ボストン コンサルティング グループ(Boston Consulting Group, Inc BCG ) 米国の世界的な経営コンサルティング会社

ボストン コンサルティング グループ(Boston Consulting Group, Inc　 BCG )

　1963年に設立された米国の世界的な経営コンサルティング会社で

　マサチューセッツ州ボストンに本社を置く

　マッキンゼー・アンド・カンパニー、ベイン・アンド・カンパニーとともに収益で世界最大の3つの経営コンサルティング会社

　　　「ビッグスリー(MBB)」

の一つでもある。

　2021年以来、BCGはドイツ人経営者の

　　　クリストフ・シュバイツァー

が率いている。

　収益　123億ドル（2023年
　従業員数　全世界で32,000人　

　　
　1963年にニューイングランドで最大の独立系信託組織

　　　ボストン・セーフ・デポジット・アンド・トラスト・カンパニー

　　　　　　　　　　　　（Boston Safe Deposit and Trust Company）

の一部として設立された。

　ブルース・ヘンダーソンはボストンの世界最古の経営コンサルタント会社

　　　アーサー・D・リトル

に採用され、ボストン・セーフ・デポジット・アンド・トラスト・カンパニーの経営コンサルティング部門という名称の子会社としてコンサルティング部門を設立した。

　当初、この部門は銀行の顧客へのアドバイスのみを行っており、初月の請求額はわずか500ドルだった。

　ヘンダーソンは1963年12月に2人目のコンサルタント

　　　アーサー・P・コンタス

を雇った。

　1966年、BCGは東京に2番目のオフィスを開設した。

　1967年、ヘンダーソンは

　　　ビル・ベイン

と出会い、彼に会社での役割をオファーした。

　ベインは同意し、1967年に年俸1万7000ドルで入社した。

　1970年代初頭、ベインは社内でヘンダーソンの後継者になると考えられていた。

　しかし、1973年にベインはBCGを辞職し、自身の戦略コンサルティング会社である

　　　ベイン・アンド・カンパニー

を設立し、BCGの従業員6人を採用した。

　1974年、ヘンダーソンは従業員持株制度を導入し、従業員がボストン・セーフ・デポジット・アンド・トラスト・カンパニーから会社を独立させることができた。

　全株式の買収は1979年に完了した。

　1980年代にBCGは、市場優位性をもたらす時間管理の役割を再考した時間ベースの競争の概念を導入した。

　この概念は、ハーバードビジネスレビューのエッセイの主題であった。

　2021年5月、同社はリッチ・レッサーに代わりクリストフ・シュバイツァーをCEOに選出した。

　レッサーは退任し、同社のグローバル会長に就任した。

　ボストンコンサルティンググループは2022年に「2022年年次サステナビリティレポート」を発表した。

　社会と地球への影響に焦点を当てた数多くの取り組みを取り上げた。

　2015年以来、数値で見ると、温室効果ガス排出量は30％削減、水使用量は20％削減、廃棄物発生量は15％削減、エネルギー消費量は10％削減となっている。

　BCGは通常、トップクラスの大学、大学院、ビジネススクールからアソシエイトまたはコンサルタントのポジションで採用を行っている。

　1970年代、BCGは「成長シェアマトリックス」を作成し、普及させた。

　これは、大企業が事業部門間で現金をどのように配分するかを決定するのに役立つチャートである。

　企業は事業部門を「スター」、「キャッシュカウ」、「クエスチョンマーク」、「ドッグ」に分類し、それに応じて現金を配分し、「キャッシュカウ」から市場成長率が高く、したがって上昇の可能性が高い「スター」と「クエスチョンマーク」に資金を移動した。

　
　2022年12月、BCGは多くの代替事業部門をBCG Xというブランド名で単一の事業体に統合した。

　これには、クライアントにデジタルおよびテクノロジー関連のコンサルティングサービスを提供することに重点を置いたいくつかの事業部門が含まれる。

　BCGガンマは、BCGの従来のコンサルティングサービスに加え、高度な分析、機械学習、AIなどのデータサイエンスプロジェクトに特化している。

　BCGデジタルベンチャーは、企業と提携して新製品や新サービスの発明、発売、拡大に取り組んでいる。

　 Ware2Go（ユナイテッドパーセルサービスと共同開発した物流プラットフォーム）、Tracr（デビアスと共同開発したブロックチェーンベースのサプライチェーントラッカー）、OpenSC（世界自然保護基金と共同開発したサプライチェーントラッカー）は、BCGDVが支援するプロジェクトである。

　BCG Platinionはテクノロジーとデジタル変革コンサルティングサービスに特化している。

　
　BCGブライトハウスはビジネス目的のコンサルティングに特化したコンサルティング会社。

　ヘンダーソン研究所はボストンコンサルティンググループのシンクタンクであり、BCGの創設者である

　　　ブルース・ヘンダーソン

にちなんで名付けられた。

　この研究所の主な焦点は、ビジネスと世界経済に影響を与える戦略的および経営的問題の研究を行うことである。

　公共インパクトセンターはBCG内の非営利団体であり、政府および公共部門組織の影響力と有効性の向上に重点を置いている。

　このグループは、政府、非営利団体、その他の公共部門の組織と協力して、それらの目標の達成と国民にとってより良い成果の実現を支援している。

　2020年1月19日のニューヨークタイムズの記事によると、ボストンコンサルティンググループが、アンゴラが貧困、文盲、乳児死亡率に苦しむ中、同国の天然資源を搾取していた

　　　イザベル・ドス・サントス氏

と仕事をしていたことがわかった。

　この記事によると、BCGはアンゴラ国営石油会社

　　　ソナンゴル

のほか、同氏の夫がルクセンブルク、マルタ、オランダのダミー会社を通じて所有する宝飾品会社

　　　デ・グリソゴノ

と契約しており、マルタなどのタックスヘイブンのオフショア会社を通じて報酬を受け取っていたと報じられた。

　ニューヨークタイムズは、ボストンコンサルティンググループが

　　　マッキンゼー

　　　ブーズ・アレン

とともに、サウジアラビアで

　　　ムハンマド・ビン・サルマン皇太子

の 権力強化を支援しているコンサルティング会社の一つであると報じた。

　BCGの広報担当者は、同社は軍事や諜報戦略に関わるプロジェクトを断っていると述べた。

　しかし、BCGはビジョン2030と呼ばれる同国の経済青写真の設計に関わっている。

　2021年6月、BCGはカタールが2030年FIFAワールドカップを開催する可能性を調査するために雇われた。

　FIFAの大陸間ローテーションの方針により、カタールが2022年に中東で初めてワールドカップを開催する予定であった。

　このため、アジアサッカー連盟（AFC）加盟国は2034年までワールドカップを開催することができなかったため、この入札は大きな取引であると評価された。

　2024年、BCGコンサルティングの責任者らは議会に召喚された。

　同社とサウジアラビアとの間の財務詳細を開示するよう求められ、情報を漏らした場合は懲役刑に処される可能性があるとスタッフに警告した。

　ボストン コンサルティング グループは、ダーゲンス ニュヘテル紙の調査を受けて、カロリンスカ ソルナ新大学病院の建設への関与について批判を受けている。

　具体的には、BCG の元従業員で当時病院幹部だった人物が

　　　適切な領収書なしに多数の経費を承認

したという潜在的な利益相反と、BCG を含む外部コンサルタントへの高額な支払いが問題となっている。

　調査報道書籍「Konsulterna - Kampen om Karolinska 」 （略称「コンサルタント - カロリンスカ大学病院の闘い」）の中で、著者でダーゲンス ニュヘテル紙の記者であるアンナ グスタフソンとリサ ロストルンドは、 BCG が推奨する価値に基づく医療モデルが適切に調査されず、管理の急激な増加と患者に対する責任の欠如を招いたと主張している。

　
　2022年、BCGはGameStopに対して訴訟を起こした。

　同社はプロジェクトに対する3000万ドル相当の手数料の支払いを拒否したとされる。

　GameStopは、BCGが同社のEBITDAにほとんど改善をもたらさなかったため、支払いを拒否することが

　　　ステークホルダーの利益

に最もかなうと主張した。

　BCGは、同社は提案書で約束した以上の成果を上げており、見積もられた変動手数料は契約どおりの「予測」されたEBITDAの改善に基づいており、実現したものではないと主張した。

　なお、2024年7月30日、訴訟は共同棄却で終了した。