米国の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は8月に
前月比18万7000人増加
とエコノミスト予想の17万人増よりも強く、堅調なペースを維持したものの、賃金の伸びは鈍化するなど労働市場の底堅さと鈍化の両方を示す強弱まちまちの内容となった。
なお、前月は15万7000人増(速報値18万7000人増)に下方修正した。
雇用者数の動向には、映画および陸運産業での合計5万4000人の減少を含むもの。
エンターテインメント業界でのストライキと大手陸運会社の事業閉鎖を主に反映している。
ハリウッド俳優労組によるストやトラック運送会社イエローの破綻がなければ、雇用者数はさらに増加していた可能性がある。
また、全米自動車労組(UAW)によるストや政府閉鎖の可能性も、今後数カ月の雇用者数に影響する可能性がある。
労働市場では今年、米経済を支え、少なくとも短期的にはリセッションを回避する一助となっている可能性がある。
ただ、ここ数カ月、求人件数と賃金上昇率はともに後退しているものの、雇用と所得は個人消費を後押しするほど堅調だ。
今回の雇用統計では、前月までの雇用が従来発表ほど好調ではなかったことが示された。
6月と7月の雇用者数は11万人下方修正された。
労働統計局が8月23日に発表した年次ベンチマーク改定の速報値によれば、3月までの1年間の雇用者増は30万6000人下方修正されそうな状況にある。
また、労働力需給のバランスが取れてきたことで、新型コロナウイルスのパンデミック時の大幅な賃上げも影を潜め、平均時給は前月比0.2%上昇と、昨年初め以来の低い伸びにある。
前年同月比では4.3%上昇した。
労働力への再加入者は2022年6月以来の高水準となったが、8月に仕事を見つけられなかった人の数は増加した。
8月の雇用者数の増加は、ヘルスケア、娯楽・ホスピタリティー、建設業にけん引され、広範囲に及んでおり、製造業の雇用者数は昨年10月以来の大幅増となり、機械や金属加工の雇用増を反映した。
TモバイルUSやチャールズ・シュワブが新たな人員削減を発表したため、8月のレイオフ者数(発表ベース)は3カ月ぶりの高水準となった。
回答率の低下から雇用統計の正確性を疑問視するエコノミストもいる。
週平均労働時間は34.4時間にわずかに拡大した。
需要が弱まると雇用主が人員を削減する前に労働時間を短縮させる傾向があるため、エコノミストはこの指標に注目している。
不完全雇用率(フルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者を含む、より広い意味での失業率)は7.1%と、過去1年余りで最高となった。
臨時雇用者数は7カ月連続で減少し、約2年ぶりの低水準にある。
この指標は通常、労働市場の方向性を示す先行指標となっている。
給与と賃金のデータを作成する事業所調査の回答率は、8月としては2006年以来の低さだった。
posted by manekineco at 07:14|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
ニュース・話題
|

|