デルタ航空(Delta Air Lines) 米国の大手航空会社

デルタ航空(Delta Air Lines)

　デルタ航空は、米国の大手航空会社の一つであり、ジョージア州アトランタに本社を置く米国で最も古く、世界で7番目に古い航空会社である。

　デルタ航空は、デルタコネクションを含む子会社や地域系列会社とともに、毎日5,400便以上を運航し、6大陸52か国の325の目的地にサービスを提供している。

　デルタ航空は、スカイチーム航空連合の創設メンバーである。

　子会社等(株式出資割合)

　・エンデバー航空

　・デルタテックオプス
　・トレーナー訓練所

　・アエロメヒコ航空（20％）
　・エールフランス-KLM（3％）
　・中国東方航空（3％）
　・ハンジン（15％）
　・LATAM航空（10％）

　
　・ヴァージン アトランティック航空(49%)
　・ホイールアップ（21％）
　・クリアセキュア（5％）
　・ユニファイ・アビエーション（49％）
　
　収益　580.5億米ドル（2023年）
　営業利益　55億2,100万米ドル（2023年）
　純利益　46億900万米ドル（2023年）
　総資産　736.4億米ドル（2023年）
　総資本　111.1億米ドル（2023年）
　従業員　103,000（2023年）
　

　デルタ航空には9つのハブ空港があり、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港は総乗客数と出発便数で最大の空港。

　デルタ航空は、輸送した乗客数、飛行した旅客マイル、および航空機の規模で世界最大の航空会社の中で第2位にランクされている。

　商業所有の航空会社の中では収益とブランド価値で第1位であり、フォーチュン500では113位である。

　デルタ航空の歴史は、世界初の空中農薬散布事業社

　　　ハフ・ダランド・ダスターズ

から始まった。

　同社は1925年3月2日にジョージア州メイコンで綿花作物のワタミゾウムシの蔓延防止のために設立され、 1925年夏にルイジアナ州モンローに移転した。

　 ゼネラルマネージャーで後にデルタ航空の初代CEOとなった

　　　C・E・ウールマン

は、地元の投資家グループを率いて同社の資産を買収した。

　デルタ航空サービスは1928年12月3日に設立され、ミシシッピ・デルタ地域にちなんで名付けられた。

　旅客便の運航は1929年6月17日に開始し、テキサス州ダラスからミシシッピ州ジャクソンまで運航された。

　途中、ルイジアナ州シュリーブポートとモンローに立ち寄っている。

　1930年6月までに、サービスは東はアトランタ、西はテキサス州フォートワースまで拡大した。

　デルタ航空が開拓した路線の

　　　航空郵便契約

は別の航空会社に授与され、その航空会社がデルタ航空サービスの資産を購入した。

　このため、1930年10月に旅客便は廃止された。

　管財人を務めていた地元銀行家のトラビス・オリバー、C.E.ウールマン、その他の地元投資家がデルタ航空サービスの農薬散布資産を買い戻し、1930年12月31日にデルタ航空コーポレーションとして法人化した。

　デルタ航空は1934年に航空郵便契約を獲得し、テキサス州フォートワースからサウスカロライナ州チャールストンまで伸びる郵便ルート24でデルタ航空として事業を開始した。

　デルタは1941年に本社をルイジアナ州モンローから現在のアトランタに移転した。

　社名が正式にデルタ航空になったのは1945年になってからのこと。

　1946年、同社は定期貨物輸送を開始した。

　1949年、同社はシカゴとマイアミ間で最初の割引運賃を開始した。

　1953年、同社はシカゴ・アンド・サザン航空を買収した。

　その後、最初の国際路線を開設した。

　1959年、同社はダグラスDC-8を飛行させた最初の航空会社となった。

　1960年には、コンベア880ジェット機を飛行させた最初の航空会社となった。

　1964年、デルタ航空はIBM 7070シリーズのコンピュータを使用した

　　　デルタマティック予約システム

を導入した。

　1965年、デルタ航空はマクドネル・ダグラス DC-9を運航した最初の航空会社となった。

　
　1970年までにデルタ航空は全機ジェット機を保有し、1972年にノースイースト航空を買収した。

　大西洋横断サービスは1978年にアトランタからロンドンへの初の直行便で始まった。

　1981年、デルタ航空はマイレージプログラムを開始した。

　1987年にウエスタン航空を買収し、同年デルタ航空は太平洋横断サービス（アトランタ-オレゴン州ポートランド-東京）を開始した。

　1990年、デルタ航空は米国で初めてマクドネル・ダグラスMD-11ジェット機を運航した航空会社となった。

　1991年、デルタ航空はパンナム航空の大西洋横断路線のほぼすべてとパンナムシャトルを買収し、デルタシャトルに改名した。

　デルタ航空は今や大西洋を横断する大手航空会社となった。

　1997年、デルタ航空は暦年で1億人を超える乗客を乗せた最初の航空会社となった。

　また、同年、デルタ航空はラテンアメリカへの国際路線の拡大を開始した。

　2003年には、格安航空会社のソング航空を設立した。

　
　2005年9月14日、同社は

　　　燃料費の高騰

を理由に破産を申請した。

　同社はUSエアウェイズによる敵対的買収をかわし、2007年4月に破産から脱し、ニューヨーク証券取引所に再上場した。

　ノースウエスト航空の買収は2008年4月14日に発表され、2008年10月29日に承認され完了した。

　ノースウエストは、2009年12月31日にノースウエスト航空の運航証明書がデルタ航空の証明書に統合されるまで、デルタ航空の完全子会社として運営を続けた。

　デルタ航空は、2010年1月31日にノースウエスト航空との統合を完了した。

　その際にコンピューター予約システムとウェブサイトが統合され、ノースウエスト航空のブランドは正式に廃止された。　

　デルタ航空とその世界中の提携航空会社は、1日あたり15,000便以上のフライトを運航している。

　デルタ航空はダカールに飛行する唯一の米国航空会社であり、競合のユナイテッド航空とアメリカン航空とともに、それぞれストックホルムとコペンハーゲンに飛行する唯一の米国航空会社である。

　2020年3月、デルタ航空はヨーロッパ大陸行きの全便を30日間停止し、輸送能力を40%削減した。　

　　
デルタ航空はスカイチームアライアンスのメンバーで各航空会社とコードシェア契約を結んでいる。 

　・アルゼンチン航空
　・アエロメヒコ航空
　・エア・ヨーロッパ
　・エアフランス
　・エアバルティック
　・チャイナエアライン
　・中国東方航空
　・チェコ航空
　・エル・アル航空
　・ガルーダ・インドネシア航空
　・ハワイアン航空
　・ITA航空
　・ケニア航空
　・KLM
　・大韓航空
　・LATAM航空
　・レックス航空
　・シーボーン航空
　・スカイエクスプレス
　・トランサヴィア
　・ベトナム航空
　・ヴァージン アトランティック航空
　・ウエストジェット
　　

　デルタ航空は、世界最大規模のエアバスA220、ボーイング717、ボーイング757の保有機数、ボーイング767の旅客機数、そして米国の航空会社としては最大のエアバスA330の保有機数である。

　また、デルタ航空は歴史的に、中古機の購入やリース、あるいは旧世代モデルの使用を好んで運用し、初期取得コストを抑えてきた。

　このビジネスモデルをサポートするため、デルタ航空は

　　　テックオプス

と呼ばれる大規模なMRO（整備・修理・オーバーホール）組織にも投資してきた。

　あだ、デルタ航空は売れ行きの悪いモデルを割引価格で購入したり、航空機メーカーが新型機に移行したりする中で、

　　　より安価な新型航空機

を入手してきた。

　その結果、2023年現在、デルタ航空はレガシーキャリアの中で2番目に古い航空機を運航しており、平均航空機齢は15.3年に短縮されている。

　2008年にノースウエスト航空と合併するまで、デルタ航空の保有機材はアメリカメーカーの航空機のみで構成されていた。

　ただし、破綻したパンアメリカン航空から取得したエアバスA310を除く。

　ノースウエスト航空との合併後はエアバスなど海外メーカーの航空機も加わり、その後もさらに増えている。　

　2023年、デルタ航空のフライトは84.72%の確率で目的地に定刻通りに到着した。

　これはCiriumによる北米の業界平均74.45%と比較して高い比率である。