2024年01月24日

馬 雲(ば うん Jack Ma、ジャック・マー) アリババグループやアントグループの創業者

馬 雲(ば うん Jack Ma、ジャック・マー)
   1964年9月10日生まれ
 中国の起業家で現在は、東京大学客員教授。
 アリババグループやアントグループの創業者・元CEO・元董事長(会長)
 ソフトバンクグループ元取締役でもある。

 浙江省杭州市出身で中国本土の起業家で初めて『フォーブス』に名前が掲載された。
 小さい頃から英語を学ぼうと、朝早くから自転車で近くのホテルに行って外国人と話したという逸話がある。
 9年間このような生活が続いた後、互いに文通をしあう外国人の友達と出会い、彼女からJackと呼ばれるようになった。

 中学・高校と進学校ではなく、また本人も優秀な成績ではなかったため、
全国普通高等学校招生入学考試(高考)を2度受験したが、数学の成績は1度目が1点、2度目が31点だった。
 このため、大学進学を諦め三輪自動車の運転手となった。

 馬 雲が劣等生・落第生だったことで対照的に優等生(高考状元)「成績第1位の首席合格者」だった百度創業者
   李彦宏
と比較されることが多い。

 その後『人生』(著者:路遥)という本に出会い再度、大学進学を志した。
 1988年、杭州師範学院(現杭州師範大学)英語科を卒業し、同年より1995年まで杭州電子工業大学(現杭州電子科技大学)で講師として英語と国際経済貿易を教えた。
 
 1995年、米国で出会ったインターネットをヒントに、中国初のビジネス情報発信サイト
   「中国イエローページ」
を開設した。

 1998年から1999年にかけて政府機関の中国対外経済貿易合作部(中華人民共和国商務部の前身)の下部組織である
   中国国際電子商務中心
に所属し、同部公式サイトおよび同国インターネット商品取引市場を開発した。
 1999年に同商務中心を辞職し、杭州に研究開発センターを設立した。

 9月に香港を本部とするアリババネットを創業した。
 同社はeコマース、特にB2Bを開拓し、その後、アリババは世界最大のB2Bサイトの一つとなった。

 2003年、オンラインモール
   淘宝網
を開設した。
 2005年8月にアリババが中国ヤフーを買収し、馬は会長に就任した。
 2006年には香港の大富豪
   李嘉誠
が設立した長江商学院CEOプログラムを受講している。

 2007年にソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)取締役に就任した。
 ソフトバンクの孫正義とは親交が深く、アリババはソフトバンクにとって最も成功した投資案件とされた。
 また、互いにソフトバンクとアリババの取締役を兼任した。

 2016年にはビル・ゲイツらとともにブレイクスルー・エネルギー・コアリションの設立に加わった。
 この時期、馬は一部の政府高官と親しくなり、また馬の成功は中国が世界に誇るべきものであったため、公安当局もある程度は「馬の自由な発言」を容認していたとされる。

 2016年から2018年にかけて、インドの
   ムケシュ・アンバニ
に超されるまではアジアで1番の富豪であった。
 
 2017年にはニューヨークにあるトランプタワーを訪れ、ソフトバンクの
   孫正義
に続いて海外のIT企業経営者としては2人目のドナルド・トランプ次期アメリカ合衆国大統領の会談相手となった。
 その場で馬は5年間で米国国民100万人の雇用を創出すると約束した。

 馬はトランプの側近
   ジャレッド・クシュナー
と親しかったことから実現し、孫の会談の際も仲介を行ったとされる。

 しかし、大統領選挙期間中に中国に対して
   雇用喪失の責任
を負わせる発言を繰り返していたトランプと中国政府の事前承認なしに面会したため、中国政府との軋轢が生じた。

 2018年9月10日、アリババ会長の職を翌2019年に退き
   張勇(ダニエル・チャン)CEO
を後継に据えると表明した。

 その予告どおりに55歳の誕生日である2019年9月10日にアリババグループの会長職を退任した。
 また、2020年9月30日にはアリババグループの取締役も退任した。

 トランプとの独自会談で中国習近平政府の不興を買った後も、馬は自ら非公式外交と位置づけて、2018年から2020年にかけて国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長、ヨルダンのラーニア王妃、マレーシアのマハティール・ビン・モハマド首相などと会談を実施した。

 また、杭州市の本部にあるアリババ博物館にて海外からの訪問客を接待した。
 2018年には中国共産党に入党していることが人民日報で報じられた。

 2020年10月24日、上海で開かれた金融機関の幹部や金融監督当局や政府の要人が出席した会合で馬は
   中国政府批判
のスピーチを繰り広げた。

 中国政府による国内の
   金融規制が技術革新の足かせ
となっており、経済成長のためには改革が必要だと指摘した。

 このほか、中国の銀行は質屋程度の感覚で営業しているとまで発言している。

 事前にスピーチの内容を把握した関係者からは穏当な内容に変更するよう進言したが自己陶酔した馬は聞き入れず、批判を浴びせられた政府当局高官は面子を潰された。
 従前の江沢民ら上海閥の影響による優遇措置にあぐらをかいて中国で成功した馬 雲だが、公安部門等の怒りを買い、アリババグループの規制へと突き進んだ。

 その結果、11月5日に上海と香港で予定されていたアリババグループ傘下の
   アントグループ
の新規上場が2日前の11月3日に突如延期された。
 この新規株式公開(IPO)が実施されていれば
   370億ドル(約3兆8300億円)
を調達できるはずであったが、政府による締め付けはその後も様々な民間セクターに及んだ。
 その後、馬は表舞台から姿を消し、所在不明となった。

 アントグループの上場中止から数週間以内に習近平中国共産党総書記に対する面会を申し出たものの実現せず、2021年には習近平に対し、残りの人生を農村部の教育に捧げる旨を書簡で直接伝えた。
 しかし、これを習近平が了承したかどうかは不明だ。 

 2022年5月3日には馬が国家分裂や政権転覆を扇動した容疑で当局より捜査されているとの報道が駆け巡った。
 この情報で香港市場でのアリババ株価が一時9.4%下落したが、程なくして別人であったことが判明した。

 2023年1月7日、アントグループは株式保有調整を実施し、馬が所有する過半数の議決権の大部分を手放すことで合意したことを明らかにした。

 2022年末より中国政府当局が馬に対し帰国を要請した。
 2023年3月下旬に約1年ぶりに中国に帰国し、3月27日には生まれ故郷である浙江省杭州市に設立した杭州雲谷学校を訪れた。

 胡錦濤元総書記と同じく共青団の出身として知られる
   李強国務院総理
が馬の仕事仲間などを通じて帰国を働きかけたとされている。

 2023年5月1日には東京大学が大学の研究組織「東京カレッジ」の客員教授として招聘したことを発表した。

    
posted by manekineco at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | バイオグラフィー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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