米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)は8日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士用の貨物を搭載した「ファルコン9(Falcon 9)」を打ち上げ、ロケットの第1段機体を洋上の台船に着陸させることに初めて成功した。
約3100キロの貨物を運ぶ補給カプセルを搭載したファルコン9は8日午後4時43分(日本時間9日午前5時43分)、米フロリダ(Florida)州ケープ・カナベラル(Cape Canaveral)から打ち上げられた。
米カリフォルニア(California)州にある同社のミッションコントロールセンターでは、ロケットの第1段機体が台船上に直立する生中継映像が映し出されると拍手喝采が起こった。
同社ではこれまで4回洋上着陸に失敗していた。
スペースXは短文投稿サイト「ツイッター(Twitter)」に、「ファルコン9の第1段機体は、当社の台船『オフ・コース・アイ・スティル・ラブ・ユー(Of Course I Still Love You)』にたった今着陸した」と投稿した。
インターネット企業家のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)が率いるスペースXは、より安価で持続可能な宇宙飛行の実現を目指し、再利用を目的としたロケット着陸の試みを続けている。
同社はこれまでに、ロケットの第1段機体を地上に着陸させることには成功していた。
スペースXは昨年6月28日にもファルコン9を打ち上げたが、この時は打ち上げのわずか2分後に爆発していた。
爆発の原因は液体燃料タンク内のヘリウムタンクを固定していた支柱の不具合だとされている。
同社はその後ファルコン9ロケットや作業手順を改良し、同様の事故を避ける努力を重ねていた。
ひとこと
ロケットを垂直に維持して着陸させることはかなり難しいだろう。
重力があり、気体などが存在する部分では風の影響を受け姿勢が変化することもある。
また、内部燃料が消費され、ロケットの重心が変わることもある。
着陸した時点で定位置で固定させ倒れることを防ぐ措置が取られたのか不明だが、探査等したこともない惑星では、平地を探すことも難しい。
垂直着陸させるためには、着陸地点を事前に整備しておく必要があり、地球外惑星で着陸することが出来るかどうか...
再利用型のロケットだが、発射時の圧力などで機体の金属疲労が当然生じるため、再利用の回数は限定的となるだろう。