投資銀行のロスチャイルドは8日、日本でのビジネスを強化するため、大和証券グループ本社傘下の大和証券で投資銀行部門の共同責任者を務めた赤井雄一氏を日本担当副会長に任命したと発表した。
赤井氏は、大和証で40年近いキャリアを積んだ後、8日付で入社した。
同氏は、大和証券で専務取締役やグローバル・インベストメント・バンキング共同本部長などを歴任した。
赤井氏の採用は、ロスチャイルドのアジアにおける戦略を加速させる計画の一環となる。
パリを拠点とする同社は、事業活動の停滞を背景に他の投資銀行が世界的に人員削減を進めている中、日本での人員増を進めている。
米モルガン・スタンレーは、従業員の約2%を削減したわずか数カ月後に、さらに3000人の従業員の削減を計画しているとブルームバーグが先週報じた。
「日本はロスチャイルドのアジアにおける戦略的市場である」とロスチャイルド日本代表のジェローム・フィンク氏はメディアのインタビューに答え、「日本市場には大きな可能性があり、それに従って行動している。ビジネスフローに関しては健全なパイプラインがある」と続けた。
フィンク氏はロスチャイルドは長期的に日本に投資していると述べ、循環的なトレンドに左右されるものではないと付け加えた。
同社は東京の広いオフィスに移転し、過去2年間で5人を増員、日本での従業員数は約20人に達している。
フィンク氏は、今後も投資銀行業務に携わる若手とシニアの両方を対象に厳選した採用を行う予定だと述べた。
ロスチャイルドは、日本企業が欧米で買収や投資の機会を求めるケースが増え、その逆もまたしかりであると見ている。
フィンク氏は、日本の合併活動は他の地域よりも盛んであると述べた。
平均的な取引規模は10億ドル(約1350億円)未満となる見込みで、これは同社が過去に見た傾向と同様だという。
また、クロスボーダー案件を中心とした業務から一歩進んで、日本国内の企業の合併・買収(M&A)アドバイザリー業務を拡大することも視野に入れている。
日本関連のM&Aは、パンデミック以前にアジアのディールメーキングをけん引していた。
資金力のある企業が海外企業を買収するために多額の資金を投じ、プライベート・エクイティー(PE、未公開株)ファンドが日本での割安な事業を探した。
ロスチャイルドは、アサヒグループホールディングスに、200億ドル以上の一連の取引について助言し、同社は近年、ヨーロッパとオーストラリアでビールブランドを買収した。
また、三菱商事が2018年に約5億3000万ドル相当の複合取引でオーストラリアの一般炭事業から撤退する際のアドバイザーも務めた。
ひとこと
国際資本そのものが、表に出た動きを鮮明にしてきたようにも見える。
posted by manekineco at 05:34|
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