スーパーマイクロコンピュータ(Super Micro Computer, Inc. dba Supermicro ) 米国の情報技術企業

スーパーマイクロコンピュータ

　　　　　　　(Super Micro Computer, Inc.　 dba Supermicro )

　カリフォルニア州サンノゼに本社を置く米国の情報技術企業

　米国、ヨーロッパ、アジア、そして世界中で、モジュール式およびオープン アーキテクチャに基づく

　　　高性能サーバー

およびストレージ ソリューションを開発、製造している。

　Supermicroは、1993年11月1日に設立され高性能で高効率なサーバーを製造する最大手の企業の1つ。

　スーパーマイクロのソリューションは、完全なサーバー、ストレージシステム、モジュラーブレードサーバー、ブレード、ワークステーション、フルラック、ネットワークデバイス、サーバーサブシステム、サーバー管理ソフトウェア、セキュリティソフトウェアにまで及んでいる。

　シリコンバレー、オランダ、台湾のサイエンステクノロジーパークに製造拠点がある。

　また、エンタープライズデータセンター、クラウドコンピューティング、人工知能、5G、エッジコンピューティングなど、さまざまな市場向けにサーバー管理ソフトウェアやストレージシステムを提供している。

　ナスダック取引所でティッカーシンボルSMCI で取引されている。

　収益　71.2億米ドル（2023年）
　営業利益　7億6,100万米ドル（2023年）
　純利益　6億4,000万米ドル（2023年）
　総資産　36億7000万米ドル（2023年）
　就業者数　5,126人（2023年6月）
　

　スーパーマイクロは1993年、チャールズ・リャンと妻で会社財務担当のチウチュー・リウ（通称サラ）の5人による事業としてスタートした。

　スーパーマイクロを設立する前、リャンは国立台湾科技大学で電気工学の学士号を取得し、テキサス大学アーリントン校で電気工学の修士号を取得した。

　リャンはサーバー技術に関する特許を複数保有し、1991年7月から1993年8月までマザーボードの設計製造会社

　　　マイクロセンターコンピュータ

の社長兼主任設計エンジニアを務めていた。

　1996年、同社は台湾に製造子会社

　　　エイブルコム

を設立し、チャールズの弟

　　　スティーブ・リャン

　　　ビル・リャン

が共同経営している。

　チャールズ・リャンと彼の妻はエイブルコムの株式の約31%を所有し、スティーブ・リャンと他の家族は50%近くを所有している。

　1998年、スーパーマイクロはオランダに子会社を設立した。

　2006年、スーパーマイクロは、米国のイランへのコンピュータシステムの販売に対する禁輸措置に違反したとして重罪の罪を認め、15万ドルの罰金を支払った。

　司法取引では、スーパーマイクロが2004年2月に捜査を知り、同年に輸出管理プログラムを設定したことが認められた。

　2007年3月8日、スーパーマイクロは新規株式公開で800万株を1株8ドルで売却し、6,400万ドルを調達した。

　2009年、スーパーマイクロは約7億2000万ドル相当のコンピュータサーバーと関連製品を販売し、約1,100人の従業員を雇用した。

　2010年5月、スーパーマイクロはオランダにシステム統合物流センターを開設し、ヨーロッパへの事業拡大をさらに進めた。

　2012年1月、スーパーマイクロは台湾科学技術パークをオープンした。

　建設費は総額9,900万ドルであった。

　
　2018年10月4日、ブルームバーグ・ビジネスウィークは、企業や政府の匿名筋を引用した記事を掲載し

　　　中国人民解放軍

がスーパーマイクロの中国の下請け業者に対し、

　　　ハードウェアバックドア

を備えたマイクロチップを

　　　自社のサーバー

に追加するよう強制したと主張した。

　この記事によると、侵害されたサーバーは

　　　米国政府機関（ CIAや国防総省を含む）

や請負業者、少なくとも30社の商業顧客に販売された。

　ただ、スーパーマイクロは、政府機関から連絡はなく、調査についても知らないとして、この報道を否定した。

　また、この報道は、そこに名前が挙がった情報源や企業からも異議を唱えられた。

　2018年10月9日、ブルームバーグは2つ目の記事を発表した。

　スーパーマイクロは、2018年10月22日、この記事を受けて

　　　「悪意のあるハードウェアチップが存在するという証拠はないが」

自社のマザーボードに

　　　スパイチップ

が埋め込まれていないか調査中であると発表した。

　スーパーマイクロは、マザーボードの製造中に「悪意のあるハードウェアチップが埋め込まれていない」と「確信している」とする書簡を証券取引委員会に提出した。

　2021年2月、ブルームバーグビジネスは、スーパーマイクロが2011年以来侵害を受けていたにもかかわらず

　　　米国の諜報機関

は中国に関する情報収集のためにそれを「秘密」にし

　　　潜在的な標的

について少数のみに警告していたと報じた。

　2021年11月、スーパーマイクロコンピュータと

　　　ファイバーホームテレコミュニケーションテクノロジーズ

の合弁会社は、新疆ウイグル自治区での

　　　ウイグル族弾圧

　　　監視システムの構築

に関連する「公共安全目的」で新疆ビントゥアンにサーバーを供給する契約を獲得した。

　2021年12月21日、ワシントンポスト紙はロシアの反体制作家

　　　アンドレイ・ソルダトフ氏

　　　イリーナ・ボロガン氏

とともに、同社がロシアのインターネット検閲のためにモスクワのコントロールセンターに30台のサーバーを供給したと非難した。

　この報道に対して、スーパーマイクロは「スーパーマイクロは適用法や規制を遵守しており、当社の方針は国際人権原則と一致している。当社はこれを確実にするために適切に行動している」と反論した。

　スーパーマイクロは、株価の大幅な上昇により時価総額が2022年末の45億ドルから2024年3月には600億ドルに上昇した。

　この影響で、S&P500でワールプールに取って代わった。

　　

　2023年、Supermicroは楽天シンフォニーと提携し、クラウドベースのモバイルサービスの事業者向けに高性能なオープンRANテクノロジーとストレージシステムを開発した。

　同年後半、SupermicroはESGポリシーに重点を置いた液体冷却サーバーを発表した。

　このサーバーは空冷式データセンターで消費される電力の約40%を節約するという。

　2023年6月、SupermicroはNVIDIAチップを搭載した大規模言語モデルに最適化されたAIシステムの需要が高まったことを確認した。[44]

　　

　2014年、東京工業大学GSICセンターのスーパーマイクロ社製スーパーコンピュータ

　　　TSUBAME-KFC

が Green500リストで第1位にランクされた。

　2022年、同社の2U 2ノードサーバーソリューションは、NABショーの機械学習/AI部門で年間最優秀製品賞を受賞した。

　Supermicroは2023年にもNABの年間最優秀製品賞を受賞し、今回は同社のLiquid Cool AI開発プラットフォームが受賞した。