2024年08月16日

長年のエヌビディア支援者らが、AI特化ファンドを設立するも、バブル崩壊は否定

 米国半導体メーカー
   エヌビディア
の初期からの支援者であるリー・エインズリー氏が率いる
   マーベリック・キャピタル
は、同氏が今後10年間に予測する「飽くなき需要」に対応するため、人工知能(AI)に特化したファンドを立ち上げる。

 同社30年の歴史の中で初のセクター特化型である「マーベリック・シリコン」ファンドは
   AIエコシステム
をサポートするコンピューティングインフラに焦点を当てた中・後期段階の未上場企業に投資すると、エインズリー氏は投資家向け書簡で説明している。
  
 74億ドル(約1兆円)を運用するマーベリックは、7月1日に自社資金を新ファンドに投入した。
 年末までに予定されている2回目の募集締め切りを前に、顧客に投資を認める予定だ。

 20年前に初めてスタートアップ企業のエヌビディアに投資したエインズリー氏(60)は、AIに対して強気な見方を改めて示し、最近のハイテク株の急落は1999年の
   ドットコムバブル
の破裂の再来だとの議論を否定した。
 なお、当時と現在の市場の類似性に関する質問を受ける機会が増えているとし、若いトレーダーにはそのような比較をしないよう助言していることを明らかにした。

 また、「多くの投資家がインターネットバブルについて、人生経験ではなく歴史の本、「失礼、つまりポッドキャスト」からしか知らないことは理解しているが、この質問は私を困惑させる。この2つの市場環境の力学はまったく異なる」と論じた。

 エインズリー氏は、多くの投資家がこの技術の長期的な可能性を軽視しており、企業がAIインフラに注ぎ込んでいる資金が将来のリターンを正当化するものではないという懸念は見当違いだと主張したうえ、「われわれはAIの黎明期にいるに過ぎない」とし、AIの活用で企業は収益を上げ、資本を節約できるようになると続けた。

 AIコンピューティング・インフラのスピードと効率を向上させる企業は、「今後数年間、コンピュートパワーの需要は膨大なものになり続けるため、有意義な価値を創造する上で極めて有利な立場にある」とも記述した。

 ただ、エインズリー氏は、生成AIの台頭で不利になると考えている技術の一角、クラウドベースのアプリケーションソフトウエアについては楽観視していない。

 企業が生成AIへの投資を優先するため、クラウドベースのアプリへの支出を減らすと予想している。
 また、このシフトは「人間をAIプロセッサーに置き換える」ことを意味し、顧客企業の従業員数に基づいて価格を決定するアプリケーションソフトウエア・ベンダーにとっては痛手になると指摘した。

 ただ、エインズリー氏は空売りしている企業名は明らかにしなかったが、「歴史的に愛されてきた企業」が含まれ、数百億ドルの時価総額がリスクにさらされていると述べた。

 書簡によると、マーベリックの主要ヘッジファンドは年初から6月までに12%上昇し、ロングファンドは14%近く上昇した。
  
   
posted by manekineco at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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