2024年09月11日

米中での需要懸念が強まったブレント原油は70ドル割り込んだ後に安定

 世界的な需要に対する懸念が急速に高まったことで、北海ブレント原油は2年強ぶりに1バレル=70ドルを割り込むまで急落したが、相場はその後落ち着きを取り戻した。

 供給が堅調かつ拡大している時期に、米国と中国という最大の消費国における成長鈍化が消費を損なうのではないかという懸念から、北海ブレント原油相場は今四半期(7−9月)に入り、ほぼ5分の1下落した。
 先物全体のカーブ形状を含めた市場指標は、需給が急速に緩和していることを示している。

 原油価格の下落により、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は、すでに供給拡大計画の延期に追い込まれた。
 
 投資家の間では、余剰分が2025年近くに市場に出回る可能性もあるという懸念が高まっている。
 今週末に月次見通しの改訂版を発表する
   国際エネルギー機関(IEA)
は8月、OPECプラスが供給拡大を中止したとしても、市場では来年に在庫が増加するリスクがあると述べた。
  
 原油価格の低迷は、インフレ対策を推し進めてきた各国・地域の中央銀行にとっては追い風となる。
 連邦準備制度は、物価上昇圧力の緩和と労働市場の軟化の兆しを踏まえ、来週利下げに踏み切ると予想されている。
 また、輸入原油に依存している中国や日本などの国々にとっても好都合だ。

 10日の北海ブレント原油は69ドルを上回って取引を終えた。
 ただ、先週の急落に続き、新たな売り圧力により3%余り下落する荒い値動きとなった。
 一方で11日には、米国石油協会(API)推計で先週の米商業在庫が約280万バレル減少したとの関係者の話を受けて小幅上昇している。
 公式データは11日遅くに発表される予定。

  
posted by manekineco at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米2年債利回りは8月CPI発表控え、2022年9月以来の低水準

 米国債相場は上昇。利下げを見込む動きをさらに強める可能性がある8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、2年債利回りは2022年9月以来の低水準を付けた。

 米2年債利回りは一時、5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.55%だった。
 11日発表される8月の米CPIは前年同月比2.5%上昇と、7月の2.9%から伸びが鈍化すると見込まれている。


posted by manekineco at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

原油市場の低迷が続けば、OPECプラスにとって憂慮すべき事態

 INGグループのコモディティー戦略責任者
   ウォーレン・パターソン氏
は「原油市場の低迷が続けば、( 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される)OPECプラスにとって憂慮すべき事態となる。市場を落ち着かせるためには、25年に予想される供給過剰への対応策を同グループが発表するべきだ」と語った。

   
posted by manekineco at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米金利の低下に加えて中川審議委員の発言で日銀の利上げも意識され、日米両面からの円高圧力が根強い

 三井住友銀行のチーフ・為替ストラテジスト
   鈴木浩史氏
は、米金利の低下に加えて中川審議委員の発言で日銀の利上げも意識され、日米両面からの円高圧力が根強いと指摘した。
 また、「金融正常化に向けて執行部と同様の前向きな発言を繰り返していることがドル・円の重しになっている」と続けた。

 米大統領選候補者の討論会については、ハリス氏優勢との見方も出る中で先行きは不透明で、「トランプ相場は時期尚早との見方からドル・円が下げている面もあるだろう」との見方を示した。
  
posted by manekineco at 19:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

円相場がドルに対し一時140円台後半と8カ月半ぶりの高値

 日本市場では11日、円相場がドルに対し一時140円台後半と8カ月半ぶりの高値を付けた。
 日本銀行の中川順子審議委員が講演で、
   経済・物価見通し
が実現していけば、
   金融緩和の度合いを調整
するとの姿勢を改めて示す中、来週には米国の利下げが見込まれ、日米金利差の縮小観測から円買い・ドル売りが強まった。

 円高が嫌気された株式相場は東証株価指数(TOPIX)が6営業日続落し、連続下落の記録としては昨年7月以来の長さだ。
 前日の米国金利が低下した流れに加え、この日実施された日銀による国債買い入れオペの結果を受け、債券相場は上昇した。


   
posted by manekineco at 19:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

賃料インフレの基調的なトレンドが近い将来に再加速する可能性は低い

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのエコノミスト
   雨宮愛知氏
らは5日の見通しで、労働省労働統計局(BLS)の全テナント賃料指数(ATRR)は最も信頼できる先行指標であり、オフィシャルな賃料ディスインフレを示唆している。
 加えて、賃貸住宅の供給は高水準で推移しており、賃料インフレの基調的なトレンドが近い将来に再加速する可能性は低いとの見方を示した。

    
posted by manekineco at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ロシアの空爆で変電所破壊の恐れ、ウクライナ原発で緊急事態も

 ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は10日、キーウからブルームバーグ・ニュースとのインタビューに応じ、ウクライナ国内のエネルギー網に対する
   ロシアの空爆
が続けば、ウクライナの支配下にある原子力発電所3カ所のうち1カ所で緊急事態を招く可能性があると警告した。

 同相はウクライナには何千もの変電所があるが、原発につながる10カ所の重要な変電所が危機にひんしており、破壊されればウクライナに停電が広がり、放射能による緊急事態を引き起こす恐れがあると述べた。

 また、ロシアの集中的な攻撃が核のリスクを欧州連合(EU)加盟国との国境に近づけているとも指摘した。
 
 ロシアは「自分たちのしていることを正確に理解している。
 原発の安全にとって極めて重要な変電所に対する攻撃は偶然ではない」と語った。
   
    
posted by manekineco at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

インフレは重要?高めが出れば、25bpが確実になり得る

 FHNファイナンシャル
   クリス・ロウ氏
は「インフレは重要だ」と指摘した。
 「弱めの数字となれば、米金融当局に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを促す可能性がある。高めが出れば、25bpが確実になり得る」と続けた。

 金利低下は、利回りを生まない金にとって強材料とされる。


posted by manekineco at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

北海ブレント先物が2年ぶりに1バレル=70ドルの節目を割り込み

 原油相場は国際指標である北海ブレント先物がおよそ2年ぶりに1バレル=70ドルの節目を割り込んだ。
 堅調な供給と需要低下への懸念に加え、投機的な売りが下げを加速させた。

 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は
   1バレル=65.75ドル
と前日比2.96ドル(4.3%)安で終了。
 ロンドンICEの北海ブレント11月限は3.7%下げて69.19ドル。
 WTI、ブレントともに終値で2021年12月以来の安値となった。
 
 10日発表された弱い中国の輸入データを含め、米中両国のさえない経済統計により需要への懸念が強まり、来年に供給過剰に陥るリスクが意識された。
 
 石油輸出国機構(OPEC)非加盟の産油国で生産量が急増していることも、こうした懸念に拍車をかけており、弱気なポジションは記録的な水準に膨らんでいる。

 OPECは世界の石油需要見通しをおおむね横ばいで維持した。
 国際エネルギー機関(IEA)も今週、月報を公表する。IEAはこれまで、来年の供給過剰を予想している。


posted by manekineco at 08:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

CPIが上振れすれば、下方向の荒い値動きにつながる

 ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュート
   サミーア・サマナ氏
は「市場が米利下げを積極的に期待していることを考えると、CPIが上振れすれば、下方向の荒い値動きにつながるだろう」と指摘した。
 「CPIが下振れすれば、利下げ余地が大きくなる一方、景気が予想以上に減速していることを示し、上下両方向のリスクが高まる」と述べた。

   
posted by manekineco at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ドル指数と円が上昇

 NY時間、外国為替市場ではドル指数と円が上昇した。
 米大統領選の候補者による討論会を前に、リスク回避の動きとなった。

 円は対ドルで上昇し、一時は1ドル=142円20銭まで上げた。

    
posted by manekineco at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

強い住宅3社株が米支援策と利下げ期待で好調

 米国に進出する日本の住宅関連3社の株価が好調だ。
 11月に行われる米大統領選挙では民主党候補のハリス副大統領、共和党候補のトランプ前大統領が共に
   住宅支援策に言及
するほか、
   米連邦準備制度理事会(FRB)
による継続的な利下げ観測もあり、日本株市場全体や業種別指数をアウトパフォームしている。

 住宅メーカーで売上高に占める米国事業の比率が40%を超す
   住友林業
約15%の
   積水ハウス
外壁材メーカーで同比率が約20%の
   ニチハ
の株価はそれぞれ年初から48%、22%、17%上昇している。
 3社の平均上昇率29%は東証株価指数(TOPIX)の8.9%や東証建設業指数の16%を上回る。

 数年にわたる物価高や金利の上昇で足元の米経済は減速感が強まっているが、株式市場では新大統領による住宅支援策の推進期待に加え、9月の利下げ実施が確実視されるFRBの追加利下げ観測などが米市場に進出する日本の住宅関連銘柄の追い風になるとの見方が広がっている。

 ハリス副大統領は8月に公表した経済政策で、初めて住宅を購入する人を対象に
   最大2万5000ドル(約360万円)の支給
を行う方針を表明した。
 また、トランプ前大統領も住宅購入者支援の検討を示唆している。

 住友林株をカバーするアナリストのうち5人が強気の投資判断で、5人の目標株価の平均は6428円と10日の終値を3.6%上回る。
 住友林は8月、米国の戸建て住宅事業の販売単価や利益率が想定を上回っており、2024年12月期の営業利益計画を1615億円から前期比23%増の1800億円に上方修正した。
 アナリストらは25年12月期も平均で9.4%の増益を見込む。

 ただし、米経済が予想以上に減速したり、財政負担の問題で新大統領が打ち出す政策が議会で反対されたりする可能性は米事業の割合が相対的に高い住宅関連企業にとってはリスクになる。

 
posted by manekineco at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イスラエル軍がガザ地区南部「人道エリア」へ空爆  イスラエルへの非難が相次ぐが...

 ガザ地区南部のハンユニスでは住民の退避先に指定されていた地域が空爆され多くの犠牲者が出た。
 国際社会からはイスラエルへの非難と停戦を求める声が相次いでいる。

 イスラエル軍は10日、ガザ地区南部のハンユニスで、イスラエルが設定した「人道エリア」として
   住民の退避先に指定した地域
に空爆を行ったと発表しました。
 2023年10月の奇襲攻撃に直接関わったイスラム組織ハマスの幹部らを殺害したと主張した。
 事前に住民の被害を軽減する多数の措置をとったなどと傲慢な主張を続けた。

 国際社会からの停戦を求める声が強まる一方で、イスラエルとハマスの停戦と人質解放に向けた協議は難航し、進展の兆しは見えない。

 そもそもが、汚職等によりネタニアフ自身が逮捕される可能性が奇襲以前からあり、ネタニアフヘのイスラエル人のデモが頻発していた。
 奇襲攻撃により政権の延命化が起きたため、ネタニアフにとっては神風状態となり、政権維持を目論んだ思考からも、和平交渉の停止を狙った工作とも言える攻撃が繰り返されており、焦土化作戦とともにパレスチナ人への民族浄化作戦の類である。

 ガザ地区の保健当局はこの空爆で少なくとも19人が死亡し60人以上がけがをしたと発表し
   「イスラエル軍による恐ろしい虐殺だ」
と強く非難している。

 国連で中東和平を担当する
   ウェネスランド特使
はイスラエル軍の攻撃を非難するとともに「民間人の殺害をやめ、この恐ろしい戦争は終わりにしなければいけない」とする声明を出した。
 また、イギリスのラミー外相もアメリカのブリンケン国務長官との会見で「ハンユニスでの衝撃的な住民の死により、停戦の必要性は格段に高まっている」と述べ、一刻も早い停戦の実現を訴えた。

 国連のグテーレス事務総長は、報道官を通じて、「イスラエル軍が住民の避難先に指定した地域を空爆したことを強く非難する。人口密集地での重火器の使用は容認できない」とコメントし、今回の空爆を非難するとともに、一刻も早い停戦を改めて呼びかけた。

     
posted by manekineco at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日銀は今月会合で「利上げ急ぐ必要性低い」との見方から政策維持へ

 日本銀行は19、20日に開催する
   金融政策決定会合
で、無担保コール翌日物金利を0.25%程度に誘導する金融政策運営の現状維持を決める公算が大きいとの見方が出ている。
 7月利上げとその後の金融市場の不安定化の影響を見極めるため
   再利上げの必要性は低い
とみていることが、メディアが複数の関係者への取材で分かったとの記事が市場に流れた。

 7月会合での利上げ後、米国経済への懸念の強まりもあり、大幅な円安修正や国内株価の歴史的な急落など市場は大きく不安定化した。
 関係者によると、日銀では引き続き
   市場は神経質な状況
にあり、その動向を注視する必要があるとみている。

 一方、市場の急変動を踏まえても、日銀は現時点で7月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で示した見通しに大きな変化はないとみている。
 
 内外経済や主要国の金融政策運営、それらを受けた金融市場の動向を注意深く見守りつつ、経済・物価が日銀の見通しに沿って推移すれば、利上げによって緩和度合いの調整を進めていく方針に変わりはないため、経済・物価情勢や金融市場次第では、市場が想定するような年末あるいは来年初などの再利上げも現時点で否定するものでもないと関係者は指摘した。
 
 もっとも、現状では、米経済の先行き不透明感の強まりが意識され、消費者物価が大きく上昇していく可能性が小さい中では、利上げを急ぐ必要性は乏しいと続けた。

 8月の市場変動後
   植田和男総裁
は23日の国会の閉会中審査で、市場は引き続き不安定な状況にあり
   極めて高い緊張感
で注視していくとしつつ、経済・物価が日銀の見通しに沿って推移すれば利上げを進める姿勢を改めて表明した。
 その後、公表された8月の東京都区部の消費者物価指数や7月の毎月勤労統計調査などの経済指標は、日銀のシナリオを確認する内容だったと日銀は評価しているとみられる。

 内田真一副総裁は先月7日、金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはないと発言した。
 また、氷見野良三副総裁は28日、当面は市場動向を極めて高い緊張感を持って注視していくことが、まずやるべき最初の仕事だとの見解を示した。

 今月27日の自民党総裁選や衆院解散・総選挙の有無、新政権の経済・財政運営も、日銀の金融政策運営に影響を与える可能性がある。
 関係者によると、日銀は国内の政治情勢を注意深く見守っている。
 賃金と物価の好循環を前提とした2%物価目標の持続的・安定的な実現については、誰が新たな首相になっても理解が得られる可能性が大きく、政策運営が大きな変更を迫られることはないと考えているという。

 自然利子率や中立金利の予測に大きな不確実性がある中で、先行きの利上げプロセスには実際の経済・物価への影響などを分析しながら探っていかざるを得ない状況となっている。
 
 日銀が8月に公表した自然利子率の各種手法に基づいた推計の結果からは、名目の中立金利が少なくとも1%程度と試算されるが、そうしたイメージを念頭に置いて政策運営を行っている可能性があると関係者は指摘する。

 8月の市場の急変動後にブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、日銀による次回の利上げ時期の予想は最多が12月の41%で、21%は来年1月の利上げを予想した。

 欧州中央銀行(ECB)は12日の政策委員会で追加利下げを行うと見込まれている。
 今回の日銀会合は、利下げに踏み切ると予想されている米連邦公開市場委員会(FOMC)による19日の会合結果発表の数時間後にスタートする。

 米金利が低下すれば、日本の金利との差が縮まり、円の支援材料となる。
 日銀はFOMC後の市場の反応を非常に注意深く見守るとともに、米利下げが市場の安定を取り戻すのに役立つかどうかも確認するだろうと関係者は述べた。
   
     
posted by manekineco at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

穴水 清彦(あなみず きよひこ) 相模鉄道社長

穴水 清彦(あなみず きよひこ)
   1912年2月14日 - 1979年9月29日
 日本の経営者で甲州財閥のメンバー。
 相模鉄道社長を務めた。
 父親は京王電気軌道の社長を務めた穴水熊雄である。

 山梨県出身で1935年に慶應義塾大学経済学部を卒業した。
 北海道配電監事を経て、1944年6月に東京急行電鉄取締役と相模鉄道常務に就任した。
 1947年6月に相模鉄道専務、1962年9月に相模鉄道副社長を経て、1965年11月に相模鉄道社長に就任した。
 1976年6月には会長に就任した。
 1970年6月に運輸大臣表彰を受け、1968年に紺綬褒章を受章し、1974年に藍綬褒章を受章している。
 1979年9月29日、腎不全のために死去した(67歳没)。

 相模鉄道は、現在の東日本旅客鉄道(JR東日本)相模線である茅ケ崎駅 - 橋本駅間を開業させた鉄道会社。
 現在の相鉄本線にあたる横浜駅 - 海老名駅間と、相鉄厚木線(貨物線)にあたる相模国分信号所 - 厚木駅間を開業させた鉄道会社は
   神中鉄道(じんちゅうてつどう)
であったが、1943年(昭和18年)に相模鉄道は神中鉄道を吸収合併した。
 ただ、翌年に元の相模鉄道の路線であった茅ケ崎駅 - 橋本駅間が
   日本国有鉄道
として国有化され、元の神中鉄道であった区間が相模鉄道の路線として残った。
 もともと、相模鉄道は、神奈川県中央部を南北に横断し東海道線と中央線との間を結ぶ軽便鉄道として計画された。
 1916年(大正5年)6月26日に茅ケ崎駅 - 橋本駅の敷設免許を取得して、1917年(大正6年)12月18日に創立総会を開催した。
 翌年1月4日に当時の高座郡茅ヶ崎町(現・茅ヶ崎市)で設立された。
 1921年(大正10年)10月28日に茅ケ崎駅(神奈川県茅ヶ崎市) - 寒川駅(同県高座郡寒川町)間を開業した。
 1926年(大正15年)4月1日には倉見駅まで、7月15日には厚木駅まで開業し神中鉄道と接続した。

 1931年(昭和6年)4月29日に橋本駅(同県相模原市)まで開業し、全通した。
 同年11月からは八王子駅(東京都八王子市)まで直通列車を走らせるなど意欲的であったものの、業績が不振であった。
 このため沿線の西寒川に製造拠点(昭和産業一之宮工場 のちの相模海軍工廠寒川本廠)を有していた
   昭和産業
が経営権を取得した。
 1940年(昭和15年)12月には相模原駅 - 上溝駅 - 水郷田名間の乗合自動車事業も開始した。

 相模鉄道の株主は昭和産業と東京横浜電鉄(後の東京急行電鉄。現在の東急株式会社および東急電鉄株式会社の前身の一つ)が半々の状態であった。
 相模鉄道の取締役でもあった昭和産業社長
   伊藤英夫
の急死を契機として、昭和産業が1941年(昭和16年)6月に持ち株約4万株(相模鉄道の発行済み株式の約40%)を東京横浜電鉄に放出。
 これにより相模鉄道は東京横浜電鉄の傘下になった。

 なお、神中鉄道は、鎌倉郡瀬谷村(現・横浜市瀬谷区)の素封家
   小島政五郎
らが中心となって起業した鉄道会社で1917年(大正6年)12月2日に創立総会を開催し、同月15日に神中軌道として設立された。
 翌々年の1919年(大正8年)6月10日には神中鉄道への商号変更を行っている。
 厚木駅から建設を始め、1926年(大正15年)5月12日に二俣川駅 - 厚木駅間を開業させた。
 その2か月後の7月には寒川方面から厚木駅に乗り入れた相模鉄道と接続し、旅客輸送や相模川の砂利輸送の営業を行っていた。
  
 営業線路を延ばし、1931年(昭和6年)10月25日には西横浜駅 - 平沼橋駅間の省線の側線を借り入れて営業を開始した。
 1933年(昭和8年)12月27日になってやっと横浜駅に乗り入れた。
 全通により乗客は増加したが、業績は低迷したままで開業以来の赤字は拡大する一方であった。

 このため、1939年(昭和14年)9月に同駅で接続する東京横浜電鉄の傘下に入り、取締役社長に
   五島慶太
が就任して再建を図ることとなった。
 1941年(昭和16年)1月20日には相模国分駅から海老名駅への新線建設(0.5 km)に着手し、同年11月25日に完成した。
 これにより本線の一部区間が新線に切り替えられ、神中鉄道開業時から本線として使われていた相模国分駅-厚木駅間は旅客営業を廃止し貨物線厚木線となった。
 同時に海老名駅から、同じく五島慶太が社長を務めていた小田急の小田急小田原線相模厚木駅(現:本厚木駅)へディーゼル自動客車での片乗り入れを開始している。
 厚木で隣接していた東京急行電鉄の傘下の両社は、1943年(昭和18年)4月に経営合理化のため合併した。
   
    
posted by manekineco at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | バイオグラフィー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする