2024年03月09日

ロバート・タッパン・モリス(Robert Tappan Morris)  モリスワームの設計者

ロバート・タッパン・モリス(Robert Tappan Morris)
   1965年11月8日 ー
 米国のの計算機科学者であり、実業家。

 ベル研究所の計算機科学者で、MulticsとUNIXの設計に携わり、後に国家安全保障局(NSA)の一部門である国家コンピュータセキュリティセンターの主任科学者となった暗号学者
   ロバート・H・モリス
とアン・ファーロウ・モリスの間に生まれた。

 ニュージャージー州ロングヒル・タウンシップのミリントン地区で育ち、1983年にデルバートン・スクールを卒業した。
 その後、ハーバード大学に通い、その後コーネル大学大学院に進学した。

 コーネル大学在学の最初の年にインターネット初の(独立したプログラムで、自身を複製して他のシステムに拡散する性質を持ったマルウェア)コンピュータワーム
   モリスワーム
を設計し、このワームをコーネル大学の大学院生だった1988年11月2日、自身が所属するコーネル大学ではなく、マサチューセッツ工科大学(MIT)からリリースしたことで当時まだ発展途上だったインターネット上の多くのコンピュータを混乱させた。

 この行為が原因で、1年後に1986年に制定された
   コンピュータ詐欺と濫用に関する法律 (CFAA)
に基づいて起訴され、有罪判決を受けた最初の人物となった。

 裁判では、このワームによる「潜在的な生産性の損失」と、様々なシステムからワームを除去するためにかかるコストは、200ドルから53,000ドルと見積もられた。
 その後、1994年に刑期を終え、ハーバード大学に戻り、孔祥重の指導の下で1999年にPh.D.を取得した。

 モリスはその後、1995年に ポール・グレアとネットショップ構築用のソフトウェアを作るスタートアップ企業
   Viaweb
を共同設立し、ポール・グレアムと共にベンチャーキャピタルの資金調達会社Yコンビネータを設立した。


 1998年に Viawebを4900万ドルでYahoo!に株式交換で売却、Yahoo! Storeに改称される。
 
 1999年にハーバード大学でPh.D.(博士号)を取得した。
 1999年 にマサチューセッツ工科大学(MIT)の准教授に就任した。
 
 2005年にポール・グレアらとベンチャーキャピタルの資金調達会社
   Yコンビネータ
を設立した。

 2006年にテニュアを授与され、2008年 にはポール・グレアムとともにLISP方言のarcを開発した。
 2019年には全米技術アカデミー会員に選出された。
  
 モリスの主な研究テーマはコンピュータネットワークアーキテクチャで、Chordなどの分散ハッシュテーブルやRoofnetなどの無線メッシュネットワークの研究を行っている。

   
posted by manekineco at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | バイオグラフィー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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