2024年02月05日

ベインキャピタル(Bain Capital LLC) 独立系プライベート・エクイティ・ファンド

ベインキャピタル(Bain Capital LLC)
 米国・マサチューセッツ州ボストンに本社を置く、独立系プライベート・エクイティ・ファンドのこと。
 ベイン・アンド・カンパニーのパートナー
   ミット・ロムニー
   T・コールマン・アンドリュース三世
   エリック・クリス
によって1984年に設立された。

 ベイン・アンド・カンパニーの経営者
   ビル・ベイン
がロムニーに対し、企業に投資し、ベインのコンサルティング技術を業務改善に適用する新しい事業を率いる機会を提供した後のことである。
 3人の創設パートナーに加えて、初期のチームには
   フレイザー・ブロック
   ロバート・F・ホワイト
   ジョシュア・ベッケンシュタイン
   アダム・カーシュ
   ジェフリー・S・レーナート
が含まれていた。

 ロムニーは当初、社長およびマネージングゼネラルパートナーまたはマネージングパートナーの肩書を持っていた。
 ロムニーは後に常務取締役または CEOとも呼ばれるようになった。
 ロムニーは同社の唯一の株主でもあった。
 ただし、ベイン・アンド・カンパニーとの法的関係・資本関係は存在しない。

 設立当時、同社の従業員は 10 名未満であり、潜在的な投資家からの懐疑的な見方に直面して、ロムニーと彼のパートナーは1年を費やして、新しい事業を開始するために必要な3,700万ドルの資金を集めた

 ベインのパートナーは自己資金から 1,200 万ドルを投入し、残りは富裕層から調達した。

 初期の投資家にはボストンの不動産王
   モーティマー・ザッカーマン
やニューイングランド・ペイトリオッツ・フットボールチームのオーナー
   ロバート・クラフト
が含まれていた。

 また、首都が内戦から逃れてきたリカルド・ポマのようなエルサルバドルのエリート家族も含まれていた。
 彼らと他の裕福なラテンアメリカ人は、主にパナマに登録されているオフショア会社を通じて900万ドルを投資した。

 ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事・前米国大統領共和党候補(2008年・2012年)はこのときの創業者の一人。
 全世界で約12兆円の資金を運用しており、これまでに1,030社の企業買収・投資を実行した。
 2006年に日本オフィスを開設、2023年現在50名以上の投資専門家が所属している。
 日本で活動するPEファンドでは最大規模で、2023年には大阪オフィスを開設した。

 
日本における主な投資先
 2007年1月20日 にはサンテレホン株式会社(現在は日東工業の完全子会社)を日本産業パートナーズとベインキャピタル・ジャパンが50%ずつ出資するJIP-Iによる株式公開買付を実施した。
 2008年6月20日 にはディーアンドエムホールディングスの公開買付を発表した。
 日本コロムビアAV機器部門(DENON(デノン))+日本マランツ(フィリップスAV機器部門(マランツ)の日本法人)
 
 2009年11月13日にはベルシステム24を約1000億円で買収することで調整していることが明らかにした。
 2010年1月25日 にはドミノ・ピザ ジャパンを運営する
   ヒガ・インダストリーズ(ヒガ・アーネスト・マツオ社長)
の買収(買収金額は60億円)を発表した。
 2013年8月にはオーストラリアやヨーロッパでドミノピザを展開する「ドミノ・ピザ・エンタープライズ(DPE)に75%の株式を売却した。
2011年10月21日 にはすかいらーくを野村ホールディングスの子会社などから全株式を、約1600億円で買収することを発表した。
 2014年10月には株式上場した。
 
 2012年6月22日 にはジュピターショップチャンネルの株式50%を住友商事株式会社より取得する株式売買契約の調印を発表した。
 2013年12月11日にはマクロミルの買収発表。株式公開買付を実施、買い付け総額は約513億円。
 2015年2月13日には大江戸温泉物語を運営する大江戸温泉ホールディングスを約500億円での買収を発表した。
 2015年2月23日には雪国まいたけの買収発表。株式公開買付を実施、買い付け総額は最大で約95億円。
 2015年3月23日には日本風力開発の買収発表。株式公開買付を実施し、買い付け総額は最大約97億円。
 日本風力開発社長の塚脇正幸氏とベインキャピタルが設立した会社によるTOB実施した。
 
 2017年9月20日 にはキオクシア(旧東芝メモリ)の全株式について約2兆円で、ベイン・キャピタルが主導する企業連合により組成される買収目的会社への売却決議を東芝が発表した。
 2017年10月2日 にはアサツー ディ・ケイ(現ADKホールディングス)の買収を発表した。
 株式公開買付実施、買い付け総額は最大で約1517億円。
 2019年8月1日にはワークスアプリケーションズの人事システムなどヒューマンリソース事業を新設会社分割し買収した。
 新設会社名は、ワークスヒューマンインテリジェンス。買収金額は非公開だが約1000億円とみられている。
 2020年1月23日には昭和飛行機工業の株式65.5%を三井E&Sホールディングスより約455億円で取得することを発表した。
 その後株式公開買付実施で完全子会社化した。
 2020年7月31日 にはニチイ学館の買収を発表した。株式公開買付実施し、取得総額は約1100億円。
 キリン堂ホールディングス
 イグニス
 hey
 エニトグループ(マッチングアプリ運営)
 株式会社リンクウェル - 医療系IT。2021年11月、出資した。
 株式会社プロテリアル(旧日立金属) - 2022年、ファンド連合で買収した。
 日本セーフティー
 エンバーポイント
 エビデント - オリンパスの科学事業。2023年4月買収した。
 ストリートホールディングス - 2022年6月
 ネットマーケティング社(現株式会社All Ads) - 2022年8月、上場していた当社を135億円で買収、株式非公開化を行った。
 マッシュグループ - 2022年12月、株式を2000億円分買い取る形で買収した。
 インパクトホールディングス - 2023年1月、MBO。
 IDAJ - 2023年5月、200億円で買収した。
 システム情報 - 2023年9月、MBO。
海外の出資先
 バスキン・ロビンス(サーティワン・アイスクリーム)
 ワーナー・ミュージック・グループ(ワーナー・ブラザース・レコード+エレクトラ・レコード+アトランティック・レコード)
 AMCシアターズ(映画館チェーン。JPモルガン系の投資ファンド、カーライル・グループ、アポロ・マネジメント等との共同買収)
トイザらス
 NXPセミコンダクターズ(もともとはフィリップスの半導体部門の一部。コールバーグ・クラビス・ロバーツ、エイパックス・パートナーズ、シ  ルバーレイク・パートナーズと共に買収)
 ヴァージン・オーストラリア
  
    
posted by manekineco at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | よもやまばなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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