テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授(経済学)は「連邦準備制度が主にマクロ経済政策の運営に当たってきた50年ほどで、ソフトランディングの好例はないと考えられ、現状がこれまでと違うという理由は見当たらない」と指摘した。
利上げが景気後退につながるダイナミクスは単刀直入ともいえるもので
借り入れコスト上昇
で資産価格は下落し、支出の伸びは鈍化して企業は人員を削減するといった流れだ。
金融当局にとって、失業者数の増加とそれに伴う賃金への重しはインフレ率を目標に回帰させるためのメカニズムに他ならないと続けた。
換言すれば、リセッションはインフレ抑制の取り組みに伴う偶然の副作用ではなく、メインイベントといえるものであり、現行の米利上げ局面が始まったばかりの段階で、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)が23年下期に景気下降を予想していたのもこうした経済理論に基づく帰結である。
シリコンバレー銀行(SVB)をはじめとする一連の地銀破綻はサプライズではなく、米利上げの結果、何が破綻を来すか正確に分かっていた者はいないが、何かが壊れるだろうと誰もが疑っていた中での出来事として銀行部門の懸念が加わったのだろう。
ディスインフレ実現のための好ましいメカニズムとして、仮に選択が可能であれば、米金融当局者が地銀破綻を選ぶことはなかったが、預金者はリスク回避に進んだ結果だ。
銀行破綻は与信抑制で金利上昇の効果を増幅させる。上
級融資担当者調査は昨年の時点でも融資基準の厳格化を示していた。
なお、SVB破綻以降はその傾向は加速する一方となるため、銀行が慎重姿勢を強め、一定の時差を伴って融資の伸びが鈍化するのが通常の流れとなる。
そのため、今年下期のリセッションを予測する理由の一つに加わっていくと見られる。
当然、銀行システムのストレスも増大する傾向が出てきて、影響は広がって行くことになる。
そのため、SVBを極端な例外とする見方は的外れであり、資産規模の合計で見れば、23年の銀行破綻は既に08年に比肩する状況当然といえば当然の流れだ。
ひとこと
不公平な正義を貫く日本銀行の金融政策は問題が多く、早急に経済回復作と同じ流れで改善すべきだろう。
posted by manekineco at 06:00|
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