2023年05月13日

米財務長官は議会との協議失敗なら一部「デフォルトやむを得ず」と?


 元サンフランシス地区連銀総裁であったイエレン米財務長官は、12日、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が行われている新潟市でブルームバーグテレビジョンとのインタビューで米国連邦議会が
   債務上限
を引き上げなければ、連邦政府は幾つかの支払いを不履行とせざるを得ないと主張した。
 
 ただ、そうした場合の対応策について、財務省はまだバイデン大統領に提示しいないと続けた。
 お粗末ともいうべき後手対応にも見えるが、意図的に危機感を議会に対して示し国民世論からの動きを求めるなど、議会の行動を促す手法で対応策を敢えて明らかにしていないようでもあり、これまでも実施されてきた金融当局の戦術的な動きにも感じられる。

 イエレン氏は「議会がこれをできない場合、米国の信用格付けに本当に傷が付くだろう。米国債であれ社会保障給付であれ、一部の支払いはデフォルトとなるほかない」と言い捨てたうえ「米国では1789年以来ないことで、そのような状況に今も陥るべきではない。従って、どうすべきか議論はしていない」と続けた。

 市場参加者の多くは債務上限引き上げに失敗する場合、米国債の金利と元本の支払いを財務省は優先するだろうと見込んでいる。

 この見方が正しいかを尋ねる質問に同氏は、「議会と債務上限引き上げに向けて全力で取り組んでいる。われわれが力を注いでいるのはそこだ」と述べ、「それが実現しなかった場合にどうするかは大統領と協議していない。その実現に注力している」と続けた。

 12日に予定されていたバイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長ら議会指導者の会談は来週に延期された。
 結論が出ておらず、実務者レベルの交渉が続いているためとみられる。

 これまで債務上限引き上げを巡り、バイデン政権と議会共和党の対立は数週間にわたり続いている。

 イエレン氏は「ここ数週間」は債務上限について銀行業界幹部らと話していないと明かし、今年1月に資金不足を回避するための特別会計を使った措置が早ければ6月にも尽きると議会に初めて説明した際には、銀行幹部らと協議したことを認めた。

 ただ、比較的最近ではさまざまな業界の幹部らと意見を交換しているとし、銀行幹部とは来週会談する予定だと明らかにした。

 「ウォール街の幹部と米財界人らは債務上限を巡る懸念について既に発言している。この問題によって影響を受ける人々の声を聞きたい」と語った。

 デフォルトすれば、「経済および金融にとって壊滅的だ」と警告を繰り返した。
 財務省の資金が枯渇する正確な時期はまだ明らかではないともなお、主張している。
 同長官は早ければ6月1日に資金が尽きると、議会に今月伝えていた。

  
ひとこと
 
 日銀の腰は重く、リスク発生時の回避の準備すらできていないようにも見える。
 デフォルトしなくとも価値は大きき既存する現実を認識すべきだが、経済理論通りに対応できていない黒田日銀総裁とおなじ轍を踏みかねないといった後継組織に対して懸念が膨らんでいる。


 
posted by manekineco at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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