2023年10月11日

中国政府が財政赤字の上限突破を容認する新たな刺激策を検討


 中国は2023年の財政赤字拡大を容認することを検討しており、経済成長率目標を達成するため新たな景気刺激策の準備を政府が進めている。

 この事情に詳しい関係者が非公開情報だとして匿名を条件にメディアの取材で明らかにした。

 中国の政策当局は水利事業などインフラ整備に向け少なくとも国債1兆元(約20兆4200億円)を追加発行する可能性について話し合っている。語った。

 関係者の1人によると、国債増発の結果、今年の財政赤字は3月に設定された国内総生産(GDP)比3%の上限を大幅に上回る公算が大きい。こうした方針は早ければ月内にも発表される可能性があるが、協議がまだ続いており、政府の計画は変更され得ると別の関係者が説明した。

 追加の刺激策を巡る議論は、最高指導部の間に国内の景気動向についてや米経済との比較を巡り懸念が広がっていることを裏付けている。

 不動産危機の深刻化やデフレ圧力の高まりにより、5%前後という今年の成長率目標の達成が危ぶまれている。
 中国政府は財政出動を伴うより広範な刺激策をこれまで避けてきたため、実際に大型の刺激策が打ち出されれば、政府がスタンスを変えたことを意味する。

 これまで中国は財政リスクを管理するため、特別国債や地方政府の資金調達事業体による借入金を除いた財政赤字をGDPの3%相当を下回る水準に抑えようとしてきた。

 だが、経済成長鈍化の中で財政面での制約が大きくなるにつれ、政府系のシンクタンクやグローバル企業のエコノミストらからの財政赤字の上限緩和を求める声がここ数年強まっている。

 関係者によれば、財政省と国家発展改革委員会(発改委)が主導するこの計画は、国務院と全国人民代表大会(全人代、国会に相当)による最終的な承認が必要となる。
   


posted by manekineco at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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