2023年09月04日

ECB内ではインフレ見通しは極めて不確実との認識(議事要旨)


 欧州中央銀行(ECB)が31日公表した7月26、27両日のECB政策委員会の議事要旨によると当局者はインフレ見通しを極めて不確実とみており、金利が最終的にどこへ向かうのか明確な見解を持てずにいることが示された。

 議事要旨によれば会合では、「不確実な環境において、データに基づく、会合ごとのアプローチを維持することの利点が強調された」。

 一部当局者からは「累積された金融引き締めの効果が十分強力なことを示す説得力ある証拠」が欠ける中、来月に追加利上げが必要となる可能性を指摘した。
 
 一方、他の当局者は「9月に追加利上げをしなくとも、ECBスタッフの9月予測でインフレ軌道が2%に向けて十分に下方修正される可能性もかなり高い」と主張した。

 次回のECB会合は2週間後にある。
 
 政策当局者はここ最近の経済活動の鈍化が利上げサイクルの休止を正当化できるのか、もしくは根強いインフレ圧力に伴い追加措置が適切となるのかを判断することになる。

 31日発表されたユーロ圏の8月のインフレ率では前月と同じ5.3%となり、基調的なインフレ率は幾分鈍化した。

 議事要旨によれば、会合では「不十分な金融政策の引き締めよりも、さらに引き締める方が望ましいとの議論が交わされた」ほか、「引き締めサイクルの停止を決定する前に、ここ最近の衝撃の影響が収まった後でインフレ率が目標値へ収束していくのかどうかを示すより明確な兆候が政策委員会には必要だ」との見方も示された。

 政策委メンバーはまた、「基調的なインフレの指標はここ数カ月間おおむね安定していることを認識しているが、基調的インフレの水準と根強さが懸念材料だと指摘した」。

  
 
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クリーブランド地区連銀総裁、労働市場の均衡は改善するもインフレが「高過ぎる」


 米国クリーブランド地区連銀の
   メスター総裁
は1日、クリーブランド連銀と欧州中央銀行(ECB)が主催した会議で、米国のインフレはこのところ改善が見られるものの、なお高過ぎると指摘した。
 また、労働市場は依然として力強いとの認識を示した。

 政策当局者は今後の政策判断を伝える上で、経済がどう変化しているかを精査するため市場と経済データを注視する必要があると話した。
 
 ただ、追加利上げが必要か否かや、米連邦公開市場委員会(FOMC)が9月19、20日の会合でどのような決定をすべきかについては、具体的な発言はなかった。

 また、「ある程度進展はしているが、インフレはなお高過ぎる」と指摘し、「金融政策における問題は、フェデラルファンド(FF)金利の現水準が十分に景気抑制的かどうか、そしてインフレ率を持続的かつ時宜を得た形で当局目標の2%へと低下させていく上でどの程度の期間、抑制的な水準で維持する必要があるかということだ」と続けた。

 8月の米雇用統計発表後に講演した総裁は、金融当局の行動も一助となり労働市場ではバランスが改善してきているが、雇用は依然として力強いと指摘した。
 また、「今後の政策判断はリスク管理、そして金融政策の引き締めが過度な場合と不十分な場合とでの異なるコストをどう管理するかだ」と続けた。

 なお、メスター総裁は今年のFOMC会合で投票権を持たない。


   
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米雇用統計は「良好」でソフトランディングへの一歩?


 サマーズ元米財務長官は1日、ブルームバーグテレビジョンに対し、米国金融政策当局者がインフレ退治を進める中、同日発表された8月の米雇用統計について「非常に楽観的なシナリオに一致している」と述べ、「統計内容には警鐘となり得たあらゆる要素が含まれているが、警鐘は鳴らなかった」と指摘、米国が景気低迷を回避するにはまだ課題があるもののが
   回避できる確率
は高まっているとの見方を示した。

 米国の非農業部門雇用者数では8月に前月比18万7000人増加し、週平均労働時間も拡大した。

 サマーズ氏はいずれも景気がなお「強い」ことを示唆していると指摘した。
 一方で、平均時給が昨年早い時期以来の低い伸びとなったほか、新たに労働力人口に加わった人たちが著しい労働需給の不均衡を是正する一助となっていると続けた。

 同氏は雇用統計は「良好な内容だった」と評価し、「依然としてソフトランディングへの道は非常に険しいと考える。しかし今回はそれに向けた一歩となった」と話した。

 また、今後については、労働活動から賃金に対して圧力がかかる可能性を注視することが重要との見方を示した。


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米ISM製造業指数が縮小圏ながら6カ月ぶり高水準と、安定化を示唆


 米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業総合景況指数は
   47.6
と小幅上昇し、いまだ縮小圏にあるものの前月の46.4からは上昇しており、製造業活動の低迷はもはや深刻化していないとの期待を抱かせる兆候が出ている。

 生産指数は50と、3カ月ぶりの水準に上昇、雇用や入荷遅延の指標もそれぞれ改善した。

 製造業総合景況指数はこれで10カ月連続での活動縮小となったが、今回の数字は状況が弱い水準で安定化しつつあることを示唆している。

 企業による過剰在庫の削減が進み、財への個人消費が増えるのに伴い、安堵(あんど)感の兆しがいくらか見られ始められている。

 製造業企業の在庫は縮小幅が拡大し、2014年初め以来の大幅な縮小に並んだ。
 また、顧客在庫も縮小しており、これは在庫削減での進展を示す最近のデータと整合する。

 なお、顧客在庫は「妥当」だと報告した製造業企業の割合は67.6%に上昇し、20年2月以来の高水準になった。

 ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で、「8月の総合景況指数は受注の弱さが続く中で、企業が生産を適切に管理していることを反映しているが、月間ベースでの上昇は改善の兆しだ」と指摘した。

    
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