エリオット・インベストメント・マネジメント(Elliott Investment Management) 米国の投資管理会社であり、世界最大のアクティビストファンドの一つ。 運用資産 710億米ドル（2022年）

エリオット・インベストメント・マネジメント

　　　　　　　(Elliott Investment Management)

　米国の投資管理会社であり、世界最大のアクティビストファンドの一つ。

　運用資産　710億米ドル（2022年）
　就業者数　482人 (2022年)
　

子会社
　・エバーグリーン コースト キャピタル コーポレーション

　・ウォーターストーンズ

　・エリオット アドバイザーズ

　・NML キャピタル

　・プレミア アセット マネジメント
　

　米国ニューヨーク市に拠点を置くヘッジファンド

　　　エリオット・アソシエイツ・ＬＰ

　　　エリオット・インターナショナル・リミテッド

の 設立者でCEOの

　　　ポール・シンガー

によってエリオット・インベストメント・マネジメントが設立された。

　2015年第 1 四半期の時点で、エリオットのポートフォリオの価値は 80 億ドルを超えた。

　2009年までに、「エリオットのポートフォリオの3分の1以上は、典型的には

　　　破産または破産に近い企業の負債

である不良証券に集中して投資した。

　2020年10月、シンガーは自社の本社をフロリダ州ウェストパームビーチに移転すると発表した。

　シンガーは1977年1月に友人や家族からの130万ドルを資金として

　　　エリオット・アソシエイツ

を設立した。

　彼のミドルネームであるエリオット・ブランドを選択した。

　創業当初、同社はコンバーティブル・アービトラージに焦点を当てていた。

　1987 年の株式市場の暴落と1990 年代初頭の不況以来、同社は

　　　マルチ戦略

のヘッジファンドに移行した。

　エリオット・アソシエイツは86億ドルを運用し、エリオット・マネジメントの主要な国内ファンドである。

　同社は現在、新規投資家の募集を停止している。

　2008 年半ばの時点で、エリオットはニューヨーク市、ロンドン、東京、香港で 175 名の従業員を数え、継続的に管理されている最も古いヘッジファンドの 1 つである。

　エリオット氏は2014年11月の投資書簡の中で、米国の成長についての楽観論は根拠がないと述べている。

　あた、ｍ「政府がどれくらいの期間、偽りの成長、偽りのお金、偽りの雇用、偽りの金融安定、偽りのインフレ率、偽りの所得増加を逃れられるのか、誰にも予測できない」「信頼が失われると、その喪失は深刻かつ突然、多くの市場やセクターにわたって同時に起こる可能性があります。」と記述した。

　2015 年、Institutional Investor/Alpha 誌はエリオットに A グレードを与え、世界のヘッジファンドの中で第 9 位にランクした。

　
　エリオットには 7 社の株式パートナーがおり、 ポール・シンガーと

　　　ジョナサン・ポロック

は共同最高投資責任者である。

　ポール・シンガーの息子である

　　　ゴードン・シンガー

がエリオットのロンドン事務所を管理している。

　2020年4月に退任が発表された元シニア・ポートフォリオ・マネージャーの

　　　スティーブン・カソフ

は、2015年1月に株式パートナーに指名されていた。

　スティーブ・コーエン、デイブ・ミラー、ジェシー・コーン、ザイオン・ショヘットも同社の株式パートナーとして名を連ねている。

　（2020年11月現在）

（関連会社）
　・Hambledon, Inc. は、シンガーが管理するケイマン諸島の法人。
　・NML キャピタルはエリオット マネジメントの子会社。
　・Kensington International Ltd. はエリオット マネジメントの子会社。
　・Maidenhead LLC および Warrington LLC は、Singer が管理する米国法人。
　・Elliott Advisors (UK) Ltd. は、「ロンドンを拠点とするエリオットのアドバイザー」。
　・Elliott Advisors (HK) Limited は、「エリオット マネジメントの香港部門」。
　・マンチェスター証券株式会社
　

(エリオットの投資活動概要)
　エリオットは初期に

　　　コンバーティブル・アービトラージ

に焦点を当て、1987 年の株式市場の暴落と1990 年代初頭の不況の後、主に不良債権投資に再び焦点を当てた。

　エリオットは、 TWA、MCI、WorldCom、Enronなどの米国企業やTelecom Italia SpAやElektrimなどの海外企業の再編で知られている。

　エリオット・マネジメントは2020年2月、約20億ドルの株式を保有する

　　　ツイッター

の取締役会に3人の取締役を指名した。

　その後、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ツイッター社とツイッター社のCEOとしてのドーシー氏の仕事量を理由に、シンガー氏が

　　　ジャック・ドーシー氏

の後任を望んでいると報じた。

　2020年にTwitterの株価が95%上昇したことを受け、エリオットの取締役たちは2021年4月に取締役会から退任する予定だった 。

　エリオット氏が2020年2月にツイッター株を購入した際の1株当たりの価格は約36ドルだった。

　エリオット氏は

　　　イーロン・マスク氏

が株式公開買い付けを行った直後の2022年6月にツイッターを退社し]、株価は45ドルから50ドルの範囲半ばから後半で変動した。

　エリオット氏は2年間で投資額の約33％の利益を得た。

　
　2003年、エリオット氏は

　　　P&G

がドイツのヘア製品会社

　　　ウェラAG

の優先株主全員に公正な価格を提示していないと考えた。

　エリオット氏は、ドイツ第２位のファンドマネジャー

　　　デカ・インベストメンツ

を含む他のファンドに加わり、この取引に反対した。

　数年に及ぶ法廷闘争と株主闘争を経て、P&Gはすべての優先株主に対してWella AGへの買収提案額を引き上げた。

　ベルセン新聞によると、エリオットは自社の目標は「少数株主の権利を保護する」ことだと述べた。

　
　2005 年 4 月、ウィスコンシンに本拠を置く小売チェーンの

　　　ショップコ

は、プライベートエクイティ会社に 1 株あたり 24 ドルの価格で約 10 億ドルで買収されることに合意したと発表した。

　ミルウォーキー・ビジネス・ジャーナルによれば、この提案とその後の25ドルでの提案は、「数人の反対派株主が入札額が低すぎるとして買収を否決すると脅迫したため」拒否されたと伝えた。

　エリオットは、価格が低すぎると感じたことと、取締役会での

　　　利益相反への懸念

を理由に、他のヘッジファンドと同様に売却に反対した。

　エリオットは最終的にShopKoの買収に1株当たり29ドルで参加した。

　
　人材コンサルティング会社

　　　アデコ

は、2006 年 1 月に 1 株あたり 54.5 ユーロの価格で

　　　DIS AG

の株式 35% を確保し、全株式をその価格で買い付けを行ったと発表した。

　また、DISのCEOとCFOが、最終的にはそれぞれアデコのCEOとCFOとなる有利な経営契約に署名したと発表した。

　アデコはDISの上場廃止を試みたが、エリオットを含む多くのヘッジファンドによって法廷で阻止された。

　ファンドはまた、CEOとCFOによる

　　　利益相反についての懸念

を引き起こしたことで、最終的にアデコは1株当たり113ユーロを提示し、受け入れられた。

　　
　2010 年 3 月、エリオットはソフトウェア会社

　　　ノベル

に1 株あたり 5.75 ドルで入札した。

　Novellはこの申し出を拒否したが、Elliott氏は会社売却の決定を「歓迎」した。　

　
　2011年12月、エリオットがベトナムの造船会社

　　　ビナシン

を英国の裁判所に訴えていると報じられた。

　同社は1年前、ベトナム政府の支援を受けた6億ドルの融資をデフォルトし、社債保有者に1ドル当たり35セントを支払うと申し出ていた。

　エリオットは全額を求めて訴訟を起こした。その後、2012年4月、エリオットは訴訟を取り下げた。

　2012年12月に、すでに

　　　コンピュウェア

の株式 8% を保有していたエリオットが、同社を 1 株あたり 11 ドルの現金で買収すると申し出たと報じられた。

　
　2012年後半、エリオット氏は石油会社

　　　ヘス

が資本を浪費し、石油探査や生産から他の活動に「気を取られている」と批判した。

　2013年1月、エリオット氏はヘス氏に特定の資産を売却するよう求め、石油会社を再編して株価を押し上げる取り組みの一環として、ヘスの投資家に5人の新しい取締役に投票するよう求めた。

　エリオットは「ヘス社の中に、資源再生に重点を置いた米国有数の企業が埋もれている」と書簡に記述した。

　ヘス氏は3月、エリオット氏の提案の一部に基づいて行動していると発表した。

　これに対してエリオット氏は、ヘスの変更は必要なものには程遠いと述べた。　　

　4月には、ヘスがエリオットの助言に従ってロンドン事務所を閉鎖すると報じられた。

　ヘスは、2013年以来エリオットにとって「トップピック」であった。

　2014年第4四半期の時点で、エリオットは1,780万株、13億ドル相当のヘスの株を所有しており、エリオットの最大の保有株となった。

　2013年後半、エリオットは破産した日本の船主三光汽船の経営権を掌握し、同社の海外事務所の大部分を閉鎖した。

　エリオットは最終的に、会社の海外資産と会社の船舶に残された株式をすべて剥奪した。

　2012年4月1日、三光は46隻のタンカーと27隻のドライバルク船を含む185隻の船舶を管理または所有していた。

　2019年初めまでに、これはばら積み貨物船わずか5隻に減っていた。

　2024年3月、三光が最後の船舶を売却し、90年間存続した船舶所有から撤退することが発表された。

　
　2014年夏、エリオットは広告代理店持株会社

　　　インターパブリック・グループ・オブ・カンパニーズ

の株式6.7％を明らかにし、「この件について説明を受けた関係者は、エリオットが同社に競合他社への身売りを求める計画だと述べた」。

　2018 年 12 月、エリオットはペルノ・リカールの株式 2.5% を購入した。

　2015 年 2 月の報告書によると、エリオットは、フランス、スペイン、英国、オランダにサービスを提供する

　　　Sigfox携帯電話ネットワーク

に投資した数社のうちの 1 社である。

　
　2015年2月、テレグラフ紙は、エリオット・マネジメントの英国部門であるエリオット・アドバイザーズ（UK）リミテッドが同国で6件の無名の

　　　太陽光発電プロジェクト

に資金を投入し、「ショートポジションを取ることで賭けをヘッジしていた」と報じた。

　他に5つの再生可能エネルギーファンドがロンドン株式市場に上場している。　

　2015 年 9 月、エリオットはフィラデルフィアに本拠を置くマスメディア会社

　　　コムキャスト

の株式 1,940,642 株を1 株あたり平均価格 58.68 ドルで購入した。

　この取引はエリオットのポートフォリオに1.65%の影響を与えた。

　
　エリオットは 2015 年 5 月に

　　　CDK Global

の株式 4% を取得した。

　2016 年 9 月現在、同社の株式 5.4% を保有しており、第 3 位の株主である。

　2016 年 5 月 4 日、エリオットは CDK 取締役会に書簡を送り、予想される ROI と利益率を満たすために必要と思われる手順を概説した。

　「事業運営を最適化し、株主価値の大幅な向上を推進するためのCDKの計画」を引用した。

　2016年6月8日、エリオットはCDK取締役会に書簡を送り、5月4日の書簡で株主が計画を支持したため、「CDKは価値最大化計画の措置を遅滞なく採用する」よう勧告した。　

　2018 年 5 月、エリオット マネジメントは

　　　テレコム イタリア

の経営権をめぐる争いに勝利し、テレコム イタリアの取締役会の議席の 3 分の 2 を掌握した。

　
　2015年の夏、当時サムスンの建設部門の主要投資家だったエリオット氏は

　　　サムスン

の一部に建設部門を80億ドルで買収させようとしたサムスンの社長代理

　　　ジェイ・リー氏

の取り組みに反対した。

　エリオットの反対にもかかわらず合併は成立し、エリオットは株式を売却した。

　その2年後、リー氏は合併を実現させるために韓国大統領の友人に賄賂を贈ったことが明らかになり、収賄罪で有罪判決を受け、投獄されている。

　2015年10月、エリオットはアウトドア・レクリエーションおよび衣料品小売業者である

　　　カベラズ

の株式11.1パーセントを明らかにし、戦略と会社売却の可能性について取締役会と協議することを求めていると報告した。

　エリオット・マネジメント、特にポール・シンガーが

　　　タッカー・カールソン

について暴露したことは、ネブラスカ州シドニーの町での大規模な人員削減のため

　　　バス・プロ・ショップス

への買収と売却後のカベラ本社の扱いについて批判された。

　2016年7月、エリオット氏は4.7％出資する住宅建設会社

　　　プルトグループ

に対し、新たに取締役3名を追加し、新規土地への投資を削減し、株式を買い戻すよう説得した。

　
　アルコア（現アーコニック）の株式を購入して取締役会の3議席を獲得した後、エリオットはリストラを強行し、その後エリオットは104％の利益で株式を売却することができた。

　
　2017年から2018年にかけて、エリオットからの圧力を受けて

　　　アテナヘルス

は大幅なコスト削減措置を講じ、共同創設者の

　　　ジョナサン・S・ブッシュ

が辞任した。

　
　2019年9月、エリオット・マネジメントは

　　　AT&T

の取締役会に宛てた物言う投資家への書簡を発表し、エリオット氏の言うところのAT&Tにおける「魅力的な価値創造の機会」を主張した。

　なお、エリオットは、32億ドルのAT&T株（株式持分1.2％）を蓄積していると述べた。

　
　2019年9月、トリニティ・リアル・エステート・インベストメンツLLCが管理するファンドとエリオット・マネジメント・コーポレーションが管理するファンド間のジョイントベンチャーが、フェニックス最大のリゾートである

　　　JWマリオット・デザート・リッジ・リゾート＆スパ

の買収を発表した。

　
　2017年8月の時点で、エリオットの投資先としても知られる

　　　チェイス・フィッツウォーター

は、バークシャー・ハサウェイの買収提案を阻止するのに十分な負債を保有していた。

　バークシャー・ハサウェイは重債務企業を救済するために前月に提案を行っていた。

　エリオットは2017年に

　　　メンター・グラフィックス

の株式9％を買収し、その後シーメンスによる買収を推進した。

　この取り組みで、エリオットは 68% の利益を上げた。

　2017年11月、エリオットとUBSグループAGは

　　　クアルコム

が買収を目指していた

　　　NXPセミコンダクターズNV

の買収価格を引き上げるために協力した。

　
　2017年8月、テキサス州の送配電事業会社である

　　　オンコー・エレクトリック・デリバリー

に関連する18億ドルの負債を抱えていたエリオットは、バークシャー・ハサウェイによるオンコー買収の提案を阻止しようとした。

　
　2017年8月、オランダの塗料・化学薬品会社

　　　アクゾノーベル

は、エリオットとの紛争を終了したと発表した。

　アメリカのライバルである

　　　PPGインダストリーズ

はアクゾ・ノーベルの買収を目指しており、エリオットはアクゾ・ノーベルの会長アントニー・バーグマンズ氏の後任を目指す取り組みの一環として両社の協議を促し、

　最終的には法的措置に踏み切っており、この紛争中、エリオットはアクゾ・ノーベルの株式約9％を保有する筆頭株主となった。

　
　2018年4月、エリオットは

　　　ウォーターストーンズ

の過半数の株式を購入し

　　　アレクサンダー・マムート

のリンウッド・インベストメンツは少数株主となった。

　売却は2018年5月に完了した。ジェームズ・ドーント氏は最高経営責任者として留任した。

　2018年7月、ACミランの前オーナーの

　　　李永紅氏

がエリオットに対する4億1,500万ユーロの債務不履行に陥ったため、エリオット・マネジメントはイタリアのサッカークラブACミランの株式99.93％を取得した。

　エリオット氏はただちに、李永紅氏がACミランを率いていた

　　　ロッソネリ・スポーツ・インベストメント・ラックス

の取締役の解任を開始した。

　2018年7月10日、ポール・シンガーはクラブ内の財政を安定させるために5,000万ユーロの自己資本を注入すると公式声明で宣言した。

　2022年6月、レッドバード・キャピタル・パートナーズはエリオットからクラブを12億ユーロで買収することに合意した。

　2019年6月7日、エリオット・マネジメントはバーンズ・アンド・ノーブルを約6億8,300万ドルで買収すると発表した。

　2019年8月7日、エリオット・マネジメントは同社の買収を完了した。

　ジェームズ・ドーントはウォーターストーンズとバーンズ・アンド・ノーブルの両社のCEOとなり、ロンドンからニューヨークに移転する予定である。

　2019年8月7日、バーンズ・アンド・ノーブルはエリオットの非公開の完全子会社となった。

　
　2020年2月、エリオット・マネジメントが日本の複合企業

　　　ソフトバンク・グループ

に25億ドル以上の株式を取得したと報じられた。

　2022年8月、フィナンシャル・タイムズは、エリオットが

　　　孫正義

の方向転換を主導する能力に対する確信を失ったため、ソフトバンク株のほぼすべてを売却したと報じた。

　
　2010年以来、エリオット マネジメントは不良不動産への投資を拡大した。

　特に、円安誘導が行われた日本とユーロが暴落していたドイツの不動産分野で主に活動した。

　2015年には欧州連合の劣等生で経済的な悪化を改善できていないスペインとイタリアが魅力的な投資機会を提供するとみなした。

　ニューヨーク・タイムズ紙によると、同社は「ロンドン、香港、東京にアナリストとポートフォリオマネージャーのチームを置き、20億ドル以上の価値がある投資を行っている」という。

　米国では「開発業者との直接金融に参加することで、銀行が融資を抑制しなければならなかった穴を埋めることに重点を置いてきた」。

　2013年、エリオット マネジメントはニューヨークの 63 階建ての商業および不動産プロジェクトで

　　　タイム エクイティーズ

と提携し、商業用不動産金融業者である

　　　シルバーピーク リアル エステート ファイナンス

の所有権を取得した。

　ニューヨーク・タイムズは2014年5月、エリオット・マネジメントが、マンハッタン初の超高層ビルの一つの敷地にある築130年のビル、ビークマン・ストリート5番地の287室のホテルと46階建てのコンドミニアムの開発に資金を提供していると報じた。

　このプロジェクトは、ニューヨークの不動産会社である

　　　GFI Capital Resources

によって実行さている。

　エリオットの不良証券取引の一部はソブリン債で行われている。

　1995年、エリオットはデフォルトした

　　　ペルーの銀行債務

を額面2000万ドルで購入した。

　1998年、広範な訴訟とエリオットによる何度も和解を試みた後、裁判所はヘッジファンドに延滞利息を含む5,800万ドルの判決を下した。

　2002年にアルゼンチンが 国債をデフォルトした後、名目額面6億3000万ドル、現在23億ドル相当のアルゼンチン国債を所有していたエリオット社は、1ドル＝30セント未満というアルゼンチンの提案を受け入れることを拒否した。　

　エリオットは米国と英国の裁判所でアルゼンチンに対する判決を勝ち取ったが、支払いを回収しなかった。

　2012年10月、エリオットの子会社

　　　NMLキャピタル

は、アルゼンチン資産16億ドル以上を認めた裁判所判決に従って没収する予定だった

　　　アルゼンチン海軍艦艇ARAリベルタ号

のガーナでの拿捕を手配した。

　2012年11月のニューヨーク裁判、NML側とアルゼンチン側の判決で終わった。

　法律専門家らはこれを「世紀のソブリン債務裁判」と呼んだ。フィナンシャル・タイムズに掲載された書簡の中で、法律専門家のアンドレアス・F・ローウェンフェルド氏とピーター・S・スメドレスマン氏はNMLの立場を擁護した。

　エリオットは、総額1億ドルを超える銀行債務不履行に対する判決を執行する取り組みにおいて、コンゴ共和国における汚職を暴露した。

　2008年、エリオットはコンゴが負担したローン債権3,260万ドルを購入した。

　2002 年と 2003 年に、英国の裁判所はエリオットに対し、これらの負債に対して 1 億ドル以上の判決を下した。

　この訴訟中、ジョージ・W・ブッシュ米国大統領は、ヘッジファンドによる米国内のコンゴ資産の差し押さえを禁止する憲法条項を利用した。

　コンゴ共和国政府の透明性向上と汚職反対運動家

　　　ブライス・マッコッソ

は、エリオットのような資金がなければ、「我が国の富がどのように奪われているかについて、いかなる事実も知ることはできなかっただろう」と述べた。

　エリオットの調査で汚職の証拠が得られた後、政府はエリオットが支払った債務が2000万ドル未満だったが、推定9000万ドルで和解した。

　エリオットは2017年に

　　　アレクシオン・ファーマシューティカルズ

の株式等を取得した。

　2020年5月、製薬会社がヘッジファンドの以前の要求を拒否した数カ月後、エリオット・マネジメントは再びアレクシオンに身売りを迫った。エリオット氏は

　　　ポートラ・ファーマシューティカルズ

を約14億ドルで買収する最近の動きを含むアレクシオン経営陣の行動は「間違った方向」に進んでいると主張した。

　アレクシオンの取締役会は12月、積極的な売却を直ちに開始するというエリオットの勧告を全会一致で拒否した。

　
　2020年11月、エリオット・マネジメントは「ここ数週間、出遅れ株を伸ばす方法についてソフトウェア会社の経営陣と話し合った」後、F5に投資した。　

　2021年11月、エリオット・アドバイザーズは、欧州最大のスーパーマーケット事業である

　　　アホールド・デレーズ（評価額約10億ドル）

に3％の経済的権益を持つ大規模投資家であると発表した。