Netflix(ネットフリックス)
アメリカ合衆国のオーバー・ザ・トップ・コンテンツ・プラットフォーム。
カリフォルニア州スコッツバレーで1997年に
リード・ヘイスティングス
マーク・ランドルフ
によって、設立された。
カリフォルニア州ロスガトスに本社を置くNetflix, Inc.によって運営されている。
2023年3月現在、Netflixの加入者数は2億3250万人である。
Netflix, Inc.は、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)のメンバーであり、世界各国のコンテンツを制作・配信している。
アメリカ合衆国の主要なIT企業で、FAANGの一つ。
ストリーミング配信では既存のコンテンツに加え、独占配信や自社によるオリジナル作品も扱っている。
オンラインDVDレンタルに関しては(米国内で)、10万種類、延べ4200万枚のDVDを保有し、レンタル向けに1600万人の顧客がいる。
アメリカ、オランダ、ブラジル、インド、日本、韓国、イギリス、シンガポール、フランス、スペイン、メキシコ、オーストラリア、ドイツ、イタリア、カナダに支社を持つ。
Netflix社は1997年8月29日、現CEOの
リード・ヘイスティングス
と、ソフトウェア会社の役員
マーク・ランドルフ
によって、カリフォルニア州スコッツバレーにて設立された。
創業時の資本金は250万ドルで、初代CEOにはランドルフが就任した。
オンラインでのDVDレンタルサービスを事業とすることを思いついたのはヘイスティングスで、かつて彼が『アポロ13』のビデオテープをレンタルした際、返却期限に間に合わず40ドルの延滞料金を支払った経験がきっかけとなっているという。
1998年、Netflix社はわずか30名の従業員と共に、ウェブサイトによるDVDレンタルサービスを世界で初めて開始した。
当初扱っていた作品数は925タイトルで、1週間レンタルにつき4ドル、送料・手数料として2ドル(追加でレンタルする場合はさらに1ドル)を支払う仕組みになっていた。
1999年9月、定額制のレンタルサービス「マーキー・プログラム」を開始し、月額15ドルでDVDを本数制限なしにレンタルできるこのサービスは、延滞料金、送料・手数料が全て無料という当時としては画期的なアイデアだった。
これ以降、ウォルマートなどのライバル企業が同様のサービスで参入した。
2012年にキオスク型でのレンタル事業を展開するレッドボックスに明け渡すまで、DVDレンタル業界1位の座を守り抜いた。
この年には本社を、現所在地のロスガトスに移している。
2000年、Netflixは会員の評価に基づき、各会員にお勧めの作品を提示する「レコメンド機能」を導入した。
同年にはレンタルビデオ店チェーン
ブロックバスター
に、5000万ドルで自社を売却するという旨の申し出を行っている。
この申し出に対し、ブロックバスター側が断ったことにより、買収はされなかった。
この時期、Netflixはアメリカ国内に60万人の会員を抱えるまでに成長し、2002年には新規株式を公開してNASDAQに上場した。
普通株式550万株を15ドルで売却し、さらに追加で82万5000株を同額で売却した。
2003年度の会計では、売上高2億7200万ドル、純利益650万ドルを計上している。
しかし、2004年に取締役員を務めていたランドルフが職を退き、会社を去った。
2005年には会員数が420万人を突破した。
扱う作品数も3万5000タイトルにまで増え、毎日100万枚ものDVDがNetflixを通じてレンタルされるようになった。
2007年1月、Netflix社は自社のコアビジネスを、それまでのDVDレンタルサービスからビデオ・オン・デマンド方式によるストリーミング配信サービスに移行した。
2008年から2010年にかけては、大手メーカーと提携し、ゲーム機(Xbox 360、PlayStation 3、Wii)、ブルーレイディスクプレーヤー、インターネット接続テレビ、Apple製品(iPhoneやiPadなど)およびその他デバイスでの配信に対応していった。
しかし2011年9月、Netflixは自社のサービスからDVDレンタルサービスを独立させ
「クイックスター」(Qwikster)
というブランド名で提供することを発表した。
DVDだけでなく、Xbox 360、Wii、プレイステーション3専用のゲームタイトルもレンタル可能にする予定だった。
しかし、利用者からは同社がストリーミング配信サービスと合わせてそれぞれ7ドル値上げしたことについて不満の声が上がり、第3四半期には約80万人もの会員がサービスを解約した。
さらに「クイックスター」という名前自体が、既にTwitterの個人アカウント名として使われていることが判明した。
翌月には計画全てを廃止することとなったという。
2012年10月にはエミー賞より、ストリーミング配信を世に広めた功績が讃えられ、同賞の技術開発部門であるプライムタイム・エミー・エンジニアリング賞を受賞した。
また、第4四半期にはアメリカ国内でのストリーミング配信サービスの利用者は2710万人に増え、売上高は9億4500万ドルとなった。
2013年、インターネット界のアカデミー賞とも呼ばれるウェビー賞のMedia Streaming部門(音声・映像ストリーミングサービス対象)でWebby Award(審査員投票)とPeople's Voice Webby Award(一般投票)のダブル受賞を果たした。
2014年4月、Netflixはアメリカでのストリーミング配信市場において32.3%のシェアを獲得した。
同年6月には企業ロゴのデザインおよびウェブサイトのUIを一新するリブランディングを行い、7月には全世界の会員数が5000万人を突破した。
2016年1月には、国際家電見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショーにおいて、新たに130カ国以上の国での展開を行い、全世界にストリーミング配信サービスを提供すると発表した。
同年末には、会員がオフラインで選択した動画をダウンロードして視聴できる機能が追加された。
Disney+やParamount+など新興配信サービス勢がコンテンツを囲い込んでNetflixへの供給を減らしながら加入者数を急速に伸ばす中、Netflixは自社が権利を独占するオリジナル作品を増やすとともに通販やゲームなどへの進出も進めた。
2021年6月10日、Netflixは公式の通販サイト「Netflix.shop」を開設した。
同社で配信されるオリジナル番組とコラボした商品を中心に取り扱う。サービス開始時点ではアメリカのみだが、Netflixは他の国や地域でも開始させる意向を持っており、日本でも数か月以内に通販事業を開始させる方針だとしている。
その後、同年11月に同サイトの海外発送に対応する形で日本でも通販サービスの展開を開始した。
中華人民共和国(香港特別行政区、澳門特別行政区を除く)、シリア、クリミア、北朝鮮、ロシアでは動画を配信していない。
ただし、中華人民共和国ではiQIYIにオリジナル作品のライセンス提供を行っている。
配信サービスを行う190以上の国のうち、10カ国に支社を持つ。
各国のさまざまな税や規制を免れており、カナダでは政治的な問題ともなっているほか、日本でも東京国税局から申告漏れを指摘されたことが2022年3月に報じられている。
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