ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから24日で2年半となるなか、ロシア軍はウクライナ東部で攻勢を強める一方で、ウクライナ軍はロシア西部への越境攻撃を続けており、停戦に向けた交渉における材料を持つための動きが加速しており、戦闘の終結につちえは表向きは見通せない状況にある。
ロシア軍はウクライナ東部のドネツク州で、ことし2月、拠点の
アウディーイウカ
を掌握して以降、今月に入っても激戦ののち集落を徐々に支配下に組み入れており、肉弾戦を強いるロシア軍の猛攻によりウクライナ側との攻防が激しさが増している。
砲弾や兵士の数で劣るウクライナは、今月4日、米国製のF16戦闘機を受け取り、起死回生を目指している。
また、欧米側からさらなるF16の供与が必要だという指摘も出ている。
ウクライナ軍は今月6日、自由ロシア軍団の義勇兵とともに、ロシア西部への越境攻撃を開始し、最大で35キロ前進して東京23区の面積のおよそ2倍にあたる1263平方キロメートルの領土と、93の集落を掌握したと主張している。
国連人権高等弁務官事務所は、軍事侵攻が始まって以降、先月末までにウクライナでは633人の子どもを含む1万1520人の市民が死亡したと発表し、戦闘の長期化と支配した地域における住民への警告なしの発砲や尋問・処刑などが繰り広げられており、ミサイルや爆弾、砲撃などによる無差別攻撃による市民への虐殺行為などで犠牲も増え続けている。
和平交渉を巡ってロシアのプーチン大統領は、一方的に併合したウクライナの4つの州からウクライナ軍が撤退することなどを条件としてあげるなど、ウクライナ側が到底受け入れられない条件を主張しており、戦闘の終結は見通せない状況となっている。
日ソ不可侵条約を敗戦直前に一方的に破棄して、満州国に侵攻したソ連軍が開拓民に行った暴虐行為と同じ状況にある。