2024年04月23日

米国議会下院 ウクライナ支援法案を可決、イスラエルと台湾も援助

 米国議会下院は20日、ウクライナに610億ドル(約9兆4300億円)相当の支援を新たに行う法案を可決した。
 ロシアの侵略に抵抗するウクライナの兵器備蓄が縮小する中で、6カ月に及んだ政治的な行き詰まりがようやく打開された。

 共和党のジョンソン下院議長は、民主党議員と協力し、共和党内からのウクライナへの資金援助に対する強い反対を押し切り、最終的に311対112の超党派の賛成多数で法案を可決した。

 同議長は採決後に 「われわれはここで仕事をした。歴史がわれわれを評価するだろう」と語った。

 上院は同法案を可決する予定だ。
 民主党のシューマー上院院内総務は声明で、民主、共和両党は23日に手続き上の投票から始めることで合意したと明らかにした。

 今回の採決は、共和党の国防強硬派がトランプ前大統領を支持する孤立主義派に勝利したことを意味するが、それでも、ウクライナへの追加援助に反対票を投じた共和党議員は賛成した議員よりも上回った。

 ウクライナのゼレンスキー大統領はX(旧ツイッター)への投稿で謝意を表明した。
 ただ、ロシアの大統領報道官は追加支援を非難した。

 下院では20日、中国の台湾侵略阻止を目的とした80億ドルの支援パッケージも可決した。

 中国の字節跳動(バイトダンス)に動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業売却を義務付ける法案も承認した。
 バイトダンスが売却しない場合、TikTokは米国で禁止される。
 下院は3月に可決していた同様の法案を修正。売却期間を6カ月から約1年以内に変更した。

 ウクライナを支援するため、ロシアが保有するドル資産の没収も認められた。
 ロシアのタス通信によれば、ロシアは自国の資産没収に対して報復するとプーチン大統領のペスコフ報道官が述べた。

 上院は統合された法案の採決を23日に始める方針だ。
 610億ドルのウクライナ支援法案には、すでにウクライナに供与された武器への米備蓄補充130億ドルと、ウクライナ向けの米防衛システムに充てる140億ドルが含まれている。
 
 また、同地域での米軍の活動費として70億ドルが計上された。

 経済分野のウクライナ支援95億ドルは融資となるが、大統領が次の選挙後に全額免除可能という。
 なお、この融資案はトランプ氏が提案した。

 台湾支援法案には、台湾のための対外軍事資金20億ドルと、台湾に提供される物資やサービスを賄う米国の武器在庫補充19億ドルが含まれている。
 また、潜水艦のインフラ整備に33億ドルが充てられる。

 イスラエル支援法案は366対58で可決された。
 ミサイル防衛に40億ドルが供与されるほか、民主党の主張により、グローバル人道支援としてパレスチナ自治区ガザでの使用を含め90億ドルが提供される。

   
posted by manekineco at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック