ロシアの政権寄りテレグラム・チャンネル、報道機関、ユーチューブ・チャンネルにて、あたかも英国のテレビ局「BBC」が公開したかのような捏造された動画がロシア情報機関が介在して拡散している。
その動画では、まるで「国境なき記者団(RSF)」が調査をしたところ、ロシア領クルスク州での作戦時にウクライナ軍人がナチスのシンボル、スローガン、ジェスチャーを使用した1000件以上の事例が「見つかった」と指摘するなど幼稚な内容ばかりが目立つ代物だ。
さらには、動画では、RSFのアドボカシー&戦略裁判プロセス担当ディレクターの
アントワーヌ・ベルナール氏
が国際社会にウクライナ軍がナチズムを称賛していることに注意を向けるよう「呼びかけた」との捏造した情報が垂れ流されていた。
またベルナール氏が、あたかも「国連で保護を要求する国は、国連決議を卑劣に侵害する権利を持たないし、ましてや人間を憎む政権のシンボルを示してはいけない」と発言したといったものだ。
これらは、偽情報で巧妙に作り出した映像や音声などだが、米国大統領のトランプ候補が、歌手テイラー・スウィフトさんの偽画像投稿して支持装う行為と同じ程度のものだ。
ウクライナに関する、このような動画は、BBCの公式サイトにも、RSFのサイトにも存在しない。
偽動画は、インターネット上で見つけられる写真や動画を巧妙に組み合わせて作られている。
いくつかのものはウクライナ軍のクルスク州作戦が始まる前からインターネット常に存在したものを繋ぎ合わせて作ったことも判明している。
破壊された自動車の屋根部分に書かれた鉤十字の写真は約半年前にロシアの情報源に現れたものを利用したもので、クルスク侵攻以前から存在していたということも判明している。
ウクルインフォルムは、情報の確認のために「国境なき記者団(RSF)」のゾイ・ブアセル(Zoé Boissel)コミュニケーション・ディレクターターに連絡し確認を取ったところ、その動画で示されている情報は事実に反するものであり、RSFは本件に関する調査をすでに始めていると伝えた。
なお、ロシアは、プロパガンダの中でウクライナをナチズムやファシズムで批判しており、ウクライナへの侵攻の口実としているが、プーチンの配下の情報機関が捏造した情報を繰り返しロシア国民に思考に植え込むことで、正当化しようと工作がいまだ続けられているということにほかならない。
こうした虚偽を正当化しようとする試みは、中国が領有権を主張する尖閣諸島や韓国が軍事占領している竹島と同じで歴史的な文書で日本の領土ということが明らかなものを意図的にゴリ押ししているに過ぎない。