フィラデルフィア地区連銀総裁が「政策金利の据え置き」を改めて主張

　米国フィラデルフィア地区連銀の
　　　ハーカー総裁
はデラウェア州商工会議所が開催したオンラインイベントに出席し、ディスインフレが進行中だと指摘。データが急激に変化しない限り、政策金利を現在の水準で据え置くことが望ましいとの見解を改めて示した。

　「金利を現行水準で据え置くことができる状況にあると考えられる」と発言し、「何もしないことで、なお何かをしている。実際のところ、かなり多くのことをしている」と述べた。

　経済・金融情勢については、総裁自身が想定していたよりも若干良い形で展開していると指摘した。
　物価は沈静化してきているとし、労働市場の引き締まりは和らぎつつあると続けた。

　「政策金利は景気抑制的な水準にあると私は確信している。金利がその水準にとどまる限り、われわれはインフレを着実に押し下げ、市場のバランスを改善させられる」とも述べた。

　物価については、９月の消費者物価指数（ＣＰＩ）が高めの伸びとなったことに触れたが、自身としては数カ月のデータの動きに注目していると述べた。

　総裁は「まず、われわれは物価上昇の再加速は容認しない」としたが「ただ私は物価に関する月次ベースでの通常の変動性に過剰に反応したくはない」と主張した。

　また、経済見通しが変化した場合は「いずれの方向にも」政策を調整する用意があると指摘したうえ、労働者のストライキや原油価格の上昇、政府機関閉鎖の可能性、学生ローンの返済再開などをリスク要因に挙げた。