イスラエルのガラント国防相は20日、テルアビブの議会外務・防衛委員会で、イスラエルはガザから手を引き、同地区に「新たな安全保障体制」を構築することを目指すと述べ、軍事作戦終了後にガザ地区を統治する意向はないと示唆し、同地区を巡る計画についてこれまでよりも詳しく語った。
ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスを壊滅させるという目標をイスラエルが果たす場合に、誰がガザを統治するとイスラエルは見込んでいるのか、ガラント氏の発言からは明らかとなってはいない。
イスラエルは7日にハマスの奇襲攻撃を受けた後、ガザに大規模な無差別空爆を実施しており、地上侵攻も行うことが見込まれている。
ガラント氏は、軍事作戦の目的はハマスの軍事力と統治能力を破壊し、ガザ地区に対するイスラエルの責任を完全に取り除くことなどだと主張した。
ガザ地区の殲滅作戦について、「3つの段階があるだろう」と同氏は指摘し、「現在は第1の、軍事行動を実施する段階だ。テロリストを制圧し、ハマスのインフラを破壊することを目指した空爆や、その後の作戦などが含まれる」と説明した。
第2段階では前段階ほど激しくはない「レジスタンスの残党」を掃討する作戦に移行するとし、最終段階で「ガザ地区の生活に対するイスラエルの責任を取り除くことが必要」になると続けた。
ひとこと
戦術・戦略上の要諦を徹底するため、ガザ地区を占領したイスラエル軍が撤退する場合、敵方に利用価値のあるものを残さない 焦土作戦を行い、民間人の家屋や田畑のほか、町そのものや自然の山林まで焼き払い生存させないとするのが「イスラエルの責任」を取り除くことと同義というものになるだろう。
第2次世界大戦時の米軍が実施した日本都市部への焼夷弾を使った無差別攻撃と同じで、より徹底的に実施される可能性が高そうだ。
また、「軍事作戦終了後にガザから手を引く計画」とは何も復興には金を使わない意志の表明ともいえるもので敗戦後の日本の復興と同じだ。