2024年08月30日

中国経済状況の悪化がさらに深刻化し、人気観光地も利益が出ない状況

 中国陝西省西安市の「大唐不夜城」はライブ配信や短編動画のブームに伴い、ネット上では人気のスポットとなり、年間を通じて多くの観光客を引き寄せていた。
 ただ、西安を拠点とする大型文化観光企業グループに属する
   曲江文旅
が最近発表した全額出資子会社「大唐不夜城」の
   「2024年半期決算報告」
では観光地は観光客で溢れかえり、上半期において営業収入は3938.3万元を達成した。
 しかし、純利益はわずか23.53万元にとどまるなど赤字に直面して経営困難に陥っていることが明らかになった。
 8月25日、「大唐不夜城半年でわずか23.53万元の利益」というニュースが出て注目を集めた。

 曲江文旅は西安の有名観光地の運営・管理を担当しているものの、上半期における曲江文旅全体の営業収入は1.87億元の赤字を計上し、前年同期比で15倍もの赤字拡大となった。

 利益の大幅な減少について、曲江文旅は、売掛金の
   信用損失モデル
が前年同期と比べて変更され、貸倒引当金の計上が増加し、2024年半期決算報告が赤字になる見通しであると説明した。
 全国的に有名な人気観光地が、なぜこれほど
   深刻な収益低下
に直面しているのか、多くの人々が想像さえできないこともあり、このニュースが注目された。
 ネット上では、いつもあれほど繁盛していた「大唐不夜城」が、なぜわずか23.53万元の純利益しか達成できないのかという疑問の声が出ている。

 中国最大の検索エンジンである「百度」では、「大唐不夜城」について「大唐不夜城は、陝西省西安市雁塔区の大雁塔の隣に位置しており、南北2100メートル、東西500メートル、総建築面積は65万平方メートルに及びます。北は大雁塔南広場から始まり、南は唐城壁遺跡、東は慈恩東路、西は慈恩西路まで広がっています」と説明され、261店舗の商店と12軒のホテルがあることが分かる。
 261店舗の賃料を計算すると、店舗ごとの平均面積100平方メートル、額賃料500元と仮定した場合:1年間の賃料収入は、おおよそ1.56億元となりなる。
 なお、この金額は、他のホテルの賃料収入は含まれていない。
 そもそも、常識的に考えれば、65万平方メートルの建物が1億元以上の賃料を稼げないというのは考えにくいため、一部のネットユーザーは、曲江文旅の収入は「大唐不夜城」の賃料ではなく、管理費によるものだと推測している。

 ただ、管理費が問題であったとしても、23.53万元の純利益は非常に異常に低い数値だ。
 軽資産運用に特化した会社として、曲江文旅の収入源は主に管理手数料に依存しており、この手数料を回収できなければ、会社は大きな財務リスクに直面することになりえる。

 曲江文旅が最近約2億元の赤字を計上したのは、手数料が回収できず、直接貸倒引当金として処理されたためだ。
 ネットユーザーは曲江文旅は、おそらく上場当初、財務状況を良く見せるために、管理手数料が非常に高かったと指摘している。
 例えば、3万平方メートル以上の
   大明宮遺跡
では、年間管理報酬が1.28億元であったが、現在の問題は
   地方政府の財政
が本当に厳しいため、問題は「大唐不夜城」が利益を上げていないのではなく、業主が手数料を支払うお金がないということに行き着くという。

 さらに懸念されるのは、西安の「大唐不夜城」の状況が、全国的に見ても決して珍しい例ではない。
 張家界、桂林、雲南など、多くの有名な人気観光地も同様の困難に直面し、観光客数は多いものの、利益は惨憺たる状況にある。

 中国で非常に有名な人気観光地である張家界は、国内外の観光客に長年愛されてきた。
 なお、張家界は上半期の純利益が5800万元から6300万元の赤字になる見込みです。

 桂林観光が発表した上半期の財務報告によると、会社は報告期間中に約2000万元の純損失を見込んでいる。
 雲南省では月平均で1億人近く(0.96億人)の観光客を迎えており、雲南観光にはもはや閑散期が存在していない。
 それにもかかわらず、雲南観光は2024年上半期に4000万元から6000万元の赤字を見込んでいるという不思議な状況にある。

 また、有名な人気観光地である重慶洪崖洞も、過去3年間の純利益はそれぞれ5.89万元、-343.46万元、-157.88万元であり、3年間の純利益は-495.45万元しかない。

 客流不足が問題という視点はなく、これらの人気都市や観光地には非常に多くの人が訪れている。
 問題は各地の
   経済基盤
が持ちこたえられなくなっているためだ。
 客流が多いにもかかわらず、利益が大幅に減少するという異常な現象が起こる背景の答えは曲江文旅にある。
 曲江文旅は、軽資産モデルで運営されている経営管理方式を採用しており
   観光地の固定資産
を所有せず、日常の運営やテナント募集を担当し、管理手数料を受け取るとスタイルである。

 このビジネスモデルは、曲江文旅が多くの人
   気観光地の運営権
を大きな投資を必要とせずに手に入れることを可能にするがが、収益モデルが単一であり、パートナーが何らかの理由で管理手数料を支払うことができなくなった場合、曲江文旅自身が巨大なリスクを背負うことに帰結する。

 現在、曲江文旅は多額の赤字を抱えており、売掛金は既に11億元を超えた。
 これは、このリスクが長期間にわたって続いていることを示しています。
 10年前の2014年から、曲江文旅は管理手数料の未払いに悩まされており、毎年の売掛金残高は当年の営業利益を上回っていた。
 2024年第1四半期末時点で、曲江文旅の売掛金規模は11.40億元に達し、2023年年末から1.07億元増加した。
 巨額の売掛金が回収できないと、表面的には経営が盛況であるように見えるが、実際には赤字が拡大し続けている。
 結局のところ、中国各地の経済状況が悪化していることが、根本的な原因でと言われる。

  
ひとこと
 あらゆる利権が中国共産党と直結しており、周囲でこうした利権を貪ることで懐を増やす地方も、景気後退で収入源が細まり、管理手数料の未払いが増加経口を強めている。
 不動作の所有者が中国政府であり、土地の利用券の販売という名目でこれまではカネを稼いできたがこうしたマジックが効かなくなっている。
 不オヅs難開発で資金を使っても利用券が売れない事態は信用の不安定化を加速するだけであり。収入の確保のため管理手数料の未払いを行っているとも言える。

   
posted by manekineco at 06:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 株銘柄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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