11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党の
ドナルド・トランプ前大統領(78)
は7月31日、副大統領候補に選んだ
J・D・バンス連邦上院議員(39)
が子供がいない人への侮蔑的な言動をして問題視されていることについて
「彼は家族を大事に思っているのだ」
などと擁護したが、「有権者は大統領候補に投票するものだ。歴史的に見ても副大統領候補の人選は違いを生まない」とも主張、バンス氏の起用が裏目に出ている現状へのいら立ちをにじませたが、有事には副大統領が大統領になることを考えれば、致命傷に陥りかねない人選だろう。
トランプ氏は31日、中西部イリノイ州シカゴで開かれた黒人ジャーナリスト団体のイベントで質疑に応じたものだが、的を得た発言にはなっておらず、批判が止むことはないだろう。
そもそも、バンス氏が上院議員就任前の2021年、民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)らを「子なしの猫好き女性」と侮蔑的に呼んだこともあり、このことについてトランプ氏が問われると、「私の解釈では、彼は家族を大事に思っているということだ。家族がいないから間違っているということではない」と釈明してその場で記者の質問に対する矛先をかわそうとした。
また、バンス氏が21年に「子供に投票権を与え、その投票権を親に委ねよう」と発言したことについては「聞いたことがない」と答えを避けた。
さらに「バンス氏は大統領が職務を継続できない場合に大統領職を継承する準備ができているのか」と問われると、「彼をとても尊敬している」と述べた上で「副大統領候補が決まると2〜3日は騒がれるが、選挙は大統領を選ぶものだ。人々が私を気に入れば私が勝つし、気に入らなければ勝てない」と話をそらし、回答にもなっていないお粗末さを露呈した。
【関連する記事】