米国カリフォルニア州サンブルーノに本社を置くオンライン動画共有プラットフォーム。
アクティブユーザー数は、2022年1月時点では25億6,200万人(うち定額制サービス契約者数は8000万人以上)である。
ソーシャルメディアとしては世界第2位。
チャド・ハーリー
スティーブ・チェン
ジョード・カリム
の3人によって共同設立された。
その後、2006年11月に16.5億米ドルで
Google
に買収され、現在は同社の子会社の1つとして運営されている。
YouTubeでは、ユーザーが動画をアップロード、閲覧、その作品の評価、共有、プレイリストへの追加、レポート、コメント、他のユーザーのチャンネル登録(簡単に更新をチェックできる機能)などを行うことができる。
利用可能なコンテンツには、ビデオクリップ、テレビ番組のクリップ、ミュージック・ビデオ、短編映画やドキュメンタリー映画、音声録音、映画予告編、ライブストリーム、ビデオブログ、短編オリジナルビデオ、教育用ビデオなどがある。
ほとんどのコンテンツは個人によって生成され、アップロードされるが、CBS、英国放送協会(BBC)、Vevo、Huluなどのメディア企業は、YouTubeとのパートナーシッププログラムの一環として、YouTubeを介してコンテンツの一部を提供している。
登録していないユーザーも動画を視聴することはできるが、動画をアップロードすることはできない。
年齢制限付きの動画は、18歳以上であることを確認した登録ユーザーのみが視聴できる。
2019年5月現在、YouTubeには毎分500時間以上のコンテンツがアップロードされており、毎日10億時間以上のコンテンツがYouTubeで視聴されている。
YouTubeと選ばれたクリエイターは、サイトのコンテンツや視聴者に応じて広告のターゲットを絞るプログラムである
Google AdSense
から広告収入を得ている。
動画の大部分は無料で視聴できるが、サブスクリプションベースのプレミアムチャンネル、映画のレンタル、YouTube Music、YouTube Premiumなどの例外もあり、それぞれがプレミアム音楽と広告なしの音楽ストリーミングを提供するサブスクリプションサービスであり、著名人から依頼された独占コンテンツを含むすべてのコンテンツに広告なしでアクセスできる。
四半期ごとに報告された広告収入に基づいて、YouTubeの年間収入は150億米ドルと推定されている。
2005年2月15日、
PayPalの従業員であったチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムらがカリフォルニア州サンマテオで設立した。
ハーリーはペンシルベニア州立インディアナ大学でデザインを、チェンとカリムはともにイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で計算機科学を学んだ。
メディア上でよく取り上げられる一説によれば、ハーリーとチェンが2005年の初めにYouTubeのアイディアをひらめいたのは、サンフランシスコのチェンのアパートで開かれたディナーパーティの動画を共有するのに苦労したことがきっかけだったとされている。
なお、カリムはこのパーティに出席しておらず、そのようなパーティが開かれたこと自体を否定している。
チェンは、パーティは実際に開かれたとした上で、「YouTubeはディナーパーティをきっかけにされた」という物語は、わかりやすい物語を必要とするマーケティング上の都合によってかなり脚色されていることを認めた。
カリムによると、YouTubeの発想のきっかけとなったのは、2004年に
ジャネット・ジャクソン
が起こした第38回スーパーボウルでのハプニング(パフォーマンス中にジャクソンの胸が露出した)と、同じく2004年に発生したスマトラ島沖地震だった。
カリムはインターネット上でそれらの事件の動画を探したが、どちらの出来事の動画も簡単には見つけることができず、その体験が動画共有サイトのアイディアを生んだという。
YouTubeはベンチャーキャピタルが出資するスタートアップ企業として開業した。
主な出資者は
であり、2005年11月から2006年4月までの間に1150万米ドルをYouTubeに投資した。
当初、YouTubeの本社はカリフォルニア州サンマテオのピザ販売店・日本食レストランの2階に置かれていた。
www.youtube.comのドメインは2005年2月14日に有効化された。
ハーリーとチェンによれば、最初期のYouTubeは動画版のHot or Not(ユーザーが異性の画像をアップロードできる出会い系サイト)を目指しており、その方向性を示したのはカリムだった。
2005年5月、YouTubeのベータ版が一般に公開された。
YouTubeで初めて再生回数が100万に達した動画は、ロナウジーニョが出演したナイキの広告動画(2005年11月に達成)だった。
2005年10月、カリフォルニア州で事業を行うデラウェア州法人としてYOUTUBE, INC.を設立した。
2005年11月に
セコイア・キャピタルから350万米ドルの出資を受け、YouTubeは2005年12月15日から正式なサービスを開始した。
正式サービスの開始当時、1日の動画再生回数は約800万回だった。
YouTubeは急速に成長し、2006年7月の発表では、1日に6万5000本以上の新たな動画がアップロードされており、1日の動画再生回数は約1億回であるとされた。
米国では、2005年12月頃にNBCの人気テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』がアップロードされていたことからブログなどで話題になった。
2006年上旬にはYouTubeの映像をブログなどに貼り付け簡単に見られるAPIも公開され爆発的に普及した。
日本では2006年3月に民間調査会社のネットレイティングスの調査で日本国内からの利用者が約212万人に達した。
平均利用時間では米国ユーザーを上回っていることが発表された。
2006年4月にアメリカの映画制作会社の
ワインスタイン・カンパニー、ディメンション・フィルムズ
と提携し、映画の予告編がYouTubeで配信された。
これを初めとして様々な企業や団体がYouTubeにチャンネルを持ち、コンテンツを公開するようになった。
2006年10月、YouTubeは本社をカリフォルニア州サンブルーノに移転した。
YouTubeはサーバ回線コストだけで月間100万ドルに達すると言われていたため、どう収益を上げていくかが注目されていた。
2006年10月9日に16億5000万ドルの株式交換でGoogleの買収に同意した。
GoogleによるYouTubeの買収は2006年11月13日に完了した。
2006年11月、カリフォルニア州で事業を行うデラウェア州法人として
YOUTUBE, LLC
を設立した。
「アップロードされた動画に対し厳しい規制が取られてしまうのでは」と一般ユーザーから危惧が持たれていたが、ハーリーは「YouTubeはGoogleに買収されたが、今後もYouTubeとしたブランドで独立したサービスを提供し続ける」と述べた。
また、Google側も類似サービスであるGoogle ビデオのサービスを継続させた。
検索窓を通じてYouTube内の動画を検索するサービスを開始した。
その後、タイム誌の「Invention of the Year for 2006」に選出された。
2007年3月、民間調査会社のネットレイティングスから日本国内家庭からの利用者が1000万人を超えたことが発表された。
同年5月、第11回ウェビー賞を受賞した。
2007年にYouTubeが消費した通信容量は、2000年当時のインターネット全体の通信量に相当すると推定された。
2007年5月、YouTubeは、一部動画投稿者限定で広告収入分配するパートナープログラムを開始した。
2007年6月19日、インターフェース等が日本語を含む10か国語に対応した。
その後は、次々とインターフェース等が多言語に対応した。
第三者のウェブ分析企業である
アレクサ・インターネット
シミラーウェブ
によれば、YouTubeは2016年12月時点で世界で2番目に訪問者の多いウェブサイト だった。
さらにシミラーウェブは、月間150億人以上の訪問者を抱えるYouTubeは、テレビ・ビデオ分野における世界第1位のウェブサイトであるとした。
2017年9月、YouTubeはYouTube Gamingのチャンネルに収益ツール「スポンサーシップ」を追加した。
2018年6月、YouTube Gaming以外のYouTubeチャンネルにも「スポンサーシップ(現:チャンネルメンバーシップ)」が追加された。
2018年4月3日、カリフォルニア州サンブルーノのYouTube本社のオープンカフェにて銃乱射事件が発生した。
サンディエゴに住む39歳女性YouTuberによる犯行とみられ、容疑者女性は自殺した。
容疑者はYouTubeと長年争っており、YouTubeがコンテンツクリエイターを抑圧しようとしていると主張、投稿した動画に対する支払いが止められたことに憤っていたという。
2018年5月17日、YouTubeは『YouTube Red』のサービス名を『YouTube Premium』に変更すること、このサービスをカナダと13のヨーロッパ諸国でも展開することを発表した。
さらに、近く『YouTube Music』が独立したサブスクリプション方式のサービスとして展開されることも発表された。
同年11月14日、日本での両サービスが展開された。
2019年12月10日、利用規約が更新され、YouTubeのサービス提供者が
YouTube LLC
からGoogle LLCに変更された。
2021年7月、YouTubeは2017年1月1日より前にアップロードされた限定公開の動画を非公開にした。
2021年11月11日、YouTubeは投稿された動画への低評価の数を非公開にした。
この理由についてYouTube側によれば、小規模のクリエイター、およびYouTubeチャンネルを開設したばかりのクリエイターより、不当に低評価荒らしの標的にされるという報告を受けたが、これによる荒らし行為は小規模チャンネルの方でより高い割合で発生していることが判明した。
ただし、低評価ボタンは引き続き表示され、視聴者側は低評価をつけることはできるが数は表示されなくなり、クリエイター側は引き続きクリエイターツールで低評価の数を確認可能とした。
2023年2月16日、ウォジスキがYouTubeのCEOを退任しGoogleとその親会社・Alphabetの顧問になることから、後任のCEOはYouTubeの最高製品責任者(CPO)を務めていたニール・モーハンに引継がれた。