2024年08月27日

6000億ドルの恩恵、低金利固定の住宅ローンが利上げに耐える消費育む

 再保険大手スイス・リーの調査機関
   スイス・リー研究所
のマヒル・ラシード、ジェームズ・フィニュケーン両エコノミストはリポートで米国における低金利時代に借り入れた固定金利での住宅ローンで、2022年より後に
   6000億ドル(約86兆7500億円)相当の手元資金
が消費者に行き渡ったと推計し、こうした住宅保有者が想定上「手にした資金」は個人消費全体の2%近くに相当するもので、こうした影響が金融政策の効果を相殺し、消費需要は利上げへの耐性を見せ、一連の米政策金利引き上げによる影響を鈍らせたと分析した。

 また、同じ仕組みは今度、これから見込まれる利下げ局面でも効果を発揮し、景気が減速する中で消費需要の喚起が難しくなる可能性が高いと続けた。

 金融緩和による押し上げ効果が限定的となれば、「向こう1年、われわれの基本シナリオが想定するよりも傾斜の強い緩和サイクル」につながり得ると指摘した。

 スイス・リーによると最近の金融引き締めサイクル中、米住宅ローンの市場金利は借り手が既存のローンで支払う平均金利を3.2ポイントも上回った。

 家計の債務に占める大きな部分が利上げの影響から守られ、金融政策の効果が分散されたため、連邦公開市場委員会(FOMC)は必要以上に高い水準に金利を引き上げる必要があり、結果的にそのしわ寄せが賃貸住宅の借り手に向かったと考えられるとした。

 スイス・リーでは、この先1年はこれまでと反対で、FOMCは
   本来より積極的に金利を引き下げる
ことになりかねないと分析している。
 住宅価格の中央値は2020年初頭から60%程度跳ね上がっており、クレジットカードの支払い遅延率は新型コロナ禍前を上回っている。
 利下げの恩恵が限定的でしかない家計の債務負担が増える見通しだという。
  
   
posted by manekineco at 07:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース・話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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