中国は地方政府が売れ残り住宅を買い取ることができるよう
新たな資金調達手段
を検討していることが、この事情に詳しい関係者が匿名を条件にメディアの取材で明らかにした。
これまで習近平政権が先に打ち出した一連の支援措置は市場の下支えに寄与しなかったための措置だ。
新たな提案は、地方政府がいわゆる特別債を発行して住宅購入資金を賄うことを可能にするもので、特別債の使途は現在、インフラや環境プロジェクト向けなどに限定されている。
地方政府は今年すでに特別債発行枠3兆9000億元(約80兆円)の半分以上を使用しており、この計画が承認された場合、残りのどれだけの部分が住宅購入に向けられるかは不明だ。
資金調達手段を巡る新たな検討は、中国当局が
不動産危機に歯止め
をかけることを喫緊の課題と捉えていることを浮き彫りにしている。
しかし、今回の提案も過去の試みがぶつかってきた同じハードルの多くに直面することになりそうだ。
公式データによれば、中国には7月時点で
3億8200万平方メートル
の売れ残り住宅があり、これは米デトロイトの面積に匹敵する。
住宅危機はここ2年ほど、労働市場や消費、家計資産などあらゆる面に悪影響を及ぼしてきた。
習近平国家主席は先月、多額の債務を抱える地方政府の財政を強化し、地方の不動産市場規制について地元政府の自主性を高めるという目標を発表したが、この構想の詳細公表は今のところ限定的だ。
ひとこと
中国共産党が土地の所有権を持っており、その利用権を販売する権益が利権であった中国の地方政府が開発しても売れない土地が、こうした措置で売れる可能性は低いため、底支えにはならないだろう。