(Brightline)
米国の民間旅客鉄道
が運行しているマイアミ中央駅 - ウェストパームビーチ駅 - オーランド国際空港駅を結ぶ旅客鉄道。
アムトラックのアセラ・エクスプレスに次いでアメリカ史上2番目となる高速列車である。
全線開業時には年間530万人の利用が見込まれ、第三期としてタンパまで延伸する構想もある。
フロリダ州では過去2回高速鉄道計画が検討されたが頓挫した。
まず、2000年11月の州民投票で公営高速鉄道の導入が決定したが、その後費用負担をめぐり2004年11月の州民投票で否決された。
次に、フロリダ州がバラク・オバマ政権の鉄道助成金約20億ドルを利用しタンパ - オーランド間(約130km)に高速鉄道を敷設するFlorida High Speed Corridor計画を推進していた。
2011年2月リーマンショックによる財政難を理由に計画が中止された。
2012年3月フォートレス・インベストメント・グループ傘下の
Florida East Coast Industries(略称・FECI)
は代替案として時速200km/h以下の旅客鉄道に変更し、既存路線195mile(313km)を流用しつつブレバード郡ココア - オーランド間40mile(64km)を新設する民間高速鉄道計画「All Aboard Florida(AAF)Project」を発表した。
FECI社はフロリダ州に不動産王
ヘンリー・モリソン・フラグラー
が設立した二級鉄道フロリダ・イースト・コースト鉄道(略称・FEC)でインターモーダル輸送や石灰岩運搬といった貨物輸送事業を行っており、この路線を活用するというものであった。
2014年に事業会社
が設立され、連邦鉄道局の鉄道復旧改善融資(略称・RRIF)から17.5億ドルの借入れが決まると3回目にしてようやく事業化に至った。
2018年1月13日ウェストパームビーチ駅 - フォートローダーデール駅間で先行開業した。
2018年5月19日には、マイアミ中央駅まで延伸した。
なお、マイアミとウェストパームビーチ間の所要時間は約1時間20分である。
2018年11月、All Aboard Floridaはヴァージン・グループと戦略的提携を結ぶと発表した。
2019年よりブランド名称をヴァージン・トレインズUSAに改称予定。
この提携によりヴァージン・グループは少数株主となるが、過半数の株式は引き続きFortress Investment Groupが保有する予定。
2019年4月4日、ヴァージントレインズUSAに改称した。
現在はヴァージンのブライトラインへの出資額で折り合いなどの理由で、現在両社の提携関係は解消されている。
2023年9月22日にオーランド国際空港駅まで延伸、マイアミとオーランドの間は約3時間半で結ばれた。
2026年以降にオーランド国際空港駅からディズニー・スプリングスへの延伸も予定している。
2022年6月、ブライトラインはディズニースプリングス駅への延伸ルートを変更すると発表した。
この新しいルートは「サンシャイン回廊(Sunshine Corridor)」と呼ばれ、オーランド近郊を結ぶ通勤鉄道「サンレール(SunRail)」との共同運行区間として整備される予定。
この変更により、ユニバーサルが建設中の第4のテーマパーク「エピック・ユニバース(Epic Universe)」やシーワールド(SeaWorld Orlando)などに隣接するエリアに新駅が建設される。
一方、当初ディズニーの敷地内に計画されていたディズニー・スプリングス(Disney Springs)駅については、敷地外へと変更されることになる。