2023年09月02日

NY原油先物が7営業日続伸となり、1月以降で最長の上昇局面にある


 ニューヨーク原油先物相場は7営業日続伸と、1月以降で最長の上昇局面となった。
 バレル当たり85ドルを上回り、昨年11月以来の高値で引けた。 

 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が数カ月続けてきた供給削減が、現物市場に影響を及ぼし始めた。
 
 また、世界の原油消費の主要なけん引役である中国が景気押し上げ策を講じていることも強材料となっている。

 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は
   1バレル=85.55ドル
と前日比1.92ドル(2.3%)高で終了した。
 
 週間では7.2%上昇し、3月以来の大幅な上昇率を記録した。

 また、ロンドンICEの北海ブレント11月限は1.72ドル(2%)上昇し、88.55ドルだった。
 

    
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8月の米雇用統計で18.7万人増するも賃金の伸びは鈍化、失業率3.8%に上昇


 米国の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は8月に
   前月比18万7000人増加
とエコノミスト予想の17万人増よりも強く、堅調なペースを維持したものの、賃金の伸びは鈍化するなど労働市場の底堅さと鈍化の両方を示す強弱まちまちの内容となった。

 なお、前月は15万7000人増(速報値18万7000人増)に下方修正した。
  
 
 雇用者数の動向には、映画および陸運産業での合計5万4000人の減少を含むもの。
 
 エンターテインメント業界でのストライキと大手陸運会社の事業閉鎖を主に反映している。

 ハリウッド俳優労組によるストやトラック運送会社イエローの破綻がなければ、雇用者数はさらに増加していた可能性がある。
 また、全米自動車労組(UAW)によるストや政府閉鎖の可能性も、今後数カ月の雇用者数に影響する可能性がある。

 労働市場では今年、米経済を支え、少なくとも短期的にはリセッションを回避する一助となっている可能性がある。
 ただ、ここ数カ月、求人件数と賃金上昇率はともに後退しているものの、雇用と所得は個人消費を後押しするほど堅調だ。

 今回の雇用統計では、前月までの雇用が従来発表ほど好調ではなかったことが示された。
 6月と7月の雇用者数は11万人下方修正された。

 労働統計局が8月23日に発表した年次ベンチマーク改定の速報値によれば、3月までの1年間の雇用者増は30万6000人下方修正されそうな状況にある。

 また、労働力需給のバランスが取れてきたことで、新型コロナウイルスのパンデミック時の大幅な賃上げも影を潜め、平均時給は前月比0.2%上昇と、昨年初め以来の低い伸びにある。
 前年同月比では4.3%上昇した。

 労働力への再加入者は2022年6月以来の高水準となったが、8月に仕事を見つけられなかった人の数は増加した。

 8月の雇用者数の増加は、ヘルスケア、娯楽・ホスピタリティー、建設業にけん引され、広範囲に及んでおり、製造業の雇用者数は昨年10月以来の大幅増となり、機械や金属加工の雇用増を反映した。
  
 TモバイルUSやチャールズ・シュワブが新たな人員削減を発表したため、8月のレイオフ者数(発表ベース)は3カ月ぶりの高水準となった。

 回答率の低下から雇用統計の正確性を疑問視するエコノミストもいる。
 週平均労働時間は34.4時間にわずかに拡大した。
 需要が弱まると雇用主が人員を削減する前に労働時間を短縮させる傾向があるため、エコノミストはこの指標に注目している。

 不完全雇用率(フルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者を含む、より広い意味での失業率)は7.1%と、過去1年余りで最高となった。

 臨時雇用者数は7カ月連続で減少し、約2年ぶりの低水準にある。
 この指標は通常、労働市場の方向性を示す先行指標となっている。

  
 給与と賃金のデータを作成する事業所調査の回答率は、8月としては2006年以来の低さだった。



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ルービニ氏「経済が下振れなら世界の株式相場が売られ10%下落あり得る」


  2008年の金融危機を的確に予測したことで知られるルービニ・マクロ・アソシエーツ会長兼最高経営責任者(CEO)でエコノミストの
   ヌリエル・ルービニ氏
はイタリアのチェルノビオでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、経済が予想に反し下振れした場合、世界の株価は今年後半に最大10%下落し得るとの見方を示した。

 金利が間もなくピークに達するとの期待や、世界経済が予想以上に持ちこたえるとの楽観的な見方から今年前半に上昇した株式市場にとっては、突然の反転となると続けた。

 これまで米国では特に人工知能(AI)に関する熱狂を原動力にハイテク株が株高をけん引してきた。

 また、欧州、米国、英国で高インフレが続き「世界的に景気が軟化し始めれば10%の調整は全くあり得ないことではない」と語った。

 MSCIオール・カントリー・ワールド指数は年初来13%上昇している。
 中国経済の健全性に対する懸念から8月には5.7%の下げ幅を記録した。
 その後、中国政府による金融政策の支援などもあり、ここ2週間は反発に転じている。

 ルービニ氏は、然しながら「世界経済がここから弱くなり、ハードランディングの可能性がまだ十分にあるのなら、恐らく今の相場は上昇し過ぎだろう。それが今年後半の調整につながる可能性は大きい」と指摘した。

 同氏は昨年9月に米国と世界の「長くひどい」リセッションを予想し、それが2023年いっぱい続く可能性があるとの見方を示したが、現在は世界経済についてそれほど悲観的ではいないと続けた。

 「世界経済がハードランディングする深刻なリスクがあった6カ月前と比べると、今はそのリスクは減少している。これは良いニュースだ。しかし、世界経済がソフトランディングを達成できるかどうかについては、まだ議論の余地があると思う」と語った。
 
  
ひとこと
 
 ロシアのウクライナ侵攻に伴う、商品市場の変動が大きく、中国政府の火器弾薬類の提供も懸念材料だが、中国不動産バブルの対処ができるのかがそれ以上の問題の芽として広がる可能性が高い。
 
    
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元建て債保有者が中国大手不動産会社碧桂園のデフォルトを要求


 中国の不動産開発大手、碧桂園の債権者グループが人民元建て債のデフォルト(債務不履行)宣言を求めている。
 同社は流動性危機の中で窮地に立っており、中国の金融市場全体を揺るがしかねない。

 また、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは31日、碧桂園を再び格下げした。
 格付けを「Caa1」から「Ca」に変更、格付け見通しは引き続き「ネガティブ(弱含み)」。

 上海証券取引所の情報開示プラットフォームへの提出書類によると、9月4日が事実上の償還期限である人民元建て債を合わせて10.5%保有している投資家グループが、最近の格下げを理由に債券のデフォルトを宣言する提案をした。
 
 この投資家は特定されていないが、同社債の保有者は先に、満期までに全額返済されることを要求していた。

 保有者らは北京時間31日午後10時まで、デフォルトを求める提案と、39億元(約780億円)の未払い元本の支払いを2026年まで延期するという碧桂園の提案について賛否を投票することができる。
 なお、この可決には元本の50%以上を保有する債権者の支持が必要となる。

 また、債券保有者らは、40日間の猶予期間を追加するという会社提案についても投票を行っている。

 碧桂園は30日遅く、今年1−6月(上期)に
   489億元
という前代未聞の純損失を計上したことを明らかにし、不履行の可能性を警告した。
 同社は今月初め、2250万ドル(約32億8000万円)のドル建て債のクーポンを支払わず、中国のジャンク級ドル建て債市場全体を今年の安値水準に落ち込ませた。
 デフォルトを回避するためには、来週までの猶予期間内に返済しなければならない。

 元建て債の10.5%を保有している投資家グループによるデフォルト提案は、ムーディーズが8月上旬に碧桂園の格付けを3段階引き下げ、「Caa1」にしたことがきっかけという。
 
 債券目論見書によれば、海外の格付け会社による2段階引き下げによって、債券保有者はデフォルトを宣言するかどうかについて会合を招集することができる。

 ムーディーズは31日の格下げについて、「碧桂園の流動性逼迫とデフォルトリスクの高まりおよび、同社の社債保有者にとって資金回収の見込みが薄いことを反映したものだ」と説明した。

 ムーディーズの予測では、今後12−18カ月間の売り上げ低迷と多額の償還債務を考慮すると、碧桂園は近く満期を迎えるオフショア債に対応するための十分な内部資金源を有していない。

 ムーディーズは同社がデフォルトに陥った場合、債務レバレッジが高く、事業子会社レベルでの資金調達が多いことから、オフショア債保有者の回収見込みは低いと予想されると分析した。

 
ひとこと
 
 サブプライムローンの破綻よりも状況が悪い事態が迫っている。
 中国経済の歪は隠蔽体質で実態把握は他の先進国と比較すれば揺らぎが大きく出てくるため、後退時はより困難だろう。
   

   
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