2024年08月23日

9月会合に向けオープンマインドを保つことを約束(ECB 議事要旨)

 欧州中央銀行(ECB)が22日に公表した7月17、18両日の
   政策委員会の議事要旨(関連情報)
では「9月の会合は金融政策による景気抑制の度合いを再評価する良いタイミングだと広く見なされた」とした上で、「この会合にはオープンマインドで臨むべきであり、これはデータ依存というのが特定の単一データを過度に重視することと同義ではないことを意味する」と強調した。
 
 ECB当局者らは
   9月が金利スタンスを見直す適切なタイミング
だと判断したが、インフレ見通しに残るリスクを考慮して
   オープンマインド
を保つことを約束した。

 投資家はECBが9月に、6月に続く
   追加利下げ
に踏み切ると見込んでいる。
 夏期に発表されたインフレと生産性の指標は期待外れだったが、賃金を示す重要な指標は4−6月(第2四半期)の上昇鈍化を示しており、消費者物価の伸びも今月は緩やかになると予想されていることが背景にある。

 政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は、欧州の成長見通しに対するリスクが高まっていることから、9月会合での利下げの根拠は強まったとの考えを示した。

 サービスインフレの持続については引き続き、インフレ見通しを形成する中心的な要素だった。サービスインフレの高止まりが長期化するリスクは、回復の弱さによって緩和されたわけではないと指摘された。
 
 非エネルギー工業製品のディスインフレは平坦化しつつあり、運賃の高騰と保護主義の台頭が将来的に財のインフレに上昇圧力をかける可能性があるため、コアインフレ率のさらなる低下はサービスセクターのディスインフレに依存する必要がある。
 
 同時に、サービス部門の利益が低水準ながら伸び続けていることやサービス需要の強さは、最も強いインフレ圧力の源である部門への金融政策の伝達が弱くなっていることを示唆した。
 
 このことは、中銀の信頼性という観点からも、政策伝達のこれ以上の遅れは高いコストを伴う可能性があるという点でも重要だ。インフレ率が長期にわたって目標を上回っているため、インフレ期待は通常よりも脆弱になっている。
 
 金利について政策委員会は、ディスインフレが実際に軌道に乗っていることを確認するためにより多くのデータを辛抱強く待つ余裕があるとの主張があった。
 また、慎重なアプローチをとることで、インフレが現在予想されている以上に持続する場合、政策金利をより緩やかに引き下げることで対応することが可能になる。
 同時に、政策金利を景気抑制的な水準に長く維持することで景気を過度に損なわないことも重要であるため、政策金利の漸進的な引き下げはバランスを必要とすることが強調された。
 
 9月会合までに、7月と8月のインフレ率、1人当たり雇用者報酬、企業利益、生産性を含む第2四半期の国民経済情報、最新の金融データ、新しいスタッフ予測など、広範な新しいデータが入手可能になるとした。

   
posted by manekineco at 06:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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