ローレンス・アラン・ティッシュ（Laurence Alan Tisch） 米国の実業家、投資家、億万長者 複合企業ロウズ コーポレーションの共同所有者

ローレンス・アラン・ティッシュ（Laurence Alan Tisch）

　　　1923年3月5日 - 2003年11月15日

　米国の実業家、投資家、億万長者

　1986 年から 1995 年までCBSテレビ ネットワークの CEO を務めた。

　弟のボブ ティッシュとともにロウズ コーポレーションの共同所有者でした。

　ニューヨーク州ブルックリンで、サディ（旧姓ブレナー）とアル・ティッシュの息子として生まれた。

　父親の両親はウクライナから、母親の両親はポーランドから移住したユダヤ系の移民であった。

　ニューヨーク市立大学の元全米バスケットボール選手であったティッシュの父親は、縫製工場を所有し、妻が運営を手伝ってくれた 2 つのサマーキャンプを経営していた。

　ラリー（ローレンス・ティッシュ）は18歳でニューヨーク大学を卒業し、 20 歳までに産業経営のペン ウォートンMBA を取得した。

　1946年、ティッシュは両親からのシードマネー（2012年の価格でおよそ150万ドルに相当）の支援を受け、最初の投資活動として、ニュージャージー州レイクウッドにある 300 室のウィンター リゾートを125,000 ドルの資金で購入した。。

　その2年後、弟のボブ（ロバート）がラリーのビジネスに加わり、ラリーが財務問題を担当し、ボブが経営全般を担当するという2人の間で生涯にわたるパートナーシップをスタートさせた。

　最初のホテルは大成功を収め、ティッシュ兄弟はその後 10 年間でアトランティック シティとキャッツキル山地に12 軒のホテルを購入した。

　1960年、ラリーはホテル帝国からの収益を使って、当時最大の映画館チェーンの 1 つである

　　　ロウズ シアター

の経営権を獲得し、ボブとラリーが同社の共同会長を務めた。

　彼らは、過小評価されているロウズ シアターの不動産資産に惹かれたものので、後に中心部に位置する古い劇場の多くを取り壊してアパートやホテルを建設し、何百万ドルもの利益を得る事になった。

　この売却により莫大な資金を手に入れた二人はすぐに事業を多角化し、さまざまな分野への進出に成功した。

　1968年、ロウズは、人気ブランドのケント、ニューポート、トゥルーを所有していた当時米国第5位のタバコ会社

　　　ロリラード

を買収した。

　1974 年に、彼らは破産寸前だった保険会社

　　　CNA Financial Corporation

の支配権を購入した。

　これらの投資も大成功を収め、数年後には A+ の信用格付けを獲得した。

　また、同時期にブローバ ウォッチ カンパニーも買収している。

　ラリーはこれらの買収を通じてロウズを収益性の高い複合企業（ホテル14軒、映画館67軒、CNA Financial、Bulova、Lorillard を擁する）に築き上げ、収益は 1970年の1億ドルから1980年の30億ドル以上に増加させた。

　ラリー・ティッシュが亡くなる前年の200 年、同社の収益は170億ドル以上、資産は700億ドル以上まで積み上げた。

　
　1986年、米国大手メディアのひとつCBS Inc. は、テッド ターナー、マービン デイビス、アイヴァン ボエスキーらによるいくつかの敵対的買収の標的となっていた。

　ラリーはCBSから、敵対的な進出を阻止するために同社に投資するよう誘われた。

　ラリーはCBSの株式24.9%と取締役会の席を得るために7億5000万ドルを費やした。

　その後、会社家長ウィリアム S. ペイリーの支援を受けて、彼は会社の社長兼 CEO に任命された。

　CBS でのラリーの経営した時代は

　　　容赦ないコスト削減

が特徴であった。

　ティッシュはニュース部門の従業員 1,200 人のうち 230 人を解雇してニュース部門の予算から3,000万ドルを削減しました。

　また、CBS は放送以外の資産を売却して負債を削減した。

　1986年、彼は本の出版社

　　　ホルト・ラインハート・アンド・ウィンストン

をハーコート・ブレイス・ジョバノビッチに5億ドルで売却した。

　1987年にCBSの雑誌部門を

　　　ディアマンディス・コミュニケーションズ

に売却した。

　そして1987年には、当時世界第2位のレコード会社だった

　　　CBSミュージック・グループ

を20億ドルでソニーに売却した。

　その後、ウェスチングハウス・エレクトリックは 1995年に推定54億ドルでCBSを買収した。

　そのうちラリーは所有権により 20 億ドルの利益を得た。

　ラリーのCBSでの 10 年にわたる在職期間は、株価が毎年 15%増加したことを特徴としていた。

　ただ、CBSは 3大全国ネットワークの中で3位に留まった。

　ラリーは、放送事業を理解していないこと、非放送資産を売却した後に事業を多角化していないこと、同業他社に比べてCBSの業績が低いことなどで批判された。

　ソロモン・ブラザーズのCEO、ジョン・ガットフロイント氏はラリーをCBS創設者のビル・ペイリー氏と比較し、「ビルは業界に対するビジョンを持っていたが、ラリーにとってはそれがビジネスだ」と語った。

　ラリーはメトロポリタン美術館、ニューヨーク大学、ニューヨーク大学医療センター、野生動物保護協会に多額の寄付をした。

　450万ドルの寄付により、セントラル パークにティッシュ子供動物園が設立された。

　1978年から 1998年まで、ティッシュはニューヨーク大学の理事長を務め、10 億ドルの資本キャンペーンと大学の主要な改善を監督した。

　ラリーは、ニューヨーク州ユダヤ人アピール会の元会長でもあった。

　ニューヨーク大学のティッシュ芸術学校は、学校の建物を購入するのに必要な資金を寄付したラリーと弟のボブに敬意を表して名付けられた。ま　　

　ラリーの寄付は、2010年に設立され、著名な法学者リチャード・エプスタインが保持する法学教授職の資金にもなった。

　さらに、スターン ビジネス スクールにはティッシュ ホールがあり、ニューヨーク大学メディカル センターにはティッシュ病院がある。

　ハーバード大学の歴史と経済学の教授職は、同大学に対するラリーの慈善活動を讃えて彼の名にちなんで名付けられた。

　現在のローレンス・A・ティッシュ教授は、スコットランドの経済史家ナイル・ファーガソンです。

　
　ラリーは1948年にウィルマ・"ビリー"・スタインと結婚した。

　彼らには4人の息子

　・アンドリュー・H・ティッシュ
　・ダニエル R. ティッシュ

　　　ファミリーファンドであるメンターパートナーズを運営

　　　ニューヨーク大学の理事を務めている。デヴィッド・ティッシュの父親。
　・ジェームス・S・ティッシュ
　・トーマス・ J・ティッシュ

　　　ニューヨーク市の民間投資グループである FLF Associates でパートナー

　　　1985年にヘレン・ヴィヴィアン・スコベルと結婚した。

　ローレンス・ティッシュは、2003年に胃食道癌により、 80歳で亡くなった。