アフリカのコンゴ(旧ザイール)政府は3日、首都キンシャサの刑務所で2日に収容者が脱獄しようとし、警備担当者の発砲などで少なくとも129人が死亡したと明らかにした。
AP通信によると、刑務所の定員は1500人で国内最大。
ただ、1万2千人以上が収容される過密状態で多数の収容者が脱走しようと殺到したとみられ、政府は「警告後の射撃」で24人が死亡したと説明した。
ほかの105人は圧死したり窒息死したりしたとしている。
また、59人が負傷し、火災が起きて建物が損傷した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、過密が原因で水や食料、医薬品が不足していると指摘していた。収容者の大半は未決囚という。
ひとこと
コンゴの政治体質の問題が背景にあるのだろう。
大統領のドニ・サスヌゲソは1979年から1992年まで一党制時代の大統領を務めた後1997年の内戦に勝利して以降再び長期にわたって政権の座にある。
独裁的な傾向や腐敗が度々指摘され、2015年には憲法改正によって
大統領の三選禁止規定
が撤廃された。
また、2016年の大統領選挙でもサスヌゲソが再選されたものの、野党勢力は
選挙不正
に対して抗議を行っており、こうした長期独裁政権による表面的な民主国家では政治犯等が多数発生しているのも背景にあるのだろう。