2023年05月16日

トルコ大統領選は政治不確実性が市場の重しとなり決選投票不可避


 トルコ大統領選は14日投開票され開票率99%強の段階で、再選を目指す親イスラム・反世俗主義を前面に出してきた
   エルドアン大統領
の得票率が49.4%と、50%に届いていない。


 エルドアン氏はアンカラで演説し、自分が主要野党統一候補のケマル・クルチダルオール氏を大差でリードしていると主張したうえ、決選投票になるかどうかはなお不透明だとの見方を示した。
  
 意図的に自由主義思想がある世俗派の軍部に対し、軍内部
を工作して暴発させてクーデターを起こさせ、民主主義の敵といった流れを作り出し、軍内部から反イスラム派を一掃してトルコ政治を牛耳ってきたエルドアン大統領の強行的な手法に対する批判が広がっている状況になっている。
 
 大統領選挙では過半数の票を獲得する候補がいなければ、今月28日に上位2人による決選投票が行われることになる。

 国営アナドル通信によると、クルチダルオール氏の得票率は45%、シナン・オアン氏は5.2%。投票率は89%前後に上った。

 クルチダルオール氏は今回の選挙結果は国民の半数余りが政治の変化を望んでいることを示したと言明したうえ、決選投票になった場合は必ず勝利すると続けた。
 
    
 約20年にわたり政権を握ってきたエルドアン氏の下でトルコは地域の強国へと台頭した。
 ウクライナやシリアなどの問題でも重要な役割を担いつつある。

 ただ、昨年のインフレ危機など一段と不安定化する経済運営に加え、今年2月の大地震へ対応が不十分だとして有権者の間でエルドアン氏への批判が強まっている。

 野党の支持を得たクルチダルオール氏はかつてなく幅広い法の支配の復活や西側との関係修復、正統派経済学への回帰を掲げて立候補している。


ひとこと
 
 ロシアとの関係を利用し、NATO加盟国内での発言力を高めてきた経緯もあるエルドアン氏への西側の思惑などから、トルコリラの変動は大きくなる可能性もある。
 

   
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「市場にとって最悪の結果」を生み出しかねないトルコ政治


 RAMキャピタルの運用担当者
   オゲダイ・トプチュラー氏
は顧客向けリポートで、トルコ大統領選挙について「現状のまま結果が確定した場合、市場にとって最悪の結果の一つになるだろう」と指摘した。
 
 に対するあお、「向こう2週間、不透明な状況が続き、決選投票でクルチダルオール氏が勝利したとしても、議会の状況はあまり助けにならないとみられる。中銀のバランスシートは悲惨な状態で、この不確実性はハードカレンシー需要を押し上げる可能性がある」と分析した。

 また、「トルコ経済はもはや現在の金融政策に耐えられないため、できるだけ早く新たな政策を決定する必要がある。2週間でも、手をこまねくのは長過ぎる期間だ」と説明した。


 

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米国で利上げの信用収縮が鮮明となっており、過去24時間に7社が破産を申請

 米国では、この24時間の間に少なくとも7社が連邦破産法11条の適用を申請した。
 各社は1年にわたる利上げによる信用収縮の犠牲になった。

 メディア新興企業のバイス・メディアやホームセキュリティーシステムのモニトロニクス・インターナショナルなどは、超低金利時代に積み上げた負債の借り換えに苦戦している。

 バイス・メディアは2017年にプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のTPGから4億5000万ドル(約600億円)を調達し、当時の企業評価額は新興企業として破格の57億ドルだったが、不透明な環境の中で広告主のコスト削減のあおりを受けた。

 ベネターやモニトロニクスなどは、向こう数年に満期となる債務を抱える中で限界に達した。


 破産申請したのはほかに、KKR傘下のエンビジョン・ヘルスケアと英化学品メーカーのベネター・マテリアルズ、石油会社のコックス・オペレーティング、防災設備のキッドフェンオール、バイオ医薬品のアテネックスがある。

 金利負担の上昇にさらされる企業はあらゆるセクターに及び、融資や社債が満期を迎えた時の借り換えで困窮している。
 金利上昇時には投資家と債権者の目が厳しくなるのは当然のこと。

 
ひとこと
 企業経営では企業の存続価値があるかどうかを社会が見定める波を乗り越える資質が経営者にあるかどうかだ。
 
 社会に不要な企業は淘汰されるのは必然であり、存続させるために偽善的に支援する価値もない。
 
   
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合意できるかどうかは不明


 バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導者は米国政府の
   デフォルト
を回避するため、16日に連邦債務上限問題を巡り再度会談する予定している。
 
 この事情に詳しい関係者のメディアの取材からは、同日の会談開催が見込まれているものの、まだ確定はしておらず変更の可能性もあるとの情報もあり、期待半分という状況だが、リーマンショック時の対応となるか、LTCMの破綻時の対応となるかは不明だ。
 
 期待が大きく、予想が外れれば前のめりの金融市場は大きなクラッシュに見舞われる。
 

    
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リラの安定化を図るため覆面介入は2週間続く可能性


 タッチ・キャピタル・マーケッツのシニア為替アナリスト
   ピョートル・マティス氏
は顧客向けリポートでトルコ大統領選挙において「向こう2週間は20年前に公正発展党(AKP)とエルドアン氏が政権の座に就いて以来、最も緊迫した政治状況になる公算が大きい」と指摘し、「リラの安定化を図るため覆面介入は2週間続く可能性が高い。投資家は決選投票でどちらが勝つか、世論調査を注視することになろう」と続けた。


   
posted by manekineco at 06:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米国債務問題が劇的に改善に向かえば、円安、タガが閉まる条件付きでは円高?


 りそなホールディングス市場企画部の
   石田武為替ストラテジスト
は、米国債務問題が劇的に改善に向かい、特に無条件での上限引き上げという流れになれば、リスクオンでドル・円は円安気味になると指摘した。

 会談で「歳出削減が条件」になると「短期的には解決でも、景気への悪影響がたびたび出てくる」と続けた。

 今週はニューヨーク連銀製造業景況指数など景気面での米指標が多く、債務上限問題もそろそろ佳境という環境になってきて、米景気不安から「リスクオフ的な動き」になる可能性もある。
 
 このため、「ドル・円はきょうは上昇するかもしれないが、週間で見れば下落していく方向」とみている。


posted by manekineco at 06:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米債務が法定上限到達なら資金は金に逃避、ヘッジ手段は限定的(MLIV調査)


 デフォルトに陥った場合の米10年債動向、金融専門家の見解分かれている。
 
 バイデン大統領の政権が率いる米連邦政府はこの先デフォルト(債務不履行)に陥り世界市場に深刻な影響が及ぶリスクがかつてなく高まっている。
 
 これまでも繰り返し世界市場に多大な影響があったクラッシュにおける古くからリスクヘッジとして買われてきた金以外に資金の逃避先を
投資家はほとんど見つけられないでいる。

 金融専門家や個人投資家を対象に実施され637人が参加した最新の「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」週間調査の過半数が、債務が法定上限に達した場合に金を購入すると回答した。

 この調査で2番目に多かった回答は米国債だった。

  この結果からはデフォルトで恐らく米国債を償還できなくなるということと矛盾するものだが、最も悲観的なアナリストでも償還は遅れるだけで実行されるとみている。

 実際、最も緊迫した2011年の債務危機の際も、米格付け会社
   スタンダード・ アンド・プアーズ(S&P)
が米国の格付けを「AAA」から引き下げたにもかかわらず、米国債は値上がりしていた。

 円やスイス・フランなど定評のある
   セーフヘイブン(安全な避難先)通貨
を挙げる回答も一定数あった。

 ただ、暗号資産(仮想通貨)ビットコインやドルとの回答の方がむしろ多かった。
 一部の投資家はビットコインをある種の「デジタル金」と見なしている回答も見られた。

 また、回答者の約60%が今回のリスクは11年の債務危機よりも深刻だとみていることも示された。

 向こう1年間のデフォルトに備えるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは急伸しており、過去の債務危機時を上回った。
 ただし、実際にデフォルトに陥る確率は比較的小さいと示唆していた。

 回答者の大半は債務上限を巡る争いが長引いた末にデフォルトを回避した場合、米10年債の価格は上昇するとの見方を示した。

 しかし、デフォルトに陥った場合の相場動向については金融専門家の見解が分かれた。
 一方で、個人投資家の約60%が値下がりを予想した。

 11年の債務危機時と比較したS&P500種株価指数の見通しについては、個人投資家よりも専門家の方が楽観的だったが、相互に影響し合うため動きは複雑だろう。
 
 リーマンショック時は、リーマンを潰さない選択が取られるとの見方が主流で、投資家の大多数がの読みが外れ、リーマンが潰れたっショックを思い出すことも必要となるだろう。

 債務上限を巡る対立がドルに及ぼす影響については、約14%が既に影響が出ていると回答した。
 約41%が米国がデフォルトに陥った場合に限り、影響は大きいとした。

 MLIVパルス調査はブルームバーグ・ニュースの読者を対象にブルームバーグの「マーケッツ・ライブ」チームが毎週実施しているもので、MLIVブログは同チームが運営している。
 
   
ひとこと
 
 信用の積み重ねも、市場参加者の意識の方向でしかない。
 
 
    
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米国経済においては引き続き失業率悪化を見込む


 ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー
   オリビエ・ブランシャール氏
は米国経済において引き続き失業率悪化を見込むと指摘している。
 
 それでも「求人数が減少する一方で失業率の上昇がない状況が今後数カ月続けば、ウォラー氏が正しかったということになる」ことを認めた。

 他のシナリオの可能性の一つとしては、打撃を受ける産業が次から次に移行するが、経済全体としては縮小しない「ローリング・リセッション」というものがある。
 
 労働市場の大幅な落ち込みに先立って、製造業と不動産部門が底入れし、実際にそうした状況が起きている一定の兆候が見られる。 


   
posted by manekineco at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする