2013年12月24日
衛星写真分析で核施設再稼働の準備の疑い(北朝鮮)
米国のジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の
米韓研究所(US-Korea Institute)
は24日、最新の衛星写真を分析した。
その結果、北朝鮮が寧辺(Yongbyon)にある
主要核関連施設
の全面再稼働に向けて、広範囲で大がかりな作業を進めている可能性があると発表した。
プルトニウムを生産するための原子炉で使う
燃料棒の製造
を行っているとみられている。
寧辺の核関連施設でなんらかの作業が行われていることが画像から判明したという。
米韓研究所のブログ「38 North」に掲載された調査員の
ニック・ハンセン氏
(Nick Hansen)
のコメントによると、画像からは、今年再稼働した5メガワットの原子炉用の「燃料製造工場とみられる」施設1か所が特定された。
ハンセン氏は新しい屋根のすすからは
熱を生じるプロセス
が実施されたことが分かると述べた。
たとえば、燃料棒を組み立てる最中の熱処理に必要とされる溶鉱炉の使用などだとすすは、燃料棒製造に使われるフッ化水素酸とみられている。一方、近くにある廃棄場とみられる施設には、大量の「灰色の物質」が確認された。これは燃料棒製造過程で生成される灰の疑いがあるという。
北朝鮮が現在保有する核関連物質は、プルトニウムを中心に
核爆弾約6〜10個
を製造できる量と推定されている。
金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の叔父で、国防委員会副委員長などを務めていた張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Thaek)氏の2週間前の処刑を受け、北朝鮮の不安定化、もしくは北朝鮮内の結束強化を目指した核実験などの軍事的挑発が行われるのではないかとの懸念が広がっている。