2023年10月05日

ロシアの輸出禁止措置でディーゼル油輸出が今月はほぼゼロの見込み


 ロシア政府は、ウクライナ戦争を継続させるためガソリンとディーゼル油の国外販売を禁止した。
 戦闘車両等に利用が優先させてきた結果、国内消費に回る燃料が不足し、燃料価格が高騰していまったため、これを抑えるため来月に同国西部の主要港から輸出するディーゼル油をほぼゼロとする計画を明らかにした。

 ロシアの供給がなくなることで、いつになく需給が引き締まっている世界のディーゼル油市場はいっそうひっ迫する見通しとなっている。
 もともと、ロシアは世界最大級のディーゼル油輸出国で、ウクライナ戦争における戦闘車両への供給を最優先としてきた結果、国内向けのディーゼル油が不足し、その穴埋めに輸出分を使う必要が出てきたことから外貨を稼ぐツールまで手を付けた格好だ。

 この一報を受けて欧州のディーゼル油価格は急騰し、先物は一時1トン=1012.75ドルと、28日終値と比べ17ドル上昇した。
 また、原油に対する上乗せ価格も拡大している。

 ロシア政府の10月の輸出計画によれば、黒海およびバルト海のロシアの港から予定されるディーゼル油の積み出しは約22万3000トンという。
 ただ、これにはベラルーシから積み込まれる21万トンと、一部の旧ソ連諸国から成るユーラシア経済同盟(EAEU)の顧客向けに輸出される1万2800トンが含まれており、他国への提供分はより少なくなるという勘定になる。
 EAEUはディーゼル油の輸出禁止対象から除外されているためだ。


ひとこと
 
 ロシア国内向けと言っても、ウクライナ戦争に協力的な軍需産業への武器弾薬類の製造分野への提供や輸送用や戦闘車両への提供などが活発化するため、内需分野への提供は限られるため、ロシアの生活環境の改善は限定的で不満も更に蓄積するだろう。

    

posted by manekineco at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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