2025年03月15日

サクラ コロナ ウニタ(Sacra Corona Unita   SCU)南イタリアプーリア州出身のマフィア型犯罪組織でありブリンディジ、レッチェ、ターラント地域で活動している。

サクラ・コロナ・ウニタ(Sacra Corona Unita   SCU 
 イタリア語で「統一された神聖な王冠」、略称:SCU第4マフィアとしても知られる。
 南イタリアプーリア州出身のマフィア型犯罪組織でありブリンディジ、レッチェ、ターラント地域で活動している。
 
 メンバーシップ 約2,000 
 
 情報提供者の
   コジモ・カポディエチ
は、SCUが「コロナ」を使用したのは「王冠に似ているため、つまり、イエス・キリストと十字架の役割を果たすために教会で一般的に使用されるロザリオを意味するため...ユニタ」は「鎖の輪のように互いに接続する必要があったため」であると述べた。
 サクラ(神聖な)は、加盟時に新メンバーが「洗礼を受ける」ためである。
 
 サクラ・コロナ・ウニタは1970年代後半から1980年代前半にかけて結成された。
 1983年に刑務所で正式に設立されたことが、組織の創設者である
   ピノ・ロゴリ
の独房で捜査官によって発見された文書により明らかになった。
 サクラ・コロナ・ウニタは、ラファエレ・クトゥーロのヌオーヴァ・カモッラ・オルガニザータに結集したカンパニア州のファミリーなど、刑務所やプーリア州でより確立されたマフィア組織の圧倒的な権力に対抗するために設立された。

 ロゴリが指導者に上り詰めた経緯に関する一説によると、サクラ・コロナ・ウニタの基礎は1981年のクリスマスの夜にロゴリによって築かれたという。
 当時、ロゴリはメサニェーゼ出身の32歳のタイル職人で、1980年にジョヴィナッツォで銀行強盗と殺人を犯した罪でトラーニ刑務所に服役していた。
 獄中で、ロゴリは
   ンドランゲタ
の支持者と接触し、
   ベロッコ・ンドランゲタ
の創設者でカポバストーネの
   ウンベルト・ベロッコ
と提携した。
 マンドゥーリアの
   ヴィンチェンツォ・ストラニエリ
やコーザ・ノストラとつながりのある
   マリオ・パパリア
とともに、ロゴリは、構造と儀式がンドランゲタによく似た
   サクラ・コロナ・ウニタ
を設立し、新たに結成された組織の最高責任者として正式に認可された。
 しかし、1984年にイタリアの法執行機関がロゴリから押収した「Statuto della SCU」(サクラ・コロナ・ウニタの憲章)には、この組織が1983年5月1日に設立されたと記されている。

 ロゴリの指導の下、サクラ・コロナ・ウニタはプーリアの利益と機会をンドランゲタとカモッラの伝統と融合させた。
 「第4のマフィア」と呼ばれることが多いが、南プーリアの10から15の犯罪グループの緩やかな連合に過ぎず、その結束力、安定性、経済的・政治的力は常にンドランゲタやマフィアよりはるかに劣っていた。
 2000年代初頭にリーダーの一部が離反し、メンバーのほとんどが逮捕された。
 その後、サクラ・コロナ・ウニタはもはや単一の存続可能な組織としては存在していない。
 
 このグループはもともとこの地域の大きなワイン産業とオリーブオイル産業を食い物にしていた。
 しかし、タバコ密輸、武器密売、麻薬密売、人身売買、マネーロンダリング、恐喝、政治腐敗にも手を染めた。

 Eurispesが実施した調査によると、同組織の主な収入源は
 ・麻薬密売 年間8億7,800万ユーロ
 ・売春 年間7億7500万ユーロ
 ・武器密売 年間5億1600万ユーロ
 であった。
  
 SCU は 3 つのグループまたはレベルで構成されており、メンバーは、リティ バテシマリ(洗礼の儀式)を経て、あるレベルから次のレベルに「卒業」することができた。
 なお、宗教的な象徴性は、SCU とカモッラとのつながりから名残したものと思われる。

・ソシエタ・ミノーレ は 最も低いレベルで、路上で活動する下級犯罪者で構成されている。
 メンバーはピチョッティとしてスタートし、犯罪活動に適しており、警察と関係がないことを確認するために 40 日間のトライアルを受けた。
 その後、次のレベルの段階であるマノヴァランサ(労働者) に採用された。
 候補者は SCU への忠誠の誓いも立てなければならなかった。
 
・Società Maggioreは 2 つのポジションで構成される第 2 レベル。
 ロ・スガロ - この役職はSCUのために少なくとも3人を殺したメンバーにのみ与えられた。
 今後メンバーは死刑を科せられない限り離脱することはできない。
 メンバーはフィリアーレと呼ばれるピチョッティのチームを結成できる。
 ラ・サンタの役職に教化されると、メンバーには銃(SCUに失敗した際に象徴的に自分自身に使用する)、シアン化物錠剤、綿(神聖とされるモンブランを象徴)、レモン(仲間の傷を治療するため)、右手の人差し指を刺す針、ハンカチ(精神の純粋さを象徴)、スパルテンツァ(何らかの贈り物、通常はタバコ)が与えられる。
 
・Società Segreta
 重要な決定が行われる組織の最上位レベル、中核。
 
 サクラ・コロナ・ウニタは、約 2,000 人の構成員を擁する約 50 の氏族で構成されており、タバコ、麻薬、武器、人身の密輸を専門としている。
 サクラ・コロナ・ウニタは、イタリア南東海岸への上陸権と引き換えに、他の犯罪グループから賄賂を受け取っている。
 SCUは組織運営に階層構造を採用しており、上位になるほど責任と金銭が増える。
 このグループの支配者は主に男性である。近年、SCUは詐欺やハッキングで金銭を得ることでオンラインで人々を搾取する方法を見つけた。
 この金はその後、英国、スペイン、ドイツなどのヨーロッパ諸国においてロンダリングされる
 
 サクラ・コロナ・ウニタはアプリア地方を主な領土としているが、イタリアの他の地域、特にモデナ、マントヴァ、レッジョ・エミリアにも拠点があることが知られている。
 イタリア国外では、アルバニア、スペイン、ドイツ、アメリカ、イギリスにも拠点がある。
 この組織は、プーリア州とアルバニアが近いこととイタリア語が普及している。
 このことから、長い間アルバニアに存在していた。
 アルバニアは、アフガニスタンから密輸された大量のタバコや麻薬の到着地点となっている。
 また、スペインは、この組織の人身売買活動の物流拠点であると考えられている。
 SCUの逃亡者はバルセロナ南部の海辺のリゾート地で足止めされている。
 
 この組織はドイツ国内で統合された組織を持っていない。
 しかし、ロゴリ=ブッカレッラ=ドナティエッロ一族、パドヴァーノ一族、トルネーゼ一族、メサニェージ一族がドイツ国内に拠点おいて」存在していることが知られている。
 コカ一家の調査では、ドイツからブリンディジ州への大規模なコカイン密輸が記録されている。
 
 米国FBIは「米国内でサクラ・コロナ・ウニタのメンバーが特定されたのはごくわずかだが、イリノイ州、フロリダ州、ニューヨーク州の一部の人物は同組織とつながりがあると思われる」と述べている。
 英国では、サクラ・コロナ・ウニタがホテルや観光部門に汚い資金を投資していると考えられている。
 バルカン半島の状況が正常化するにつれてアドリア海回廊の密輸ルートとしての重要性が低下した。
 近年の一連の警察および司法による作戦が成功したことにより、サクラ・コロナ・ウニタの勢力は1990年代半ばにピークを迎えたかつての勢力のほんの一部にまで縮小した。
 SCUの創設者の一人であるジュゼッペ・ロゴリは、サクラ・コロナ・ウニタが設立される前から、プーリアのンドランゲタの傘下であった。
 クトゥーロの失脚後、SCUは、ロゴリがカポバストーンの
   ウンベルト・ベロッコ
に「 プーリアのンドランゲタ」設立の許可を求めた。
 このことから、この地域のンドランゲタの分派とみなされるようになった。
 これが今日のサクラ・コロナ・ウニタとなっている。

 2017年11月13日、3年間続いた
   ランプ作戦
は終了した。この作戦はサンタナ作戦から始まり、マッサフラ、スタッテ、パラジャーノ、ターラントのタンブリー地区で活動していたSCUとその代表とされる
   カタルド・カポロッソ
の10人の関係者を逮捕した。
 この一味は魚や地元のコカイン市場に参入していた。
 この犯罪組織の犯罪行為は、ンドランゲタのボスである
   ウンベルト・ベロッコ
によって常に支持されてきたともいわれ、ベロッコは21年の刑期の後にサクラ・コロナ・ウニタのメンバーである
   カタルド・カポロッソ
と面会し、持参金としてパドリーノを贈ったと見られている。

 2018年11月14日、グアルディア・ディ・フィナンツァの
   ガラッシア作戦
が終了した。
 この作戦では、ペッシェ=ベッロッコ・ンドリナの一員と目される
   アントニオ・ズングリ
やテガノ・ンドリナの一部、おそらくピロマリ・ンドリナの一員、カモッラ・コロナ・ウニタのカプリアーティ氏族とパリシ氏族が、オンライン賭博会社
   Planetwin365
   Betaland
   Enjoybet
   Planetwin
の商業ネットワークに違法に組み込まれた。
 プーリア氏族は、ブラジル、コロンビア、ナイジェリア、ルーマニア、ベトナム、パナマ、パラグアイ、アルゼンチン、ロシアに関心と見通しを持つ独自の海外ブックメーカーを設立した。
 この作戦では、10億ユーロを超える資産が押収され、イタリア全土で80回を超える捜索が行われた。
 
 プーリア州で最初の組織化された犯罪組織はSCUの前身である
   ヌオーヴァ・カモッラ・オルガニザータ
によって作られたが、プーリアの裏社会は地域が外部の組織に支配されることを嫌った。
 ラファエレ・クトゥーロの失脚に乗じて、地元の犯罪者はカモッラから距離を置き、ンドランゲタとの連携を深めていった。
 しかし、アントニオ・アックルソの記録によると、カモッラ家の
   ディ・ラウロ一族
は麻薬密売に関して問題となっているサクラ・コロナ・ウニタといくつかのつながりを持っているという。
  
 アプリアのマフィアは、イタリア語が広く使われている隣国アルバニアに長く根を下ろしてきた。
 アルバニアのマフィアはSCUと協力して、アルバニアをアフガニスタンからの大量の密輸タバコや麻薬の仕分けセンターにしてきた。
 また、その多くはモンテネグロ、クロアチア、アルバニアの海岸を通ってイタリアに入ってくる。
 1999年7月27日、ドゥラス(アルバニア)の警察はイタリアの協力を得て、サクラ・コロナ・ウニタのゴッドファーザーの1人を逮捕した。
 このアルバニアとのつながりは、サクラ・コロナ・ウニタとアルバニアのマフィアがアプリアで「パートナー」であり、いくつかの犯罪活動を委託していることを裏付けた。
 
 SCU の内部の困難は、次のような敵対的な犯罪グループの誕生を助長した。
 レモ・レッチェ・リベラ: レッチェ出身の有力な犯罪者によって結成された。
 ンドランゲタ以外のいかなる犯罪グループからも独立していると主張している。
 レモという用語は、外部からの干渉に反対したためにカンパニア地方の犯罪者によって殺害されたサレント地方の犯罪者
   レモ・モレロ
を指す。
 ヌオーヴァ・ファミリア・サレンティーナは1986年にレッチェ出身の
   デ・マテイス・パンタレオ
によって結成された。
 1980年代初頭にサレント地方の自治的な犯罪組織として誕生した。
 地域外のマフィアとは関係のないファミリア・サレンティーナ・リベラから派生したこの組織は、レッチェのSCUの一族と抗争を繰り広げた。
  
 2019年9月、イタリア警察は、カモッラの有力なジョンタ一族、ソシエタ・フォッジャーナ、モロッコの麻薬密売人の間で結ばれた国際麻薬密売同盟を解体した。
 捜査は2016年に、トレンティーノ=アルト・アディジェ州を拠点とするマグレブのギャング団に対して開始された。
 麻薬密売人の広大なネットワークは、モロッコから広がり、スペイン、スイス、オランダを経由して、最終的にトレンティーノとボルツァーノにたどり着いた。
 イタリアに到着した麻薬は、主にチュニジア人とモロッコ人の売人によって、公園、歴史的中心部、学校の近くで売られていた。
 19人が逮捕され、当時4人はイタリア、スペイン、オランダで指名手配中、73人が捜査中だった。
 1トン以上のハシシと2キロのコカインが押収された。

 2020年1月、フォッジャでマフィアに対する主要な裁判の重要証人を殺害する爆弾未遂事件が2件発生したが、負傷者はいなかった。
 攻撃後、反マフィア対策部隊が増強され、反マフィア団体リベラが主催した抗議デモで2万人がフォッジャを行進した。
    
    
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2つあるリスクに投資家の関心が集まっている

 CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー
   レベッカ・バビン氏
は、現在のところは
   ロシアとウクライナの停戦交渉
   マクロ経済面
のリスクに投資家の関心が集まっているとみる。
  
   
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調整局面入りは不安をあおるが、珍しいものではない

   マーク・ハケット氏
は株式市場について「調整局面入りは不安をあおるが、珍しいものではなく、過熱した市場の圧力解放弁として機能することが多い」と述べた。
 その上で「強気派が直面しなければならない調整や下落、市場の動揺局面はこれが最後ではなく、当然ながら警戒は必要だ」と続けた。
  
   
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トランプ氏が関税で再び威嚇した日に株式相場が上昇すれば、底値を付けたとの見方が強まる

 ヤルデニ・リサーチの創業者
   エド・ヤルデニ氏
は「大きく下げた後の一時的な反発だろうか」と指摘し、「トランプ氏による関税のコメントがない日は市場にとって良い日だ。トランプ氏が関税で再び威嚇した日に株式相場が上昇すれば、底値を付けたとの見方が強まるかもしれない」と述べた。  

   
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米株の反発が材料視されNY原油は上昇

 ニューヨーク原油先物相場は米株の反発が材料視され上昇した。
 また、ロシアとウクライナの
   和平協議に進展
が見られなかったことから、ロシア産原油が近く市場に戻るとの見方が後退したことも背景にある。
 なお、NY原油は、週間ベースでは8週ぶりの上昇となった。

 ロシアのプーチン大統領は、同国クルスク州のウクライナ兵の
   武器放棄
を求めたが、ウクライナ側はこの要請を拒否した。
 こうした状況を受け、停戦がいつ実現するのかとの疑問が広がった。

 この日は一時1.4%高まで上げを拡大する場面があった。
 トランプ政権が13日にイランのバクネジャド石油相らへの制裁を発表した。
 このほか、エネルギー関連の決済制限を通じて対ロシア制裁を強化したことも相場上昇の背景にある。

 制裁を巡る動きは、トランプ発言が垂れ流される中、実際に発動されるまでは全て言葉に過ぎないことから、最近は
   「ニュースに対する市場の反応が鈍くなっている」
との声も聞かれている。

 ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は
   1バレル=67.18ドル
と前日比+63セント(0.9%)高で終了した。
 ロンドンICEの北海ブレント5月限は1%上昇し70.58ドルで引けた。
  
   
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NY外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数が下落

 ニューヨーク外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル・スポット指数が下落した。
 世界的に株価が値上がりしたほか、米政府機関の閉鎖が回避できる見込みとなり、リスク選好が回復した。
 週間ベースでもドル指数は2週連続安となった。
 円は対ドルで下落し、一時は148円90銭近くまで売られた。
 世界的な株高で
   リスクオンの流れ
となり、円やスイス・フランなどの安全通貨が売られた。
 欧州のトレーダーは「実需筋と自動売買がドル・円のショートポジションを削減し、148円50銭を上回る水準まで円安方向に振れた」と指摘している。

   
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NY金相場は一時1オンス=3000ドルを突破

 NY時間、金スポット相場は4日ぶりに下落した。
 この日は史上初めて
   1オンス=3000ドル
を上回ったが、その後下げに転じた。
 中央銀行の買い、世界的な経済の脆弱性、トランプ米大統領の関税政策などが金価格を押し上げる要因となっている。
 金スポットは一時0.5%高の1オンス=3004.94ドルとなった。
 3000ドルへの上昇は、主要な予想の多くよりも速いペースで起こった。
 過去1年に価格が2000ドル、2500ドルという重要な心理的節目を次々と超える中で、アナリストらは予想を上方修正してきた。
 既に次の大きな節目を予想するアナリストもいる。

 ニューヨーク商品取引所の金先物4月限は
   1オンス=3001.10ドル
と前日比+9.80ドル(0.3%)高で引けた。
 
   
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米国金融市況で株式は反発、リスクオンで国債には売り優勢、ドル相場は148円台半ば

 米国株式相場は14日、株式投資家には一定の安心感をもたらし反発した。
 ただ、関税を巡るトランプ大統領の場当たり的な発言は世界の市場を揺らし、消費者心理にも影響していることが示されている。
 S&P500種株価指数は2.1%値上がり。上昇率は昨年の米大統領選後に大幅高を記録して以来の大きさとなった。
 ただ週間ベースでは4週連続で下落。これは昨年8月以来の長期連続安となる。
 朝方発表された
   3月の米ミシガン大学消費者マインド指数
は2022年11月以来の水準に沈んだものの、相場が崩れることはなかった。
 また、同データでは1年先のインフレ期待が22年以来の高水準、5−10年先のインフレ期待は32年ぶり高水準となった。
 この1週間は、めまぐるしく変化する
   トランプ大統領の関税に関する発言
に振り回される展開となった。
 さらに、リセッション(景気後退)への懸念、地政学情勢、米政府機関の閉鎖リスクといった多くの材料に市場は対応を迫られた。
 こうした中、究極の安全資産とされる
   金相場
は一時、1オンス=3000ドルを突破した。
 この日はハイテク大手が上昇を主導し、エヌビディアは5.3%、テスラは3.9%それぞれ値上がりした。
 ナスダック100指数は2.5%高、ダウ工業株30種平均は1.7%高でそれぞれ終えた。

 CFRAリサーチのデータによると、直近高値から10%余り下落したものの、その後に弱気相場入りを逃れたケースは過去に24回あり、最高値を更新するまでに平均で8カ月を要した。
 トランプ政権下で同様の流れになる仮定し、その通りの展開なら、2月19日につけた最高値の更新は10月中旬になる。
 これらのケースでは、高値からの下落率が平均で14%だったが、ただ、経済を取り巻く環境は環境は同じではない。
 
  
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トランプ関税が不安となり、金融市場が混乱。減税実現が急務だがインフレが加速しかねず別の時間軸を持ち出してトランプ氏は沈静化に躍起

 トランプ米大統領の関税政策が市場を混乱に陥れている中、同大統領の経済活性化策の柱である
   大規模な税制法案の可決
を急ぐべきだという圧力が強まっている。
 トランプ大統領のチームは、貿易と公共支出の抜本的な改革を進める中で、
   短期的な痛み
を警告し始め、米国民の支持を失う可能性が高まっている。
 減税措置は消費者の懐を潤し、打撃を和らげるのに役立つための動きだが、 理想なのは7月までに法案を可決できることだが、インフレ傾向が鎮静できないなど多くのハードルが待ち構えている。
 トランプ氏は任期1期目には、
   貿易戦争
を始める前に減税を実施したが今回はその逆の状況にある。
 金利上昇が住宅市場を圧迫し、インフレがなかなか収まらないなど、経済の背景はより不安定に見える。
 何よりも、カナダとメキシコに対する関税導入・延期が示すように、今回の関税はより厳しく、かつ予測が困難だ。
 これら全てが株式市場の低迷を招いており、
   景気後退のリスク
についての議論が巻き起こっているなか、減税は、2017年と同様に
   アニマルスピリット
を復活させる可能性があるが、民主党は富裕層が主に恩恵を受けると批判している。
 トランプ氏は減税法案に署名することが2026年の中間選挙で共和党が下院の支配を維持するのに役立つと期待している。 
 ただ、投資家や消費者が不安を募らせているため、早期の実現が必要だろう。
 
 トランプ氏に非公式に経済政策の助言を行っている
   スティーブ・ムーア氏
は、7月という目標よりもさらに早いスケジュールを希望しており、5月下旬のメモリアルデー(戦没者追悼記念日)までに法案に署名するよう呼び掛けた。
 関税の有効性に関するトランプ氏の見解に完全に同調しているわけではないムーア氏は、目標値を上回るインフレと住宅販売の低迷を潜在的な景気減速の兆候として指摘している。
 ムーア氏は「経済には刺激が必要だ。関税は刺激にはならないが、税制改革はなる」と語った。
 トランプ氏は9日、自身の
   通商政策が混乱を引き起こす可能性
があることを認めながらも、
   産業の復活
によって長期的には米国民の利益になると主張した。
 ただ、利益を受ける世代と混乱いともな痛みを受ける世代にはギャップがある現実を意識する必要があるだろう。
 
 FOXニュースとのインタビューで米経済がリセッション(景気後退)に陥ることを予想しているかと尋ねられたトランプ氏は「われわれがやっていることは非常に大きなことなので、過渡期がある」と答えた。
 関税は消費者物価を押し上げ、成長を鈍化させるとエコノミストは指摘している。
 ホワイトハウスの議論に詳しい関係者によると、これまでのところ経済データについて大統領執務室ではそれほど不安視されていない。
 それでも、貿易戦争は米企業を震撼させており、企業は規模の大小を問わず影響を受けている。
 
 
posted by manekineco at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする