スイスの銀行UBSグループの
セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)
はスイスのルツェルンで12日に開催されたメディアフォーラムでクレディ・スイス・グループ買収に絡みスイス政府や中央銀行が損失を被る可能性は「極めて低い」と述べた。
また、政府が支援した3月のクレディ・スイス救済について、納税者への負担を避けるためUBSにできることを「全てする」との今月の発言を繰り返した。
UBSでは2008年の金融危機以来の難しい大規模銀行合併に取り組もうとしている。
クレディ・スイスの顧客と人材を保持しながら、高リスク資産を処分する必要がある。
買収合意の一環としてスイス政府は、UBSが被る損失のうち
約90億スイス・フラン(約1兆4000億円)
まで引き受けることを約束した。
なお、損失の最初の50億フランはUBSが背負うため、UBSには非中核事業を閉鎖する中で価値を保つインセンティブになる。
合意の下で、スイス国立銀行(中銀)は同行に合計2000億フランの流動性枠を設定した。
UBSはクレディ・スイスの投資銀行を大幅に縮小する。
政府と中銀からの支援はこの合併の政治的色合いを浮き彫りにする。
この先、早ければ5月末にも買収を完了させる計画のUBSは、クレディ・スイス各事業のデューデリジェンスを急いでいる。
時間経過により暖簾の信用価値が低下することもあるため、通常の合併のように何カ月もかけることができない。
このため、UBSは顧客名簿や人材、どの事業を整理対象とすべきかなどを分析する約100人から成る「クリーン・チーム」をクレディ・スイスに送り込んだとこの事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べていた。
事業選別は重要となり、スイス政府の損失保証は整理対象とされた事業についてのみ有効となる。
こうした事業をまとめたバッドバンク部門以外の問題はUBSが自ら解決しなければならない。
エルモッティ氏は、UBSが注力しているのは買収の完了と投資銀行の統合、クレディ・スイスの国内事業であるスイス・ユニバーサル・バンク部門の将来だと説明した。
UBSは当初、クレディ・スイス国内事業を維持する意向を示した。
ただ、信用不安の高まりや批判の拡大を意識したのか、現在はあらゆる選択肢に対してオープンだとしている。
スイスの金融ポータルサイト、finews.chによると、同行のルーカス・ゲービラー副会長は11日、夏の休暇後にはスイス事業について解決策を得ているはずだと述べた。
エルモッティ氏は、この合併によってスイスにとって大き過ぎる銀行が誕生することはなく、国内には十分な競争が残ると語った。
なお、人員削減の規模については臆測を避けた。UBSはクレディ・スイス投資銀行部門の高リスク事業の一部を閉鎖するほか、UBSの企業文化やリスク志向に合ったバンカーを選択的に残す方針。
ひとこと
国際資本の系列にある単なる金融機関の統廃合でしかない。
大きな問題の背景も、莫大な損失においても常に相手がいることを認識するのが必要であり、どこに損害に伴う同額の利益が流れ込んだかを調査すらしないマスコミの胡散臭さを垣間見せるものだ。
リーマンショックしかり、アジア通貨危機しかりだ。
posted by manekineco at 09:00|
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