2023年10月25日

中国大手不動産 碧桂園のドル建て債が初のデフォルトしたことを受託機関が通告


 中国有数の不動産開発業者
   碧桂園
のドル建て債について、初のデフォルト(債務不履行)に該当すると受託機関の
   シティコープ・インターナショナル
が、碧桂園が先週終了した猶予期間内にドル建て債の利払いを履行できなかったことが「デフォルト事由」に該当すると債権者側に通告した。

 世界2位の中国経済を動揺させた不動産セクターの債務危機が広がりを見せる中で、ドル建て債のデフォルトは、碧桂園が資金繰りに行き詰まり
   ディストレス状態に転落
したことを浮き彫りにする。
 同社は中国で過去最大規模の債務再編に向かう可能性が高い。

 碧桂園は9月17日が当初の期限だった1540万ドル(約23億円)の利払いを30日間の猶予期間内に履行しなかった。

 発行済み元本総額の25%以上の債券保有者が要求する場合、受託機関は猶予されていた元本と金利の支払いを請求しなければならない。
 しかし、ない袖が振れない中国不動産会社である債権者がそのような要求を行った兆候はまだない。


 碧桂園は最近、資本構造を見直すためにアドバイザーを起用するなど、より広範な債務再編の前段階としてよくある動きをしていた。
 
 同社のドル建て債は額面1ドル当たり5セント前後の価格が提示されており、投資家が回収できると期待する金額がいかに少ないかをうかがわせる。
 同社の株価は年初来で約74%下げた。

 シティの通知はクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の買い手にとって重要な意味を持つ可能性がある。
 
 CDS市場を監督するクレジットデリバティブ決定委員会(CDDC)は、碧桂園のドル建て債利払いの不履行がCDS発動の事由に該当するか判断を求められていた。

 CDDCは、ロンドン時間25日正午(日本時間午後8時)に信用事由に相当するかを協議をするという情報も流れている。

 なお、中国不動産業大手だった碧桂園は2023年に入り業界7位に転落するまでの数年間、販売契約ベースで国内最大の不動産開発業者だった。

 順位は後退したが同社は最近になっても小規模都市で3000件以上の住宅プロジェクトを手掛け、約7万人の従業員を抱えていた。

 こうした未完成のプロジェクトの多さから、碧桂園を巡る混乱は、同業の中国恒大集団が21年に起こした債務問題よりも深刻な影響をもたらす恐れがある。
 

  
posted by manekineco at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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