2024年08月23日

主要政策金利の据え置きを全会一致で決定していたが、幾人かの当局者が利下げの妥当な論拠があるとの認識を示した

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が7月30−31日に開いた会合では、主要政策金利の据え置きを全会一致で決定していたが、幾人かの当局者が利下げの妥当な論拠があるとの認識を示したことが8月21日に公表された議事要旨で明らかになった。

 議事要旨では「最近のインフレでの進展と失業率の上昇は、同会合で政策金利を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げる妥当な論拠を示したとの見解を幾人かは示した、もしくはそのような決定を支持しただろうとした」と記述されている。

 「データが引き続きほぼ予想通りの内容となれば、次回会合での利下げは適切になる公算が大きいとの考えを大多数が示した」という。

 議事要旨は借り入れコストは約20年ぶり高水準にあるものの、インフレと雇用の目標達成に対するリスクは今やほぼ同等との見方が、当局者の間で広がりつつあることを浮き彫りにした。
 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は7月31日の記者会見で、FOMCは利下げを開始する前に、インフレが当局目標の2%に向かっているとの「さらなる確信」を求めていると述べていた。

 「参加者の過半数は雇用の目標に対するリスクが高まったと発言したほか、多くの参加者はインフレ目標に対するリスクは低下したと指摘した」と記述された。
 また、「労働市場状況の漸進的な緩みがさらに進めば、より深刻な悪化に転じ得るリスクがあると一部の参加者は指摘した」としている。

 8月2日に発表された7月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場の予想以上に減速している。
 また、失業率は4.3%と、2021年10月以来の水準に上昇した。

 議事録でインフレは鈍化しており、過去数カ月に2%目標に向けて「一定のさらなる進展」があったと当局者らは指摘し、「参加者ほぼ全員が、最近のディスインフレに寄与した要因は今後数カ月にインフレに下押し圧力をかけ続ける可能性が高いとの見解を示した」と続けた。

 8月14日に公表された7月の米消費者物価指数(CPI)では、食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.2%上昇した。
 短期的なトレンドを示唆する3カ月の年率ベースでは1.6%上昇と、2021年2月以来の低い伸びにとどまった。

 パウエル議長はこうした最近の数字を挙げて、9月の0.25ポイント利下げが
   インフレを誘発する可能性は低い
と主張するとの見方が主流だ。
 同氏は23日にジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)で基調講演を行う予定で、こうした流れを明らかにするかどうかに注目が集まっている。

 なお、今回の議事要旨では、当局のバランスシート縮小継続に何らかの変更を加えるとのガイダンスはほとんど示されず、当局者らは「FRBの証券保有を減らすプロセスを継続することが適切だと判断した」との記述にとどまったままだ。


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