T・ロウ・プライス(T. Rowe Price Group, Inc.) 米国の投資管理会社 運用資産 1兆4,400億米ドル(2023年)

T・ロウ・プライス

　　　　(T. Rowe Price Group, Inc.)

　米国の投資管理会社で個人、機関、金融仲介業者にファンド、サブアドバイザリー サービス、個別口座管理、退職金制度とサービスを提供している。

　2023年の年間収益は 64億 8,000万ドルで、米国最大の企業であるフォーチュン1000リストでは 537 位にランクされている。

　本社をメリーランド州ボルチモアのイースト プラット ストリート 100 番地に置き、 55 か国の顧客にサービスを提供する 17 の国際オフィスを設置している。

　運用資産　 1兆4,400億米ドル(2023年)
　就業者数　7,868 人 (2023)
　

　成長株投資の哲学を開発したことで最もよく知られる

　　　トーマス・ロウ・プライス・ジュニア

によって1937年に設立された。

　なお、2019年現在、同社はパッシブ運用への大きな取り組みを戦略的にやめ、アクティブ運用に注力している。

　常に世界トップの資産運用会社にランクされている T. ロウ プライスは、

　　　Pensions&Investments

によって資金管理で最も働きやすい企業の 1 つに選ばれ、 2020 年にフォーチュン誌で最も賞賛された企業の 1 つとなった。

　創業者のトーマス・ロウ・プライス・ジュニアは、1920 年代にボルチモア地域の証券会社の初心者レベルの研究者およびアカウントマネージャーとして金融業界に参入した。

　1937年に T. ロウ プライス & アソシエイツを設立したとき、彼の会社は 当時の販売指向の企業の運営モデルを嫌い3 つの主な点で標準から逸脱していた。

　それは、�@売上高ではなく運用資産に基づいて手数料を請求すること、�A受託者として顧客の口座を厳密に積極的に管理すること、そして�B成長への投資であった。

　その後、ーマス・ロウ・プライス・ジュニアは「成長投資の父」としてよく知られるようになり、フォーブス誌からは「ボルチモアの賢者」と呼ばれるようになった。

　 T. ロウ・プライス & アソシエイツはもともとライト・ストリート 10 番地に本社があり、少数の従業員がスタッフを擁していた。

　ただ、そのなかにはプライスのほかレッグ・メイソンの前身であるマックビンとレッグがいた。

　当初は資産管理とボルチモア地域の家族向けの個人投資口座に焦点を当てた非常に小さな会社であったが、1940年代の終わりに強固な足場を築くまで、大恐慌と第二次世界大戦中に苦戦していた。

　1950年までには、その顧客がスタッフが個別に口座を管理できないほど大きくなった。

　このため、同社は最初の投資信託である

　　　T. ロウ プライス グロース ストック ファンド

を設立し、立ち上げた。

　ボルチモアと米国東海岸沿いで勢いを増し、同社は顧客、スタッフ、地理的範囲を着実に拡大し続けた。

　1960年までにプライスは、成長投資の機会、特にゼロックス、IBM、ボーイングなどのテクノロジー企業に焦点を当てた、ニュー ホライズンズ ファンドと名付けられた 2 つ目のファンドを設立した。

　より多くのスペースが必要だったため、本社は 1962 年にボルチモアのダウンタウン近くにあるルートヴィッヒ ミース ファン デル ローエが設計した新しいワン チャールズ センターの建物に移転した。

　同時に、プライスは退職の準備を始め、1963年に会社の社長を辞任し、責任の一部を委任して会社の株式を売却した。

　それにもかかわらず、プライスは数年間にわたり同社内で積極的な存在感を維持した。

　プライスは1970年代を支配すると予測した

　　　急速なインフレへの対応

として1969年に

　　　新時代基金の設立

を促した。

　プライスが完全に引退した1971年に、T・ロウ・プライスは債券部門を開設し、業務の近代化と多角化を始めた。

　1970年代から 1980年代初頭にかけて、T. ロウ プライスは以前よりも積極的な成長を開始した。

　本社が手狭となりイースト プラット ストリート 100 番地にある現在の場所に移転し、最初の国際オフィスを開設した。

　1979年、T・ロウ・プライスは英国の資産運用会社

　　　ロバート・フレミング＆カンパニー

　　　ロウ・プライス・フレミング・インターナショナル

という合弁事業を立ち上げた。

　2000年の最盛期には 390 億ドルを運用したこのベンチャーにより、T. ロウ プライスはより幅広いサービスと専門知識を国際的に提供できるようになった。

　T. ロウ・プライスは、1986 年に約 2 億ドル相当の新規株式公開を行った。

　その後間もなく、同社は1987 年の香港オフィスを皮切りに、米国内に大規模なオフィス複合施設と世界中に研究オフィスを設立していった。

　退職金制度サービスは

　　　USF&G　など

の他社から取得した投資信託を含む、追加の新しいサービスやファンドと並行して 1990 年代に開始された。

　この勢いを持続させ同社の運用資産が1,000億ドルに達したことで、T・ロウ・プライスは1999年に東京の住友銀行および大和証券と資産管理提携を結び、ロンドンに本拠を置くロウの株式100％を購入した。

　プライス・フレミング・インターナショナルをT・ロウ・プライス・インターナショナルに改名した。

　1999年には、T. ロウ プライスがS&P 500 指数に追加された。

　T. ロウ・プライスは、2000年の

　　　ドットコムバブル

の直撃をほぼ回避して成長し続けた。

　ウォール・ストリート・ジャーナルは、 2000年3月に市場が暴落し始めるわずか1週間前に、同社が当時利益を上げていたテクノロジー株を控えめに扱いリスクの回避措置を講じていたことに驚きを表明していた。

　2001年、当社は米国以外の機関投資家および金融仲介業者を対象に、ルクセンブルクに本拠を置く

　　　T. Rowe Price Funds SICAV

を立ち上げた。

　この2 年後、目標日退職基金を創設した。

　2010年、T・ロウ・プライスは、インド最古の投資信託会社でありインドの5大投資会社の1つ

　　　ユニット・トラスト・オブ・インディア

の重要な権益を購入した。

　2000年以来、T. ロウ プライスはマドリード、ドバイからストックホルム、シドニーに至るまで世界各地にオフィスを開設した。

　2019年の時点で、T. ロウ プライスはパッシブ運用ではなくアクティブ運用に引き続き注力した。

　2010年以降、T. ロウ プライスは運用資産を4,000億ドルから1兆5,100億ドルと3倍強増加させ、年間収益は 10パーセント以上増加して 64 億 8,000万ドルとなり、米国最大の企業であるフォーチュン 1000リストの 537位にランクされた。

（署名な出身者）　

・グレン・オーガスト氏(Glenn August)

　　Oak Hill Advisors, LP 創設者兼 CEO
・マーク・S・バートレット(Mark S. Bartlett)

　　アーンスト・アンド・ヤング社元マネージング・パートナー
・ウィリアム・P・ドネリー(William P. Donnelly)
　　メトラー・トレド元執行副社長
・ディナ・ダブロン(Dina Dublon)

　　JPモルガン・チェースの元副社長兼最高財務責任者
・フリーマン・フラボウスキー三世(Dr. Freeman Hrabowski III)

　　メリーランド大学ボルチモア郡元学長

　　
・ロバート・F・マクレラン氏(Robert F. MacLellan)

　　ノースリーフ・キャピタル・パートナーズ会長
・アイリーン・ロミンジャー(Eileen Rominger)

　　キャンバービュー・パートナーズの元上級顧問
・ロブ・シャープス(Rob Sharps)

　　T・ロウ・プライス社長兼最高経営責任者（CEO）
・ シンシア・スミス氏(Cynthia Smith)

　　メットライフ生命の地域ビジネスおよび流通開発担当上級副社長
・ロバート・J・スティーブンス(Robert J. Stevens)

　　ロッキード・マーチン元会長兼最高経営責任者（CEO）

　
・ウィリアム・ストロンバーグ(William Stromberg)

　　非常勤会長
・サンドラ・ワインバーグ(Sandra S. Wijnberg)

　　Aquiline Capital Partners LLC エグゼクティブアドバイザー
・アラン・D・ウィルソン(Alan D. Wilson)

　　マコーミック・アンド・カンパニー元社長
・エディ・C・ブラウン(Eddie C. Brown)

　　T・ロウ・プライスの元ポートフォリオマネージャー

　　ブラウン・キャピタル・マネジメントの創設者兼社長、著名な慈善家
・アビー・ジョセフ・コーエン氏(Abby Joseph Cohen)

　　T・ロウ・プライス社の元リサーチ・ディレクター

　　1990年代後半に機関投資家のトップ・ストラテジストに指名された。

　
・ロジャー・マクナミー(Roger McNamee)

　　T・ロウ・プライス科学技術基金の元マネージャー

　　ベンチャーキャピタル会社エレベーション・パートナーズを設立

・メアリー・J・ミラー(Mary J. Miller)

　　債券部門の元ディレクター

　　米国財務省に就職し、金融市場担当の財務次官補

　　その後国内金融担当の財務次官を経て、最終的に財務次官

・オリンピア・スノーエ(Olympia Snowe)

　　T・ロウ・プライスの元取締役、元米国上院議員

　　オリンピア・スノーエLLC創設者
・アルフレッド・ソマー(Alfred Sommer)

　　T・ロウ・プライスの元取締役

　　ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の著名な疫学者
・リチャード・ヴァーマ氏(Richard Verma)

　　T・ロウ・プライスの元取締役、元駐インド米国大使

　　アジア・グループ副会長兼パートナー