バリー・スチュアート・スターンリヒト(Barry Stuart Sternlicht)
1960年11月27日生まれ
米国の億万長者であり、運用資産1000億ドルを超える投資ファンド
スターウッド・キャピタル・グループ
をボブ・フェイスと共同で設立し、会長、CEOである。
また、スターウッド・プロパティ・トラストの会長も務めている。
スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドの創設者であり、1995年から2005年まで会長兼CEOを務めた。
2023年5月現在、彼の純資産は46億ドルと推定されている。
スターンリヒトはニューヨーク市で生まれ、コネチカット州スタンフォードで育った。
父親のマウリシー・「マーク」・スターンリヒトはポーランド出身のユダヤ人ホロコースト生存者で工場長であった。
母親のハリエットはニューヨーク出身で、生物学の教師と
株式仲買人
として働いていた。
スターンリヒトは1982年、ブラウン大学を卒業後、ウォール街で
裁定取引トレーダー
として働いた後、1986年、ハーバード・ビジネス・スクールで経営学修士号を取得している。
卒業後、シカゴの不動産投資会社JMB Realtyに就職したが1989年、貯蓄貸付組合危機と1990年代初頭の不況の始まりに、彼は解雇された。
1991年、31歳のとき、スターンリヒトはボブ・フェイスとともに
スターウッド・キャピタル・グループ
を設立し、貯蓄貸付組合危機後に破綻した銀行の不動産資産を保管・清算するために連邦政府が設立した
レゾリューション・トラスト・コーポレーション(整理信託公社)
が売却していたアパートの建物を買収した。
スターンリヒトは、これらの購入資金として、ニューヨークのデジタルメディアおよびインターネット企業Ziff Davis, Inc.の所有者
ウィリアム・バーナード・ジフ・ジュニア
とコーネリアス・ヴァンダービルト提督の玄孫
カーター・バーデン
の家族から出資を仰ぎ2000万ドルを調達した。
1993年、スターンリヒトはサム・ゼル(Samuel Zell)のエクイティ・レジデンシャルにアパートポートフォリオを譲渡し、その見返りとして同社の株式20%を取得した。
1994年、スターンリヒトが36歳のとき、彼の会社は
と提携して
ウェスティン・ホテルズ&リゾーツ
を5億6100万ドルで買収した。
1995年1月、スターンリヒトは破産寸前の不動産投資信託
ホテル・インベスターズ・トラスト
を買収し、CEOに就任した。
1997年、スターンリヒトの会社は、
の入札を上回る133億ドルで
シェラトン・ホテルズ・アンド・リゾーツ
を買収した。
スターンリヒトの革新には、 Wホテルやウェスティン・ヘブンリー・ベッドなどがある。
このベッドはスターンリヒトの自宅のベッドをモデルにしたものとされる。
バリー・スターンリヒトは、自身のファミリーオフィスである
JAWSキャピタル
からもベンチャー投資を行っており、同社も3つの別々のSPACに関与している。
1998年、スターンリヒトはアメリカ功績アカデミーのゴールデンプレート賞を受賞した。
2004年、スターンリヒトはインスティテューショナル・インベスター誌によって「アメリカで最も優れた宿泊施設のCEO」に選ばれた。
2005年、スターンリヒトはインテリアデザインマガジンの殿堂入りを果たした。
2010年、Commercial Property Executive誌はスターンリヒト氏を「年間最優秀経営者」および「年間最優秀投資家」に選出した。
2015年、スターンリヒトはホスピタリティ業界、不動産市場、世界のビジネスコミュニティへの貢献と慈善活動が評価され、2015年コーネル・アイコン・オブ・ザ・インダストリー賞を受賞した。
バリー・スターンリヒトはブラウン大学で出会ったミミ(旧姓ライヒェルト)・スターンリヒトと結婚したが、2016年に離婚した。
2016年、スターンリヒトはフロリダに移住した。
2007年、スターンリヒトと当時の妻ミミは、糖尿病の治療法の研究を支援するためにハーバード幹細胞研究所に100万ドルの助成金を提供した。
2024年、スターンリヒトは母校であるブラウン大学がイスラエルのガザ戦争に対する学生抗議者の懸念に対処するための理事会投票を行うことに同意した後、同大学への寄付を停止した。
シュテルンリヒトは歴史的に共和党員であると自認してきた。
ただ、最近では政治的見解は無所属であると述べている。
スターンリヒトはドナルド・トランプの「自称友人でありゴルフ仲間」だが、トランプがアメリカ合衆国大統領として政治の中道に移行しなかったことに失望している。
2008年、スターンリヒトはまず
ヒラリー・クリントン
の2008年大統領予備選挙キャンペーンに寄付し、その後
バラク・オバマ
の2008年大統領選挙キャンペーンに寄付した。
2012年、スターンリヒトはミット・ロムニーの大統領選挙キャンペーンに7万800ドルを寄付した。
2016年、スターンリヒトはジェブ・ブッシュの2016年大統領選挙キャンペーンを支援するために設立された政治活動委員会
ライト・トゥ・ライズ
に12万5000ドルを寄付した。
2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃の後、スターンリヒトの指示により、彼のスタッフが米国の最も影響力のあるビジネスリーダーの何人かとWhatsAppで長期にわたるグループチャットを開始した。
その目標は、イスラエルに有利な「物語を変える」ことと、米国世論の
「戦争に勝つ手助けをする」
ことであると明言され世論誘導を試みていたようだ。
2024年5月初旬に閉鎖されるまでに最終的に約100人のメンバーに拡大したこのチャットには、スターバックスの元CEO
ハワード・シュルツ
やデルの創設者兼CEO
カインド・スナックの創設者
ダニエル・ルベツキー
ヘッジファンドマネージャーの
億万長者の
レン・ブラバトニック
不動産投資家
ジョセフ・シット
そしてスライブ・キャピタルの創設者でドナルド・トランプ大統領の義理の息子
ジャレッド・クシュナー
の兄弟である
ジョシュア・クシュナー
が含まれていた。
グループのメンバーは、2024年4月下旬にニューヨーク市長のエリック・アダムスとビデオ通話を行った。
ワシントン・ポスト紙の報道によると、「コロンビア大学の学長と理事に圧力をかけ、市長がキャンパスに警察を派遣することを許可する」ことで、イスラエルのガザでの攻撃的な軍事作戦に対する批判を封じ込めようと工作した。
キャンパス内の多くの抗議者、政府間組織や非政府組織、公務員、世界中の政府は、この軍事作戦をジェノサイドだと主張している。
なお、ビデオ通話中、グループのメンバーはアダムスへの政治献金について話し合ったという。
スターンリヒトは、エスティ ローダー カンパニーズ、ビジネス カウンシル、リアル エステート ラウンドテーブル、ロビン フッド財団、ドリームランド コミュニティ シアター、および若年性糖尿病研究財団の全国リーダーシップ アドボカシー プログラムの取締役を務めている。
以前は、年金不動産協会 RH 、インビテーション ホームズ、トライ ポイント ホームズの取締役を務め、母校であるブラウン大学の元理事でもある。
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