1−3月280億ドルが流入。クレディS買収合意後を見ればそのうち70億ドルが含まれる。


 スイスの銀行UBSグループは1−3月(第1四半期)に富裕層顧客から
   280億ドル(約3兆7600億円)
の資金が純流入した。
 この流入額にはクレディ・スイス・グループ買収合意を発表した後の10日間の70億ドルが含まれる。

 なお、クレディ・スイスのウェルスマネジメント事業は1−3月に約530億ドルが流出しており、還流は5割強といったところだ。

 クレディ・スイスは24日、中央銀行からの借り入れがこれまで知られていたよりはるかに多かったことや、買収合意後も顧客資金の流出が続いていることを明らかにした。

 UBSが25日、発表した決算によると、1−3月利益は予想を下回った。
 ウクライナへのロシア軍の侵攻など地政学的緊張と最近の銀行業界の流動性懸念により顧客の活動が低調になっていると分析、今後数カ月の資金流入に影響する可能性があるとも警告した。
 
 同行は金融危機前に販売に関わった住宅ローン担保証券(RMBS)に絡み6億6500万ドルを引き当てている。

 クレディ・スイス統合のため
   セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)
がUBSに呼び戻された。 
 エルモッティCEOには顧客と資産を維持することが課題になる。

 エルモッティCEOは発表資料で「UBSの歴史の中で再び画期的な一歩を踏み出すが、企業文化と戦略、規律あるリスク管理へのコミットメントは変わらない」と明らかにし、クレディ・スイス買収により「世界を主導するウェルスマネジャーとしての地位を固めるつもりだ」と説明した。

 UBSではクレディ・スイスから流出した資金の主な受け皿となり、2022年10−12月には収入を生む資金233億ドルが純流入していた。

 今年3月末時点の純資産額が540億スイス・フラン(約8兆1700億円)のクレディ・スイスをUBSは約30億フランという安価で買収する。

 資金純流入にもかかわらず、ウェルスマネジメント事業の収入は1−3月に47億9000万ドルと、予想の49億ドルを下回った。

 最近の市場混乱が響き、顧客の活動が弱かったと同行は説明した。

 また、株式トレーディング収入は前年同期比23%減ったものの、債券トレーディングは0.8%増収となった。

 投資銀行部門の収入は23億5000万ドル(予想24億3000万ドル)。UBS全体の純利益は10億3000万ドル(同18億6000万ドル)だった。

 
ひとこと
 
 いわゆる国際資本の錬金術の如きものだ。
 

  
   
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5月4日に公表する政策判断では0.5ポイントの利上げを排除することはできない


 欧州中央銀行(ECB)の
   シュナーベル理事
はポリティコとのインタビューで5月4日に公表する政策判断では0.5ポイントの利上げを排除することはできないと判断していることが24日公表された。

 また、「データ次第ということは、0.5ポイントは検討対象外ではないという意味だ」と続けたうえ、「その時点で利用可能な全てのデータに注目する。これまでのデータは予想以上にインフレ率が高く、景気が底堅いことを示している」と語った。
 
 ECB政策委員会は来週の会合で再び利上げすると広く見込まれている。
 ただ、当局者はこれまでの会合と異なり、利上げ幅について断定的な発言を控えている。

 政策判断のわずか2日前にインフレと銀行融資に関する重要な指標の発表があるため、市場の反応が変わる可能性もあるためだ。

 この発表でコアインフレの圧力が依然として過去最高水準にあるのか、米国やスイスの銀行が見舞われた最近の金融セクターのストレスがユーロ圏の与信に影響しているかが明らかになる見通し。

 シュナーベル氏は「追加利上げが必要なのは明らかだと言っていいが、利上げ幅は入ってくるデータに左右される」と続けた。


    
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ラップ禁止令の背景


 中国では2018年に習近平政権が率いる政府により
   ラップ禁止令
が出された。

 この措置のきっかけの一人とされるラッパーのPG Oneがこのほど、ショート動画投稿サイトに
   「王唯楚Chos1npm」
という名義でアカウントを開設したうえ、新曲について予告した上で正体を明かした。
 しかし、世論の扇動が行われることを危惧した公安部門の監視を受け、大量のクレーム攻撃が行われたことで、開設から24時間たたないうちにアカウントを停止された。

 PG Oneをめぐっては、既婚女優との不倫報道が出たことを受け
   楽曲の歌詞
が薬物使用を疑わせ、さらに女性蔑視的であるとして大きな批判を浴びた。

 これをきっかけに中国政府は歌詞の内容の取り扱いでは中国共産党政府を批判する流れを呼び起こしかねないことを危惧して
   「ヒップホップ文化は低俗だ」
とレッテルを貼ったうえ、ラッパーらをテレビやラジオ番組に出演させない方針を示した。

 中国共産党中央政法委員会の機関紙
   法治日報
では24日、「不道徳行為により粛清された芸能人の中には、一定期間経過後に、復帰を試みたり、同情を買おうとしたり、ショート動画を撮影して集客したり、ライブコマースで利益を得たりする者もいる」と批判した上で、「アカウントを換えても不品行を除去することはできない。ネット上のプラットフォームはその責任を厳格に履行して、不道徳行為により粛清された芸能人が随意に形を変えて復帰する隙間をしっかりとふさがなければならない」と続けた。

 中国のネットユーザーからは「迅速かつ断固たるアカウント停止を支持する」「不道徳行為により粛清された芸能人は二度と公の場に現れないでほしい」「誰もが自分のしたことの代償を払わなければならない」「不道徳行為により粛清された芸能人に復帰の機会を与えてはならない」「不道徳行為により粛清された芸能人のいかなる形での復帰にも反対する」などのコメントが寄せられたという。

   
ひとこと

 中国共産党の政治体制を維持するため、公安部門の職員が1億人から8000万人程度もいるという。
 世論の監視もリスクとなる体制批判を封じ込めることに主眼が置かれ、意図的に「ヒップホップ文化は低俗だ」をいった流れを作り出すための工作が行われた可能性もある。

 情報工作にはマッチポンプ的な手法も使われ、入り乱れた動きがあり単純な情報期間だけの対応では難しいだろう。
 日本もこうした中国やロシアなどの情報機関に対する防諜機関を複数設置し、民間企業や研究機関を活用した取り組みが必要だ。

  
  
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月面探査で採取したサンプル


 日本では毛利宇宙飛行士がスペースシャトルで宇宙へ飛び立った日(9月12日)を記念して
   「宇宙の日」
として制定された。
 
 中国外交部の毛寧報道官は定例記者会見で、「宇宙の日」を記念した4月24日のイベントにおいて、中国がロシアとフランスに、それぞれ月面探査で採取したサンプルを贈ったことを明らかにした。

 会見では「宇宙空間の探査と利用はすべての国の福祉と利益を図るためであり、これは広く認められた宇宙法の基本的な原則である。月面探査で採取したサンプルを各国が共有し、共同で研究することは月の形成と変遷を研究し、未知の世界を探求する上で有益だと話した。

 中国国家宇宙局では、今月、フランスのマクロン大統領が中国を訪問した際、中国はフランスに1.5グラムの研究用サンプルを贈ったという。
 また、昨年2月にロシアのプーチン大統領が訪中した際、中国はロシアに1.5グラムのサンプルを贈ったことも明らかにした。

 今年3月に習近平主席がロシアを訪れた際には、ロシア側から返礼として1.5グラムのサンプルを受け取ったという。

 中国がフランスとロシアに贈ったサンプルはいずれも中国の
   無人月探査機『嫦娥5号』
が打ち上げられた2020年12月のミッションで月面から採取したものと続けた。

 また、「中国の月探査のサンプルをめぐる科学研究にはオーストラリア、ロシア、フランス、米国、イギリス、スウェーデンの科学者が参画している」ことも明らかにした。
 
     
     
ひとこと

 ロシア側から返礼として送られた1.5グラムのサンプルはいつ採取したもの?


  
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インフレ抑制のためあと1回の利上げ支持を示唆する慎重さが必要との認識も


 米国リーブランド地区連銀の
   メスター総裁
は20日、アクロン大学(オハイオ州)が主催したイベントで講演し、「金融政策は今年、景気抑制的な領域に幾分さらに進む必要があると私はみている。フェデラルファンド(FF)金利が5%を上回り、実質FF金利がしばらくの間プラスの領域にとどまる状況だ」と述べるなど、インフレ抑制のためあと1回の利上げを支持する考えを示唆した。
 
 一方で、最近の銀行セクターのストレスが与信を妨げ、景気を鈍らせる可能性に触れ
   銀行を巡る状況を注視する必要性
を指摘した。

  「FF金利を現行水準から厳密にどの程度引き上げる必要があり、金融政策をどの程度長期にわたって景気抑制的に維持する必要があるかは、経済と金融の動向次第になる」とも発言した。

 ただ、タカ派寄りの同総裁は、今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有していない。

 複数の米金融当局者からは、3月に起きた地銀破綻に伴うストレスを受けて銀行が与信を引き締める可能性があり、それが支出や経済成長を鈍化させ得るとの見方を示している。
 
 
 また、「こうした状況は金融引き締め策と同じ方向に作用する」とし、「従って与信環境に及ぼす影響の大きさとそれが続く期間を引き続き見極める必要がある。それが今後の金融政策の適切な道筋を調整することに寄与する。これは賢明なことだ」と語った。
  
    
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中国侵攻に対するリスク 半導体依存巡る米の強いレトリックに台湾の不快感が高まる


 中国が台湾に侵攻する恐れもあるとして、米国は台湾製の先端半導体への依存を減らしたい考えを示した。
 
 台湾の当局者からはバイデン政権が発するレトリックは行き過ぎだとの意識が強い。

 台湾当局は水面下の協議などで、台湾積体電路製造(TSMC)製半導体への依存を巡る危険性の表現を和らげるよう米国側に促してきた。

 レモンド商務長官は、米国の台湾製半導体依存は「持続不能」で、「安全ではない」と発言したことに対して台湾側が特に不快感を示した。また、今月訪台したマコール米下院外交委員長(共和党)は滞在中に台湾の半導体産業について、「侵攻に対して非常に脆弱な」戦略資産だと述べた。

 マコール外交委員長は台湾から半導体のサプライチェーンを外す米国の取り組みに関して、「窓は閉じられつつある」とし、「時間は多く残されていない」と続けた。

 台湾側の一連の懸念は、同政府の立場に詳しい複数の関係者が明らかにしたもので、非公開の意思疎通だとして匿名を条件にメディアの取材で話した。

 台湾当局にとって難しいのは、世界の先端半導体生産の約90%を担う台湾の役割を維持しつつ、侵攻の抑止に必要となる軍事的・外交的な支援を集めようとしている点にある。
  
 一部の投資家においては侵攻リスクを巡る米国の警告に耳を傾けている兆候が出てきている。
 このため、台湾は新たな対応を迫られている。

  
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無知なる暴言の根拠なき浅はかさ


 中国外交部の毛寧報道官は24日、定例記者会見で英国の外相が、台湾問題について不適切な発言を行ったと批判した。また、同外相に対し、「歴史の補習授業を受けるべきだ。一つの中国の原則は、中国と英国が外交関係を樹立し、発展させるための政治的基礎であり、前提条件でもある」と侮辱的な言葉を浴びせた上で、「台湾問題は完全に中国の内政であり、その解決は中国人自身の問題であって、いかなる外国にも干渉する権利はない。英国はこの根本的な原則についての言動を慎むべきだ」と続けた。
 
 
ひとこと
 
 そもそも、勝手な講釈でしか過ぎない歴史的な領土の範囲が中国共産党の自己中心的な素行を放言するのもであり、台湾問題事態が内政問題ですらない。
 チベットやモンゴル、ウィグルを始め多数の少数民族の自決権から、大中華思想への民族の組み込みで漢民族が9割を占めるなどといった戯言がまかり通っている。
  
 漢民族の定義を拡大解釈し、古代周王朝時代の中原地域に居住した中国人を漢民族とすれば、その後、幾度か領土を周辺遊牧民族に侵略支配され、漢民族の王朝が消滅した時期も長い期間がある。近代の清王朝は満州民族の王朝であり、その前、明王朝が倒した元は蒙古族だ。
 
 客家が漢民族が狭義の漢民族とすれば1.2億人程度しかいない。実に現在の人口の8%程度だろう。
 中国共産党の暴言の根拠が、台湾に蒋介石が逃げた後、八路軍などを構成した漢民族以外の民族を漢民族に組み込み拡大せてきた結果でしかない。
 
 「歴史の補習授業を受けるべき」なのは自己中心的な原則思考を堅持している中国共産党幹部らであり、無知なる暴言の根拠なき浅はかさばかりが目につくばかりだ。
 
 
   
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