米民主党のハリス副大統領とトランプ前大統領が初めて顔を合わせる
大統領候補者のテレビ討論会
が、ABCテレビ主催で10日に行われる。
現時点で予定される唯一の討論会となるものだが、論議の中身よりスタイルが勝敗を分けると両陣営は考えているとの情報が出てきた。
が、ABCテレビ主催で10日に行われる。
現時点で予定される唯一の討論会となるものだが、論議の中身よりスタイルが勝敗を分けると両陣営は考えているとの情報が出てきた。
大統領候補2人のアドバイザーにメディアが取材したところよると、争点に関する詳細な議論ではなく、どのように認知されるかやプレゼンテーションが決め手になると想定し、有権者の印象に磨きをかけ、弱点につまずく余地を相手に与えようとしている。
ハリス氏の陣営に近い民主党議員は、ハリス氏とそのチームは二つのポイントに重点を置いている。
事実確認を行い、「ショーマン」「弱い者いじめ」と見なすトランプ氏に立ち向かう最も効果的な方法を見いだすこと、ハリス氏の経歴をあまりよく知らない国民に彼女を紹介することの2つだ。
事実確認を行い、「ショーマン」「弱い者いじめ」と見なすトランプ氏に立ち向かう最も効果的な方法を見いだすこと、ハリス氏の経歴をあまりよく知らない国民に彼女を紹介することの2つだ。
一方で有権者の良くも悪くも知名度があるトランプ氏は、ハリス氏の答えが
要領を得ない印象
を与えることを期待しており、ハリス氏に話す機会を与えたうえ、
答弁能力を批判する材料
を作り出そうとする劇場型の扇動政治家として、中身の質よりも単純思考の聴衆を引きつけようとする戦略を展開しそうだ。
要領を得ない印象
を与えることを期待しており、ハリス氏に話す機会を与えたうえ、
答弁能力を批判する材料
を作り出そうとする劇場型の扇動政治家として、中身の質よりも単純思考の聴衆を引きつけようとする戦略を展開しそうだ。
大統領選挙の投票日まで残り2カ月となり、世論調査で接戦が予想される両候補の狙いは、
政策課題のポイントが曖昧なまま
でも、有権者に自分が最強の候補者だと納得させることが重要だ。
政策課題のポイントが曖昧なまま
でも、有権者に自分が最強の候補者だと納得させることが重要だ。
東部ペンシルベニア州フィラデルフィアでの討論会では、ハリス氏の政治キャリアで最大の試練の一つになる。
バイデン大統領は、トランプ氏との最初で最後の候補者テレビ討論会で精彩を欠いた。
この適時適切な対応ができず、撤退圧力が一気に高まるきっかけとなった。
バイデン大統領は、トランプ氏との最初で最後の候補者テレビ討論会で精彩を欠いた。
この適時適切な対応ができず、撤退圧力が一気に高まるきっかけとなった。
トランプ氏が経済や移民問題で攻撃してくるとハリス氏のチームは予想している。
同氏の元側近は、政策に踏み込むことは有効ではなく、トランプ氏の
侮辱的発言
に「超然としている」と映るかどうかが成功の鍵だと指摘する。
同氏の元側近は、政策に踏み込むことは有効ではなく、トランプ氏の
侮辱的発言
に「超然としている」と映るかどうかが成功の鍵だと指摘する。
バイデン政権で大統領首席補佐官を務めた
ロナルド・クレイン氏
によれば、ハリス氏はトランプ氏の大統領在任時の「前科」を追及し、トランプ政権が混乱の中で、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応を誤ったという批判を前面に出す戦略で立ち向かうものと考えられる。
ロナルド・クレイン氏
によれば、ハリス氏はトランプ氏の大統領在任時の「前科」を追及し、トランプ政権が混乱の中で、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応を誤ったという批判を前面に出す戦略で立ち向かうものと考えられる。
なお、トランプ氏のアドバイザーらは、今回の討論会がバイデン氏に代わり民主党の大統領候補となったハリス氏の「蜜月期間」に幕を引く機会を作り出そうと躍起だ。
ひとこと
トランプ氏のアドバイザーらが練り上げた戦略もトランプ氏が問題となる発言を抑制して対応できるかどうか。
嫌悪感を聴衆に持たせかねない段階までトランプ氏が発言してしまう可能性が高い。
多かれ少なかれ、劇場型政治家が陥りやすい沸騰型の思考と沈着冷静な検事出身のハリスとの討論は見ものだろう。