HSBCホールディングス(HSBC Holdings plc)
ロンドンのカナリー・ワーフに本社を置き、商業銀行を主体とする世界最大級のメガバンクのひとつ。
1865年に香港で創設された
香港上海銀行
を母体としており、香港返還1991年に設立された。
1997年7月1日に香港の主権を中華人民共和国に返還し、香港は中華人民共和国の特別行政区となるための対応ともいえる。
香港上海銀行時代から引続き東洋におけるカストディサービス(受託信託銀行)を担っている。
2016年現在、束の間だけマネー・マーケット・ファンドへ投資できるという商品
キャッシュ・マネジメント
はHSBCの最も人気があるもの。
HSBCのイギリス部門が収益源に占める比率は20%であり、最大の収益源は22%の香港部門という。
HSBCの事業部門は、商業銀行・投資銀行・リテール銀行・グローバルプライベートバンキングの4つがある。
香港上海銀行については中国・浙江省寧波生まれで香港を拠点に活動した実業家で
ワールドワイドシッピング
創業者
包玉剛
を義父にもつ
ヘルムート・ゾーメン
が、1984年から1996年まで香港上海銀行の役員を、1996年から2005年まで会長代理を、1990年から2007年まで親会社のHSBCホールディングスの役員を務めていた。
包は改革開放を積極化させていたケ小平に厚遇されていたという。
1991年に HSBCの株式をロンドン証券取引所、香港証券取引所へ上場した。
イギリスのミッドランド銀行を1992年 に買収した。
同行はサミュエル・モンタギューを創業者とする
サミュエル・モンタギュー・アンド・カンパニー
(Samuel Montagu & Co. )
を子会社にしていた。
1997年のアルゼンチンのバンコ・ロベルツ、ブラジルのバンコ・バメリンダスを買収するなど、2008年までに、米国のリパブリック銀行(1999年)、ネスレに利権をもつフランス商業信用銀行を買収(2000年)、トルコのデミル銀行(2001年)、メキシコのビタル・フィナンシャル・グループ(2002年、米国のハウスホールド・インターナショナルを買収(2003年)、バミューダ銀行、イギリスのマークス・アンド・スペンサー(2004年)、米国のメトリス(2005年)、パナマのバニスモ・グループ(2006年)を買収し傘下に収めるとともに、株式購入や部門の買収も行われた。
なお、2003年頃から本社をカナリー・ワーフのHSBCタワーへ移転して以後、ハウスホールドの証券化ビジネスを活かそうとHSBCはサブプライムローン関連ビジネスに傾倒していった。
ハウスホールドのサブプライム関連資産が不良化していたため、親会社HSBCは2006年度決算で
100億ドル規模の巨額償却
の直撃を受け、1兆円以上に相当する損失引当金を北米子会社のために用意した。
そのため、2007年上期の業績は業界の予想を上回る前年度比約25%の増益となり、自らの上期過去最高益を更新した。
全世界の店舗数は2006年末で1万店舗を超えており、時価総額では上位のシティグループの約5千店舗の2倍近くの拠点数を持っていた。
2013年7月までFBIのジェームズ・コミーが役員を務めた。
2015年1月には オーストラリア・コモンウェルス銀行のフィジー支店を継承する
2015年1月には オーストラリア・コモンウェルス銀行のフィジー支店を継承する
バンク・サウス・パシフィック
がウェスト・パックの事業をクック諸島込みで買収した。
2月時点、貴金属取引における
価格カルテルの疑い
で捜査されていた。
また、同月、資金洗浄の疑いでスイスのプライベートバンクが捜査が始まった。
6月、リストラの一環として、最大5万人の人員を削減する方針を明らかにした。
同月、中華人民共和国の
「製造業およびサービス業景況指数(PMI)」
について、HSBCがスポンサーから撤退。
この6月以降、他のメガバンクと共に外国為替スキャンダルをめぐる民事訴訟を提起された。
12月、HSBCは
ロスチャイルド
をプライベート・バンキング改革の責任者に登用した。
2016年7月 に HSBCの外国為替取引部門の幹部二人が、顧客の異例な
大口注文の情報を悪用
し、顧客を犠牲にする先回り取引で数百万ポンドの利益を得た疑いで逮捕された。
この事件の焦点は2011年に
ケアン・エナジー
が出した35億ドル相当の英ポンド買い注文で、逮捕された二人はケアンに対して
自己勘定取引
の利益が最大になるような取引設定を促していたことが明らかになった。
9月12日の米議会では、ジェームズ・コミーに対する追及と関連し、HSBCが
クリントン財団
を介しドイツ銀行と提携し、ニューヨーク市にある低・中所得者中心の住宅1500から2500棟に
スマートメーター
を設置したという言及がなされた。
11月、バラク・オバマに牽制されジェームズ・コミーがヒラリー・クリントンの刑事捜査を公式に打ち切った。
2022年12月14日に 新たな油田・ガス田に対する新規の融資や資本市場を通じたファイナンスを中止すると表明した。
2022年12月14日に 新たな油田・ガス田に対する新規の融資や資本市場を通じたファイナンスを中止すると表明した。
2023年3月13日 には同月10日に経営破綻した
アメリカ・シリコンバレー銀行
のイギリス法人を救済買収することを発表した。