2024年12月12日

「赤プリ」跡地ビルを株主還元や成長投資を目的に、西武HDが4000億円で売却

 西武ホールディングスは12日、プリンス系ホテルなどが入る複合商業ビル「東京ガーデンテラス紀尾井町」(千代田区)を約4000億円で米投資会社
   ブラックストーン
に売却すると発表した。
 この売却で得る資金を株主還元などに充てる計画も示した。

 西武HDの発表資料によると、取引は来年2月末までに完了する予定で、売却後も同施設の運営・管理を担う。
 同社は売却益として約2600億円の計上を見込むとし、今期(2025年3月期)純利益予想を従来の840億円の3倍超の2660億円に上方修正した。

 なお、株主還元策では、発行済み株式(自己株を除く)の8.7%、700億円を上限とした自社株買いのほか、期末配当を従来予想の1株当たり15円から25円に引き上げ、年間配当を同30円から40円に増配する。
 また、ホテル事業の価値向上のための成長投資として品川プリンスホテルの改装などに約500億円を投資する。
 
 西武HDは、24年5月発表の長期戦略で不動産事業を成長の中核と位置付け、35年度の連結営業利益目標を23年度比2倍強の1000億円以上に引き上げた。
 流動化で得た資金を新規投資する「不動産回転型事業」に参入する。
 保有したまま運営する事業モデルとの決別を宣言した。同ビル売却はその試金石として同時期に発表された。

 今回の取引額は、国内不動産物件としては、政府が保有分を
   ヒューリック
などに売却した大型複合ビル「大手町プレイス」(4364億円)に次ぎ過去2番目の規模となる。
 低い状態が続く金利や円安・ドル高を背景に、日本の不動産市場に強気な姿勢を示す海外投資家の動きを象徴する大型案件と言えそうだ。

     
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J.サフラ グループ(J. Safra Group )ブラジルの複合企業でビッキー サフラ家が経営

J.サフラ グループ(J. Safra Group )
 ビッキー サフラ家が経営する銀行、金融機関、産業事業からなる国際企業ネットワークからなるブラジルの複合企業である。
 米国、ヨーロッパ、中東、ラテンアメリカ、アジア、カリブ海諸国に拠点を 置いている。

 従業員数 30,000人
 
 子会社
 ・J.サフラ・サラシン
 ・バンコ・サフラ
 ・サフラ・ナショナル・バンク・オブ・ニューヨーク
 
 19世紀初頭、オスマン帝国のシリアのアレッポに、一族初の金融機関として
   サフラ兄弟商会
が設立された。
 経済発展に伴い、一族はベイルートに新支店を開設し、続いてイスタンブールとアレクサンドリアに支店を開設した。
 1900年代初頭、ベイルートは新設の
   ヤコブ・サフラ銀行
の本拠地となった。
 第二次世界大戦の終結後、ヤコブ・サフラ銀行は新たな銀行業務をヨーロッパに拡大し、その後ラテンアメリカと米国へと拡大した。

 2011年5月、同社はパルプ・製紙会社
   エコ・ブラジル・フロレスタス
の株式20%を1億6000万レアルで買収した。
 2011年11月、同社はスイスの銀行サラシンの株式46%を11億3000万米ドルで買収した。
 2012年、J.サフラ・グループは少数株主から株式取得の申し出を行い、サラシンの全株式を保有するようになった。

 2014年11月、同社はロンドン最大級の建物の一つであるセント・メリー・アクス30番地(ガーキン)を7億2600万ポンド(29億レアル)で買収した。
 各銀行はマーケティング目的で、現地語で独自のスローガンを持っている。
 なお、それらはすべて安全性と堅実性に関するものである。
 しかし、J. サフラ グループの一般的なスローガンは、サフラの各社に存在し、1 世紀以上にわたって石に刻まれてきた。
 グループの長期戦略を強調する、家長
   ジェイコブ サフラ
の言葉から構成されており、「バンクの海を航海することを選択した場合は、ボートを造るのと同じようにバンクを造り、どんな嵐でも安全に航海できる強さを備えてください。」と書かれている。
 
・Safra National Bank of New York
 プライベート バンキングを中核事業としている。
 ニューヨーク市内および近郊とフロリダに支店があり、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイに駐在員事務所がある。
 中核事業の補完として、同行は独立登録ブローカー ディーラーである
   Safra Securities Corp.
を通じて証券取引も行っている。
 また、投資部門を通じてグローバル証券取引機能、国際コルレス銀行サービス、国際貿易金融も提供している。
 同行は、連邦準備制度と連邦預金保険公社 (FDIC) の両方の会員である。
・Safra Securities Corp.
 金融取引業規制機構 (FINRA) の会員である。
 米国内では、民間所有の Safra National Bank of New York が、ニューヨークとマイアミの支店を通じて富裕層、地元企業、国際企業にサービスを提供している。
 また、CD、投資ファンド、マネー マーケット商品、オルタナティブ投資を提供している。
 資産管理に加えて、同行は仲介サービス、債券取引、コルレス銀行業務も行っている。
・J.サフラ・サラシン
 スイスで6番目に大きい銀行で、ヨーロッパ、アジア、中東、ラテンアメリカの26の拠点で世界的に事業を展開している。
 グループの本社はスイスのバーゼルにある。
 2013年にサフラ・グループがサラシン銀行を買収し、グループ会社の
   バンク・ジェイコブ・サフラ・スイス
と合併して設立された。
・Banco Safra SA
 ブラジルで 6 番目に大きい商業銀行である。
 Banco Safra SA は金融セクターのあらゆる分野で事業を展開している。
 伝統的に法人向け銀行である Banco Safra は、近年リテール バンキング業務を拡大している。
 主要なブラジル子会社である
   Banco J. Safra SA
   Safra Leasing SA Arrendamento Mercantil
   J. Safra Asset Management
   Safra Vida e Previdência SA
   J.Safra Corretora de Valores e Câmbio Ltda.
を通じて、銀行の業務はリース、証券引受、投資ファンド管理、仲介、保険、および信用業務にまで及んでいる。
 この銀行は、貿易金融、資産管理、および財務業務の重要なプレーヤーである。
 
・Banco Safra (Cayman Islands) Limited 
 Banco Safra SA の完全子会社であり、ケイマン諸島の法律に基づいて設立された。
 Safra Cayman として知られるこの機関は、顧客や取引銀行、および Safra グループ内の他の支店や部門に貿易金融サービスを提供している。
 また、特に貿易金融の分野で、幅広い商業および金融サービスを提供している。
 
 2005年現在、当グループは約715億ドルの資産を管理し、そのうち369億ドルは顧客資産であり、株主資本は63億ドルである。
 
 2022年11月、サフラグループがニューヨークに本社を置く民間銀行
   デルタノースバンクコープ
とその子会社デルタナショナルバンクアンドトラストを買収したことが発表された。

   
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ECBがトランプ氏復帰や独仏混迷で不確実性が台頭し、4回目25bp利下げか...

 欧州中央銀行(ECB)は12日に開く政策委員会の会合で、今年4回目の利下げを決定する見通しだ。
 インフレ率が物価目標の2%に近づく状況で、勢いを欠くユーロ圏経済の景気抑制緩和に動いている。

 ブルームバーグのアナリスト調査の結果によれば、中銀預金金利がさらに0.25ポイント引き下げられ、3%になると1人を除くアナリストのほぼ全員が予想した。
 ただ、JPモルガン・チェースだけは、最近のデータが成長とインフレの軟化を示唆していると主張し、より大幅な0.5ポイントの利下げを見込んでいる。
  
 ECB当局者は、景気の先行きを確かに不安視し、持続的な景気停滞に伴いインフレ率が目標を下回る水準に低下する可能性さえ懸念している。
 
 ドイツの連立崩壊やフランスの内閣総辞職にも頭を悩ませ、トランプ次期米大統領の
   経済アジェンダ
が欧州や米連邦準備制度にどのような影響を及ぼすか見極めようとしているのが背景だ。
  
 そうした状況にもかかわらず、借り入れコスト引き下げを漸進的に進める方向が選好される傾向にある。
 最新の四半期経済予測は、来年の物価上昇率と国内総生産(GDP)成長率の鈍化を示すことになりそうだが、今後数カ月の軌道の決定に役立つと考えられる。
  
 一時取り沙汰された0.5ポイント利下げが次回以降の会合の一つで決定される可能性は残ると投資家は考えるが、そうしたリスクの織り込みはほぼやめたような状況となっている。
 エコノミストらは、中銀預金金利が2%に達するまで、
   0.25ポイント刻み
で連続的な引き下げが進められると想定している。
 
 フランス銀行(中銀)の
   ビルロワドガロー総裁
イタリア銀行(中銀)の
   パネッタ総裁
らは、検討すべきだという立場だが、
   シュナーベル理事
は、金融政策がほぼ無力な構造的問題がむしろ景気を阻害する局面で、貴重な政策発動余地を浪費しかねない行き過ぎをけん制している。
  
 12日の利下げが最後でないという認識に
   タカ派の政策委メンバー
でさえ同意しており、ECB声明の表現、特に「必要な限り政策金利を十分景気抑制的な水準に維持する」という部分は微調整があり得る。
 ただ、ECBは柔軟性を維持したいと考えられ、「会合ごと」のアプローチから離れる可能性は低い。
    
 ECBの政策担当者らは、景気を抑制も刺激もしない理論上の境界値で、通常2%程度と考えられる中立金利を下回る水準まで政策金利の引き下げが必要かどうか検討し、さらに先の対応に備え始めた。
   
  
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金融機関の時価評価などモデル活用でAI活用には潜在リスクが残ったままだ

 金融庁は12日、過去データに基づいた将来予測などの活用やリスク管理の実態について、大手金融機関を点検した結果を公表した。
 人工知能(AI)の活用には
   潜在的なリスク
があり、利用の広がりに応じて管理強化が必要だと指摘した。

 大手銀行や証券会社は過去データを活用して推定値や予測値をつくり、金融商品の
   時価評価
や自己資本の
   ストレステスト
などに活用している。こ
 うした手法は「モデル」と呼ばれ広く使われているが
   モデル自体が不適切
だと誤った意思決定につながり、収益に
   大きな損害
を与えるリスクが指摘されている。
  
 金融庁はこうしたリスクや対処状況について大手金融機関を対象に3年間にわたってモニタリングを行った結果、リスク管理の枠組み構築はおおむね終えて実務にあたっていると評価する一方、モデルへの活用が進むAIについて、リスクに対応した検証方法をまだ模索・検討している段階だと指摘した。
  
 金融庁の担当者は、将来的には金融機関のリスク管理の中枢にAIモデルが使われる可能性があると説明した上で、金融機関のAI活用はまだ初期段階で、今後はリスク管理面からの議論が必要と述べ、実態把握に努めるとした。
   
  
   
ひとこと
 そもそも、内部留保を配当金等で支払わせないことが問題だろう。
 投資効率の向上が金融機関には必要だが、何もできていない点が改善できていない。 

   
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米中利回り格差が拡大している。中国10年債は米国債を245bp下回る

 中国10年国債の利回りが米国債を大きく下回っている。
 米国が関税を強化する可能性を踏まえ、中国共産党指導部が景気浮揚策として追加利下げを示唆したことを織り込み、利回り格差が拡大した。

 中国10年債利回りは米国債を245ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回る水準となり、その開きは2002年以来の大きさとなった。

 共産党中央政治局は今週、「適度に緩和的」な金融政策を25年に行うと表明した。
 約14年ぶりとなる政策転換を図ったことから、中国国債の利回りが大きく下げ、過去最低を更新した。
   
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円安起点のインフレ圧力は幾分後退?日銀の数字のマジックで国民の資産価値は劣化し続けているが...

 SMBC日興証券チーフマーケットエコノミスト
   丸山義正氏
は、日銀の金融政策は追加利上げに向けた軌道にあるとみる一方、「円安起点のインフレ圧力は幾分後退し、7月のように
   ビハインド・ザ・カーブ
を恐れて利上げを急ぐべき環境にはない」と指摘した。
 政治状況が「積極的な利上げを許容する環境に位置付けられない」ことからも、1月に利上げし、半年程度のサイクルで追加利上げをするのが望ましいと続けた。
    
   
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韓国野党が尹錫悦大統領に対する2回目の弾劾訴追案を提出

 韓国の最大野党・共に民主党は12日、尹錫悦大統領に対する2回目の弾劾訴追案を国会に提出した。
 与党「国民の力」から賛成に回る意向を示唆する議員が増えつつあり、今回は可決される可能性が高くなっている。
 この採決は14日に行われる見込み。

 尹大統領は12日、国民向け談話を発表。先週の「非常戒厳」宣布は「自由民主主義の憲政秩序の崩壊を防ぎ、国家機能を正常化」するためだったと正当化した。
 また、「弾劾されようが捜査されようが、私はそれに堂々と立ち向かう」とし、「最後の瞬間まで国民と共に闘う」と強調した。
  
 2回目の弾劾訴追案提出は広く予想されていたこともあり、韓国ウォンはドルに対して0.2%安と市場の反応は薄い。
  
 7日に行われた1回目の弾劾訴追案の採決では、与党議員の大半が退席したため不成立となった。
 弾劾訴追案の可決には議員3分の2(200人)以上の賛成が必要となる。
 なお、与党から少なくとも8人が賛成に回れば、同案は可決される。

 尹大統領が退陣を拒み続ける場合、2回目採決で賛成票を投じる意向を示した与党議員の数は増えている。

 大統領談話のテレビ放映に先立ち、国民の力の韓東勲代表は、弾劾訴追が大統領の職務を停止させる唯一の方法だと発言した。
 談話後にはさらに、大統領の職務停止のため迅速に動くよう同党議員に呼び掛けた。
  
  
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1月になれば市場がもっと不安定になっている可能性を無視すのは得策ではない

 住友生命保険のエコノミスト
   武藤弘明氏
は、慎重に判断して1月に先送りするという見方も多いが、「1月になれば市場がもっと不安定になっている可能性もあり、『待つ』ことのメリットがあまりないように思われる」と指摘した。
 また、「12月利上げの可能性がわずかに1月を上回る」との見方を示した。
 
 
ひとこと
 足元のドル・円相場は12月の利上げ観測の後退もあり円安方向に進んでいる。
 植田総裁は7月の会合で追加利上げを決定した際、円安が物価に与える影響が強まっていることによる物価上振れのリスクに警戒感を示していたが、様子見を言い訳にして何もしないのは無責任だろう。

   
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ストラテジストは円一段安を警戒するが、お粗末な金融政策を続ける日銀の利上げ3月以降の見方が浮上

 日本銀行による12月の利上げ見送り観測の高まりで円安が進む中、為替ストラテジストはさらなる円下落に警戒を強めている。
 金融市場では来年1月も日銀が利上げに踏み切れず、実施は3月以降との見方が浮上しているためだ。

 日銀は利上げを急いでいないとブルームバーグが報じた11日夕の為替市場では、円が対ドルで151円台半ばから152円台後半まで1円以上下落した。
 市場の12月利上げの織り込みは既に大きく低下していたが、日銀の判断を変える材料に乏しいことを考えると、来年1月の利上げにも懐疑的な見方が広がっている。
  
 1月の利上げが難しいとされる背景の一つに、日銀の金融政策決定会合の数日前に行われるトランプ次期米大統領の就任式がある。
 就任と同時に、世界経済に与える影響が大きい関税引き上げが発表されるとみられている。
  
 12日午後の東京外国為替市場では、日銀が12月会合で追加利上げを見送る見通しが強まったとの一部報道を受けて円が売られ、再び1ドル=152円台後半まで下落している。
  
  通貨オプション市場でドル・円の1カ月物リスクリバーサルを見ると、円を買う権利の需要が売る権利の需要より多いことを示すマイナス幅が縮小傾向にあり、日銀の利上げによる円高への警戒は後退している。
  
 日銀の植田和男総裁は11月のインタビューで、トランプ次期政権の政策や経済への影響などを見極めると述べ、米国政権の顔色をうかがう姿勢が顕著で、日本国民の資産を守る意志すら見られない。
 
 ブルームバーグが5−10日にエコノミスト52人を対象に実施した調査によると、日銀が現在0.25%程度の政策金利を引き上げる時期は来年1月との見方が52%と最も多く、今月18、19日の会合が44%と続く。
 なお、年内の利上げ観測も依然くすぶっているが何もせずに放置し続けるお粗末さはスタグフレーションの扉を叩く音が鳴り響くだけだ。
 金融政策の転換の失敗を認めずに、言い訳を慣れべているだけで話にもならない。
  
   
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インペリアル・ケミカル・インダストリーズ(Imperial Chemical Industries  ICI) 一時イギリス最大の製造会社であった化学会社

インペリアル・ケミカル・インダストリーズ
          (Imperial Chemical Industries  ICI)
 イギリスの化学会社で、その歴史の大部分においてイギリス最大の製造会社であった。
 1926年にイギリスの大手化学会社4社が合併して設立された。
 本社はロンドンのミルバンクにあった。
 ICIはFT 30指数、後にFTSE 100指数の構成銘柄であった。
   
 収益 48.5億ポンド(2006年)
 営業利益 5億200万ポンド(2006年)
 純利益 2億9500万ポンド(2006年)
 従業員数 29,130​​ 人(2006年)
 
 親会社 アクゾノーベル(Akzo Nobel N.V.)
 ICIは、一般化学品、プラスチック、塗料、医薬品、食品原料、特殊ポリマー、電子材料、香料、調味料などの特殊製品を製造していた。
 1991年、ICIは
   BritAg
   Scottish Agricultural Industries
の農業および商品化事業を
   Norsk Hydro
に売却した。
 1993年には、製薬バイオサイエンス事業を
   Zeneca
として分離した。
 2008年、ICIはAkzoNobelに買収され、 AkzoNobelは直ちにICIの一部をHenkelに売却した。
 ICIの残りの事業を既存の組織に統合した。

 1926年12月に4社の
   ブルンナー・モンド
   ノーベル・エクスプローシブズ
   ユナイテッド・アルカリ・カンパニー
   ブリティッシュ・ダイエスタフス・コーポレーション
の合併により設立され、1928年にロンドンのミルバンクに本社を設立した。
 デュポンやIGファルベンと競合し、新会社は化学薬品、爆薬、肥料、殺虫剤、染料、非鉄金属、塗料を生産した。
 初年度の売上高は2,700万ポンドだった。

 1920年代から1930年代にかけて、同社は新しい化学製品の開発で重要な役割を果たした。
 その中には、染料フタロシアニン(1929年)、アクリル樹脂パースペックス(1932年)] 、デュラックス塗料(1932年、デュポンと共同開発)、ポリエチレン(1937年)、テリレンとして知られるポリエチレンテレフタレート繊維(1941年)などがある。
 1940年、ICIはコートールドとの合弁で
   ブリティッシュナイロンスピナーズ
を設立した。

 ICIは
   ノーベル・インダストリーズ
から買収したサンビームのオートバイ事業も所有しており、1937年までオートバイの製造を続けた。

 第二次世界大戦中、ICIは
   チューブ・アロイズ
というコードネームで呼ばれるイギリスの核兵器計画に関与していた。
  
 1940年代から1950年代にかけて、同社は医薬品事業を立ち上げ、パルドリン(1940年代、抗マラリア薬)、 ハロタン(1951年、吸入麻酔薬)、プロポフォール(1977年、静脈麻酔薬 、インデラル(1965年、ベータ遮断薬) 、タモキシフェン(1978年、乳がん治療によく使われる薬)、PEEK(1979年、高性能熱可塑性プラスチック)など、数多くの主要製品を開発した。
 ICIは1957年にICI Pharmaceuticalsを設立した。

 ICI は 1950 年代に
   Crimplene
という生地を開発した。
 これは同名の生地を作るのに使われる太いポリエステル糸である。
 出来上がった布は厚くてしわになりにくく、形がよく保たれる。
 カリフォルニアを拠点とするファッション デザイナーの
   Edith Flagg
が、この生地をイギリスから米国に初めて輸入した。
 最初の 2 年間、ICI はアメリカ全土でこの生地を普及させるために Flagg に多額の広告予算を与えた。

 1960年、ポール・チェンバースが社外から任命された初の会長となった。
 チェンバースはコンサルタント会社
を雇って会社の再編を手伝わせた。
 彼の8年間の在任期間中に輸出売上は倍増した。
 しかし、1961年から62年にかけての
   コートールド
の買収提案の失敗により彼の評判は大きく傷ついた。

 ICIは1962年8月1日の軍事クーデターの結果、ビルマでの活動の国有化に直面した。
 1964年、ICIは1940年にコートールドと共同で設立した
   ブリティッシュ・ナイロン・スピナーズ(BNS)
を買収した。
 ICIはコートールドの株式37.5%を手放し、コートールドに5年間にわたり年間200万ポンドを支払った。
 これは「ナイロン分野でのコートールドの将来の開発費を考慮」するためだった。
 その見返りとして、コートールドはBNSの株式50%をICIに譲渡した。

 BNSはICIの既存のポリエステル事業であるICIファイバーズに吸収された。
 買収にはポンティプール、グロスター、ドンカスターのBNS生産工場とポンティプールの研究開発が含まれていた。

 ICI植物保護部門はケントのヤルディングに工場を、ジェロッツヒルに研究ステーションを、そしてファーンハースト研究ステーションに本部を置いており、初期の殺虫剤開発にはパラコート(1962年、除草剤)、 1967年のピリミホスメチル殺虫剤、1970年のピリミカルブ殺虫剤、 1974年のブロジファコウム(殺鼠剤)などが含まれていた。
 1970年代後半、ICIはラムダシハロトリンなどの合成ピレスロイド系殺虫剤の初期開発に携わった。

 ピーター・アレンは1968年から1971年まで会長に任命され
   ビエラ
の買収を統括した。
 彼の在任中、利益は減少した。
 また、ICIはノース・ヨークシャーのレッドカーとクリーブランドにボールビー鉱山を建設するため、100%子会社の
   クリーブランド・ポタッシュ社
を設立した。
 最初の立坑は1968年に掘削され、1976年からはフル生産となった。
 ICIは
と、その後デビアスと鉱山を共同所有し、2002年に完全な所有権が
   イスラエル・ケミカルズ社
に移管された。

 ジャック・キャラードは1971年から1975年まで会長に任命された。
 彼は1972年から1974年の間に会社の利益をほぼ倍増させ、ICIを英国最大の輸出業者にした。

 1971年、同社はアメリカの大手競合企業である
   アトラス・ケミカル・インダストリーズ社
を買収した。
 1977年、インペリアル・メタル・インダストリーズは独立した上場企業として売却された。
 1982年から1987年まで、同社はカリスマ的な
   ジョン・ハーベイ・ジョーンズ
によって率いられ、彼のリーダーシップの下、1985年にベアトリス化学部門を買収した。
 1986年には大手塗料会社の
   グリデン・コーティングス&レジン社
を買収した。

 1990年代初頭までに、競争の激化と社内の複雑さにより大幅な人員削減が行われた。
 技術革新が鈍化したことから、会社を分割する計画が実行された。

 1991年、ICIはBritAgとScottish Agricultural Industriesの農業および商品化事業を
   Norsk Hydro
に売却し、同社の2.8%を取得した
   Hanson
による敵対的買収を退けた。
 また、ソーダ灰製品部門を
   Brunner Mond
に売却し、会社設立以来続いていた
   Brunner, Mond & Co. Ltd.
から引き継いだ業界との提携を終了した。

 1992年、同社はナイロン事業を
   デュポン
に売却した。
 1993年、同社は製薬バイオサイエンス事業を分離し、医薬品、農薬、特殊製品、種子、生物学的製剤はすべて
   ゼネカ
と呼ばれる新しい独立した会社に移管された。
 ゼネカはその後アストラABと合併して
となった。

 チャールズ・ミラー・スミスは1994年にCEOに任命された。
 これはICIの外部から同社を率いる人物が任命された数少ない機会の1つであり、ミラー・スミスは以前
の取締役を務めていた。
 その後まもなく、同社は汎用化学品への歴史的依存から脱却するため、ユニリーバの旧事業をいくつか買収した。

 1995年、ICIはアメリカの塗料会社である
   デヴォー・ペイント
   フラー・オブライエン・ペイント
   グロウ・グループ
を買収した。
 1997年、ICIはユニリーバの特殊化学品事業である
   ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル
   クエスト・インターナショナル
   ユニケマ
   クロスフィールド
を80億ドルで買収した。
 このステップは、循環的なバルク化学品から脱却し、バリューチェーンを上って高成長、高利益率のビジネスに進出するという戦略の一環であった。
 同年後半にはスイスの塗料会社である
   ルッツ・アンド・フーバー
を買収した。
 これらの買収資金を調達するために約40億ポンドの負債を抱えた同社は、汎用化学品事業を売却した。
 当時のバルク化学品事業の売却っでは、1997年にオーストラリアの子会社
   ICIオーストラリア
を10億ポンドで売却した。
 同じく1997年にポリエステル化学品事業をデュポンに30億ドルで売却したことが含まれていた。
 
 1998年に同社は電子化学品事業を営む
   アチソン・インダストリーズ社
を買収した。
 2000年にICIは、ティーズサイドと世界各地(オランダのローゼンバーグ、南アフリカ、マレーシア、台湾の工場を含む)でのジイソシアネート、先端材料、特殊化学品事業、および二酸化チタン子会社のTioxideを
   ハンツマン・コーポレーション
に17億ポンドで売却した。
 また、工業用化学品事業の残りをイネオスに3億2500万ポンドで売却した。
 
 2002年にICIはボルビー鉱山の所有権を
   イスラエルケミカルズ社
に完全に譲渡した。
 2006年に同社は香料・香料事業のクエスト・インターナショナルを
   ジボダン社
に12億ポンドで売却した。
 油脂化学事業のユニケマを
   クローダ・インターナショナル社
に4億1000万ポンドで売却した。
同社は、歴史的に利益を上げてきた日用品事業の多くと、統合に失敗した新しい特殊事業の多くを売却した。
 主にデュラックス塗料事業で構成されていたが、すぐにアクゾノーベルによる買収の対象となった。

 オランダの企業アクゾノーベル(クラウン・バーガー塗料の所有者)は、2007年6月にICIに対して72億ポンド(106億6000万ユーロ、145億ドル)の入札を行った。
 潜在的な取引に関する懸念事項は、当時7億ポンド近くの赤字と90億ポンド以上の将来の負債を抱えていたICIの英国年金基金であった。
 デュラックスとクラウン・ペイントのブランドがそれぞれ大きな市場シェアを持つ英国およびその他の市場における規制問題も、ICIとアクゾノーベルの取締役会の懸念材料であった。
 英国では、売却なしのいかなる合併事業でも、アクゾノーベルは塗料市場で54パーセントの市場シェアを占めていたであろう。
 最初の入札はICIの取締役会と大多数の株主によって拒否された。
 しかし、2007年8月にICIは規制当局の承認を待って、80億ポンド(118.2億ユーロ)の入札を受け入れた。

 2008年1月2日、アクゾノーベルによるICI plcの買収完了が発表された。
 ICIの株主は、ICI株1株あたり6.70ポンドの現金またはアクゾノーベルの借用書を受け取った。
 この取引の結果、 ICIの接着剤事業はヘンケルに移管され、 アクゾノーベルは欧州競争委員会の懸念を払拭するため、子会社の
   クラウンペイント
を売却することに同意した。
 ICI UKの年金制度に関する懸念事項は、ICIとアクゾノーベルによって対処された。
   
 1984年12月21日、オークランドのマウントウェリントンにあるICIニュージーランド店で火災が発生し、ICIの従業員1名が死亡し、大きな健康被害が生じた。
 消火活動中、200名以上の消防士が有毒な煙と廃液にさらされた。
 この火災により、6名の消防士が健康上の理由で退職した。
 この事件はニュージーランド消防局史上大きな出来事となり、後の最高裁判所長官
   シアン・エリアス
が率いる正式な調査の対象となった。
 この火災は消防局の大幅な改革のきっかけとなり、直接的な影響としては、消防士の防護服の改善、大規模事故に対する標準安全手順、専任の消防現場安全担当者の導入、労働衛生規制の変更などが挙げられた。

    
posted by manekineco at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | よもやまばなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする