イングランド銀行(英中央銀行 BOE)のベイリー総裁は11日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「金利水準については、ある意味で休止が可能になる地点に近づいている」と発言したうえ、「だが、この見解に一段と強い論拠を与えるエビデンスがまだ出てきていない。エビデンス主導であるべきだと自分が極めて明らかにしているのは、それが理由だ」と続けた。
インフレが弱まりさえすれば、今回の利上げ局面は終わりに近いとの認識を示した。
インフレが弱まりさえすれば、今回の利上げ局面は終わりに近いとの認識を示した。
ベイリー総裁へのインタビューは英中銀がこの日、12会合連続の利上げを発表した後で行われたもの。
総裁の発言は、インフレが同中銀の予測通り急激な低下を始めれば、6月22日の次回会合で利上げ停止に動く可能性があることを示唆するものだ。
総裁の発言は、インフレが同中銀の予測通り急激な低下を始めれば、6月22日の次回会合で利上げ停止に動く可能性があることを示唆するものだ。
英中銀は利上げ停止に近づいているのかとの問いに対しては、「そうであることを期待していると言っていいだろう。今回で12会合連続の利上げだ。ただ、入ってくるエビデンス次第であると、今一度明確にしておく」と述べた。
インタビューでの発言は、この日行われた記者会見での論調と微妙に異なるないようで、記者会見においてはベイリー氏は2桁台に上るインフレ率を目標の2%に戻す決意を表明し、「低く安定したインフレは健全な経済の土台だ。インフレ率が目標の2%に戻ることを確実にするために政策姿勢を堅持することが必要だ」と述べていた。
インタビューで同氏は、エビデンスとしてインフレの持続性に英中銀は注目していると説明した。
英国の最近のインフレの強さは、中銀が注視する「持続的な要因」ではなく、食品価格など「先行的な」価格圧力が主導していると主張しており、天候や消費者の心理的影響で購買力が揺らぐ場合の影響が大きい分野での価格変動に対する対応ともいえる。
英国の最近のインフレの強さは、中銀が注視する「持続的な要因」ではなく、食品価格など「先行的な」価格圧力が主導していると主張しており、天候や消費者の心理的影響で購買力が揺らぐ場合の影響が大きい分野での価格変動に対する対応ともいえる。
そのためか、サービス価格のインフレや賃金の伸びなどの、より持続的な要因は英中銀の予測した通りに推移しているとの見方を示した。
また、金利について英中銀が「あっちだとかこっちだとか、方向性を示す」ことはないとし、「エビデンスによって方向付けられる」と言明した。